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インタビュー 原田真二

心にエネルギーを与える歌で世界平和を実現したい

「ガチ!」BOUT. 195

 

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70年代にデビューし「キャンディ」や「シャドー・ボクサー」など数々のヒット曲を世に送り出したシンカーソングライター、原田真二さん。現在、音楽を通して、日本のみならず世界中でチャリティー活動を行っている。ニューヨークにも毎年8月、広島・長崎の法要と、9・11の(米同時多発テロの)セレモニーのコンサートに出演するため来米。歌を通して世界平和を実現する活動に焦点をあてて話を伺った。
(聞き手・高橋克明)

 

音楽を通し世界平和を訴える 

インターフェース平和祈念式「平和の集い」は何回目の参加でしたでしょうか。

原田 前回(昨年)で9年目になります。最初はユニバーサル・ピースデーという平和イベントにゲストで招かれまして。その後に東京の「広島県人会」で知り合った方に「平和のために音楽活動されているなら」、ニューヨークでのイベントにも来てほしいとおっしゃっていただいて。毎年8月の広島・長崎の法要と、9・11の(米同時多発テロの)セレモニーのコンサートは、ずっと継続しているので、今後もそこだけは続けたいと思ってるんですけれど。

チャリティーコンサートのために、毎年、アメリカに来られてるんですね。

原田 不思議なご縁なんですけれど、実は僕、シアトルにほとんどの親戚が住んでいまして。

えっ! そうだったんですか。

原田 祖父母、両親ともにシアトルなんですよ。

全く存じ上げませんでした。

原田 祖父母が移民しまして、母は日本で生まれてるんですが、非常にシアトルと縁が深くて…。(祈念式の主催者の)中垣顕實法師がシアトルの仏教会とも縁があり、そこの世話役をやっていたのが、僕の叔父たちだったんですね。

それは…偶然で?

原田 全くの偶然です! 「原田さんの叔父さんにはいつもお世話になってます」って(笑)。いきなりファミリアな付き合いになりまして。すでにその時には叔父は亡くなってたんですが、叔父たちが写っている仏教会のアルバムを見せていただいて。まさか、ニューヨークに来て、初めてお会いした方々に親戚の写真を見せていただくとは思わなかったですね。(笑)

運命を感じてしまいますね。

原田 何か不思議な縁だなーって。叔父たちが結びつけてくれたのかなって。そこから10年近く一緒にやらせていただいてます。それがきっかけでどんどんどんどんいろいろなつながりが広がっていって、それが今回は国連との縁までつなげてくれたんですね。

国連ではどういった活動をされたのでしょう。

原田 「High level forum on the culture of peace」という、非常に大きな舞台に出させていただいたんですね。今も国連のHPに動画(http://goo.gl/302ASM)が掲載されてますが、国連のど真ん中で歌わせていただいたり。メキシコシティでの軍縮会議でも歌わせていただいたり、(米元大統領の)ジミー・カーターさんとつながりを持てたり。フランスのシラク財団の方からヨーロッパでも、とお話をいただいたり。

世界にどんどんつながっていきますね。

原田 東京でやっても、絶対、広がりは期待できないんですよ。まず、ないんですよ。やっぱりそこはニューヨークの素晴らしさだと思いますね。広島、長崎のことも、あえてニューヨークから発信していく。これが大きなつながりとなることを僕は手応えとして感じていますね。

決して、その場限りの“点”では終わらせたくない。

原田 広げなきゃ意味ないんですよ! 例えば、東京でやれば一部の外国人が見てくれるかもしれない。もちろん、それはとても価値があることだけど、もっと、もっと、加速度を増して広げなきゃいけないことだと思うんですね。もっと、もっと、確実に結果が見える物にしたいんですよ。

原田さんが歌う理由はなんでしょう。

原田 もう、明快。シンプルなんですよ。歌を聴いてもらってる人に優しくなってほしい。それだけなんですね。歌にはそういう力があると思っていて、元気になれたり、夢を見られたり、悩みがいきなり吹っ飛んだり。人生が変わることだってあるわけですよね。それは皆さん、好きなアーティストや好きな楽曲でそういう瞬間を感じてると思うんですよ。僕自身もその一人でしたし。やっぱり芸術の力、特に音楽は理論や理屈じゃなくて、心の扉を即、開いてくれる。とにかくいい物はいいって感じさせてくれる。やる気まで“ドン”って注入してくれる。心に直接エネルギーを与えてくれる。僕の場合は、音楽を通じて“優しさ”を伝えたいんですよ。優しい音楽を聴いて、人が優しくなってくれれば、そのコミュニティーは間違いなく平和になるんですね。例えば、70億の人がいたとして、その一人一人が本当に優しい気持ちになれば、戦争は起きないですよね。政治が先導したり、宗教が引っ張るより、その人、本人が優しい気持ちにならないと意味がないんです。で、それをできるのが、僕は音楽をはじめ、芸術しかないって思ってるんですね。

非常に説得力を感じます。

原田 実際、そのメカニズムを確かな手応えとして、いろいろな国で感じているし、音楽が唯一の手段かなって今は思ってますね。もちろん、ジャーナリストでそう思ってる方もいらっしゃると思うし、政治家でそういう思いでやってらっしゃる方もいると思います。ただ広く伝えるって意味では音楽の持つ役割は非常に大きいと思いますね。さらに言えば、優しさを感じる側の人間の役割はもっと大きいですよね。一般の一人一人の方が大きい。本当にちっちゃなことでも、例えば、明日からタバコをポイ捨てしないようにしよう、とか。ゴミの分別をちゃんとしよう、とか。一日5回、人にありがとうを言おうとか。

なるほど。

原田 優しさのアクションを日々の生活に取り入れていくと、一人の変化は小さくても、周囲に影響を与えることができる。ってことは、もっとその先に広がっていくかもしれない。ヘタしたら、社会、国家、他国まで影響を与える可能性もあるわけですよね。だから、やっぱり個人に向けて、音楽の力で明るい方向に持っていくことは大切で必要なことだと思いますね。

原田さんはニューヨークがお好きですか。

0131-gachi-mokuji_harada原田 アメリカ自体がすごく好きですね。祖父母の時代から(移民してましたし)。特にシアトルはまぁ、僕にとっては第2の故郷ですね。で、ニューヨークは最近になって仕事で来始めたんですけど、さきほど言ったように、自分のルーツがつながっていたのを知って、そこから、またこの街の見方が変わるわけですよ(笑)。必然的に、来るべくして、来た街なんだなぁって。

聞いていると本当に、運命の場所って感じがします。

原田 1週間滞在したら、絶対(ここで)会わないような知り合いに4回連続出会ったり(笑)、国連にいるはずない知り合いがいたり(笑)。あと、ロッキー・青木さんのお母さんとうちの父が従兄弟(いとこ)なんですよ。またこれも親戚で(笑)。驚くことばかりですねー。だから皆さんにいつも歓待してもらって。絶対、毎年ピースコンサートはやり続けたいですね。自分のライフワークと思ってますので。

ニューヨークに来ると必ず行かれる場所はありますか。

原田 居酒屋に行くのが好きです(笑)。ニューヨークにある日本の居酒屋さん。なんだかアメリカに来てるにもかかわらず、田舎に帰ったような感じになりますよねー。

最後に、ニューヨーク在住の日本人にメッセージをお願いします。

原田 僕ね、来て初めて分かったんですけど。ニューヨークは本当に世界につながってる場所だなって思うんです。経済、文化、全てが世界に直結してる。だから、面白いですよね。やりがいが、絶対ある。だから、「本当に自分がこれをやりたいんだ」っていう夢がハッキリしたら、絶対、ニューヨークで勝負すべきだと、僕は思いますね。それで、その夢が本当にみんなと共有できるような夢だったら、諦めないで、とにかく続ければ絶対叶う! と僕は太鼓判を押します。

 

★ インタビューの舞台裏 → ameblo.jp/matenrounikki/entry-11912906663.html

 

原田真二(はらだ しんじ) 職業:シンガーソングライター
広島県出身、1958年生まれ。77年10月、18歳で「てぃーんず ぶるーす」でデビュー。11月には「キャンディ」12月には「シャドー・ボクサー」と3カ月連続でシングルを発売。3枚全てが同時に数々のチャートでベスト10入りし、翌年2月に発売されたファースト・アルバム「Feel Happy」はオリコン初の初登場1位を獲得するという日本音楽史上初の快挙を成し遂げる。他のアーティストへの提供曲は200曲を超え、作曲数は500曲以上となる。2000年から心の環境整備を訴える環境チャリティー「鎮守の杜コンサート」をスタートさせ、これまでに、伊勢神宮、明治神宮、厳島神社など全国の神社でコンサートを行い、NPO法人を設立。04年フランス、カンヌでの国際芸術祭で演奏。06年ダライラマ氏をはじめとするノーベル平和賞受賞者を招いた広島国際平和会議で演奏。07年元米副大統領アルゴア氏制作の環境映画『不都合な真実』の日本語版エンディングテーマを演奏。平成22(2010)年度広島市から広島市民賞を受賞、ひろしま平和文化大使を委属。公式サイト:www.shinji-harada.com

 

〈インタビュアー〉
高橋克明(たかはし・よしあき)
専門学校講師の職を捨て、27歳単身あてもなくニューヨークへ。ビザとパスポートの違いも分からず、幼少期の「NYでジャーナリスト」の夢だけを胸に渡米。現在はニューヨークをベースに発刊する週刊邦字紙「NEW YORK ビズ」発行人兼インタビュアーとして、過去ハリウッドスター、スポーツ選手、俳優、アイドル、政治家など、400人を超える著名人にインタビュー。人気インタビューコーナー「ガチ!」(nybiz.nyc/gachi)担当。日本最大のメルマガポータルサイト「まぐまぐ!」で「NEW YORK摩天楼便り」絶賛連載中。

 

(2015年3月7日号掲載)


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