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ニューヨークのイマを知る情報サイト

インタビュー X JAPAN YOSHIKI(3)

音楽を通じて生き方を感じてもらいたい

「ガチ!」BOUT.178

 

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ロックバンド、X JAPANが10月11日に米音楽の聖地、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)を皮切りに3年ぶりのワールドツアーを行う。X JAPANにとってニューヨークは、1992年8月24日に全米デビュー会見を行った思い出の地。メリーランド州ボルティモアで開催された「OTAKON 2014」へゲスト出演をした翌日、ニューヨークを訪れたYOSHIKIさんに、ニューヨークでのライブへの思い、今後の夢などについて伺った。(聞き手・高橋克明)

10・11NYライブへの思い 

午前中の記者会見の後、立て続けに20社以上のインタビューをされたとのこと。非常にお疲れだと思うのですが、最後の取材なので、よろしくお願いします。(笑)

YOSHIKI 全然、大丈夫です。ありがとうございます。(にっこり)

朝6時半の時点で「I’m sleepy」とツイートされてらっしゃったので…。

YOSHIKI 昨夜、夜中の12時に起きたんです。コンサート終わって、ちょっとウトウトしちゃったんで、そこから寝られずにジムに行ったりして。(笑)

え! そこから寝てらっしゃらないんですか!?

YOSHIKI はい、そこから。(笑)

ちょうど今ごろ、眠さがピークな時間帯ですよね…。

YOSHIKI いえいえいえ。レコーディングとかで徹夜は慣れてるので、全然問題ないです。(笑)

今朝はボルティモアから直接来られたということですが、昨夜のコンサートはいかがだったでしょう。

YOSHIKI 「YOSHIKIクラシカル」っていう名前のコンサートで、クラシックなんですけど、いい感じで盛り上がれまして。それより(開演前に)X JAPANのメンバーが応援に駆け付けてくれたんですね。

PATAさんと、HEATHさんですね。全くのサプライズで来られたとか。

YOSHIKI そうなんです。来てくれたからには(ステージに)出てほしいなと思って。直前にちょっとだけアレンジを変えて、途中からベースとギターが入れるような、クラシックの中にも少し激しいのをやってみて。

会場は大喜びだったんじゃないですか。

YOSHIKI おかげさまで(笑)。みんな、すごく盛り上がってくれました。

そして次は4年ぶりのニューヨークコンサートになります。

YOSHIKI そうですねー。(しばらく考えて)もう4年経つんですね、あれから。

ニューヨークのファンはみんな待ってました。

YOSHIKI 僕たちもです(笑)。ずっと、待ってました。ずっと、やりたかったので。

今回の会場は、あのマディソン・スクエア・ガーデンということですが。

YOSHIKI そうですねー。マディソン・スクエア・ガーデンっていうのは、なんていうんですかね、やっぱりミュージシャンにとって、すごくシンボリックな場所だと思うんですよ。それだけに自分としても決意の表れだと思っています。

一つの区切りになる、と。

YOSHIKI そこを新たなスタートにしようと思ってますね。ゴールではなくて。

ただ、キャパシティーだけでいうと、東京ドームの方がずっと大きいわけですよね。MSGの3倍以上の東京ドームを数えきれないほどソールドアウトさせてきているわけですが。

YOSHIKI アジアではその大きさのコンサートは珍しくはないんですけど、ただ、今回はアメリカということもありますし、西(欧米)って考えた場合、パリでやった7000人くらいの規模が一番大きかったのかな。今回はそういう意味で世界の中でも西でやる初めての大きなホールなので、やっぱり気合いの入れ方も過去にないくらい入ってますね。

世界中でコンサートをなさってどこの国がやりやすかったでしょう。

YOSHIKI うーん。それぞれ国によって特徴はあるんですけど、でも自分としては「やりやすい」「やりにくい」っていうのは関係なくて、結局いいコンサートができればいい。いいコンサートができれば、どこであっても、ハイ。

でも世界ツアーだと、ステージ上でなくても、大変なことは多いですよね。

YOSHIKI 2011年に南米を回った時、場所によっては楽屋がないホールもあって(笑)。コンサートホール自体は結構大きなとこだったんですけど、楽屋がなくて、みんなで廊下で着替えたりもしましたね。(笑)

あのX JAPANが。(笑)

YOSHIKIYOSHIKI それはそれで、すごく楽しかったですねー。それでも、やっぱり自分は音楽をやりたいんだなって気持ちを再確認できたのがうれしくて。日本でずっとやってると、もう全てが揃っていて、もう楽屋に入れば、おいしい料理が並んでて、みたいな状況が続いていたんですね。そんな中、世界ツアーを回ってるといろんなことがうまくいかなくて、そのうまくいかないことが、面白いっていうか。

そのYOSHIKIさんにとってもMSGは特別ですか。

YOSHIKI もちろんそうですねー。ただ、今までやったどのコンサートも意気込みは変わらないんです。よく「5万人のコンサートの時と2000人の時と気持ちは違うんですか」って聞かれるんですけど、「全く同じです」って答えてるんです。それに関しては、本当に全く同じなんですね。

場所によって気持ちは変わらない。

YOSHIKI うん、結局、マディソン・スクエア・ガーデンであっても、どこであっても(ライブ当日の)その何カ月も前から、プロモーションであったり、構成であったり、体作りも含めていろいろ始まってるんですね。今回(の取材)もハードスケジュールっていえば、確かにそうかもしれないけれど、これも“ステージの一部”だと思ってるので。この全ての流れがコンサートにつながっている。そう思えば全然苦にならないですね。

4年前インタビューさせていただいた時、YOSHIKIさんは「ステージ上なら、明日死んでもいい」とおっしゃられて。それが本気にしか聞こえなくて、その音源を、いまだに消せないでいます。(笑)

YOSHIKI はい。今までやったどのコンサートも全て命掛けでやってきたとは、自分で思えますね。

日本での従来のコンサートと比べて、今回のステージ用にアレンジする箇所はありますか。

YOSHIKI 常に進化していかなきゃいけないとは思ってます。X JAPANを再結成した時にも思ったんですけど、もし、同窓会的な意味合いだけで再結成するんだったら、僕はやりたくない。やっぱり、また新たなX JAPANを見せたいっていうところから始まってるので。なので今回も、過去の曲も新曲も披露しますけれど、どこを変えるというより、発展してる過程を垣間見られるような、発展を皆さんに感じていただけるような、そんなコンサートにしたいですね。

観客に伝えたいことは他にもありますか。

YOSHIKI 日本のバンドですよね、僕たちは。アジアの、しかも日本のバンドがこうやって世界に出させてもらって、20年以上前に話してた夢を、今、実現している。紆余(うよ)曲折がすごくあったバンドだけど、その夢を実現した。その生き方を音楽を通じて感じてもらいたいですね。

そして、新しいアルバム発表の予定もお聞きしたいのですが。

YOSHIKI もう、スグにでも(笑)。自分が納得する(完成度)までに時間はかかってますが、それさえクリアすれば、スグにでも。

発展といえば、今回YOSHIKIさんはあのマーベルコミックスとのコラボレーションが決まりました。スーパーマンやスパイダーマンと並んで、YOSHIKIさんがコミックの世界でもスーパーヒーローになったわけですが。これ、在米の僕たちからすると、あらためてスゴいことだと思うのですが。

YOSHIKI 冷静に考えるとそうですね(笑)。スタン・リーっていうスパイダーマンを作ってる人が僕もスーパーヒーローにしてくれたわけですから。

代表のスタン・リーさんと実際お会いした時の印象はいかがでしたか。

YOSHIKI 僕の主催したチャリティーディナーにいらしていただいたんですけど、最初、誰だか分からなかったんですよ。隣に座られて、自己紹介YOSHIKIされた時に「あぁ、聞いたことある名前だなぁ」って。

(笑)

YOSHIKI 「何やってる方なんですか?」って聞いたら「僕はスーパーヒーロー作ってる」って。「ヘー。僕は音楽を作ってる」って。そんな話をして。

お二人が自己紹介し合ってる風景はスゴいですね。(笑)

YOSHIKI それで気が合って、それからよくお食事をご一緒させてもらって。で、彼が「今度、一緒に何かやろう」ってずっと言ってくれてたんですね。

その何かやろうっていうのが…。

YOSHIKI 僕をスーパーヒーローにしてくれたんですけど。(笑)

実際にご自身がキャラクターになった(ブラッド・レッド)ドラゴンをご覧になっての感想は。

YOSHIKI ゴールデングローブ賞の時もそうですけど、自分の人生にあまり現実味がないんですね。ドラマチック過ぎて映画の中で生きてるみたいな感じになっちゃってるんで(笑)。ゴールデングローブ賞の時も、その前後は作詞や作曲に必死な最中で、その(テンションの)まま会場に到着して、で、曲が流れた瞬間「あ。やったんだ」みたいな(笑)。何が起こってるか分からない、みたいな。人生、本当に何が起こるか分からないですね。

なるほど。ニューヨークにはこの4年間もプライベートでよく来られてますか。

YOSHIKI そうですね。ロスに住んでるので、結構来てます。やっぱり雰囲気がスゴく好きなんだと思います。

ロスとどちらが好きですか。答えづらいとは思いますが。(笑)

YOSHIKI いや、もう断然ニューヨークですよ、やっぱり。ロスはスタジオを持ってしまっているので居ざるを得ないって言い方しちゃうとよくないかもしれないけど、どっちかっていうとニューヨークやロンドやパリの方が全然好きですね。断然自分に合ってると思います、はい。

マンハッタンに来YOSHIKIたら、必ず行かれる場所はありますか。

YOSHIKI あれ、どこだっけなー。以前、よく食べに行ってたラーメン屋さんあったなー。店の名前覚えてないけど、僕、ラーメン大好きなんで。最近はコンサート前でダイエットもして体を作ってるので食べられてないですけど。

なるほど。それではすでにカリスマ化されたX JAPANの今後目指すところはどこでしょう。

YOSHIKI いやぁ、まだまだです。意外に目的ってシンプルなんですよ。素晴らしいステージをしたい、それだけなんですね。ポジションというよりも、最終的に皆さんの心を打てるような素晴らしい曲を書いて、素晴らしい歌を届けたいっていうことですね。その中で世界に通用するバンドになっていけたらなとは思いますけど。

当日コンサートに来るファンにメッセージをお願いします。

YOSHIKI 自分で言うのも変なんですけど、自分たちにとっても、東洋西洋の音楽史にとっても、歴史的なイベントになるようなコンサートにしようと思っているので、ぜひ、その歴史的な瞬間に立ち会ってほしいと思います。今は、そうですね、人生の全てを懸けて、くらいの気持ちなので、皆さんぜひ、いらしてください。

先ほど、紆余曲折があったとおっしゃっていました。最後にお聞きします。もし、生まれ変わったら、今の仕事を選びますか。もう一度ミュージシャンとして生まれたいでしょうか。

YOSHIKI やっぱり僕は…。うん、そうですねー。(しばらく考えて)…僕から音楽を取ったら、何も残らないと思うので(笑)。結局、自分のワインがあったり、自分のジュエリーがあったり、自分のキャラクターがあったりしてますけど、(それらも)全ては音楽から始まってるので…。うん、ミュージシャン以外に僕は生きられないんじゃないかと思います。

 

★ インタビューの舞台裏 → ameblo.jp/matenrounikki/entry-11909170505.html

 

YOSHIKI 職業:X JAPAN
X JAPANでドラムとピアノを担当し、リーダー、プロデューサーも務める音楽家。1991年からソロ活動を始め、99年には「天皇陛下御即位十年」の奉祝 曲の制作依頼を受けてピアノコンツェルト「Anniversary」を作曲する。2005年には「愛・地球博」の公式イメージソング「I’ll Be Your Love」を作曲し、開会式でオーケストラの指揮を行う。08年1月には映画「SAW IV」の全世界エンディングテーマ曲「I.V.」などをはじめとする数々のハリウッド映画音楽を手掛け、12年、13年と2年連続して「ゴールデングロー ブ賞」のテーマ曲を手掛けるなど世界が注目する大規模プロジェクトに多く携わる。13年9月、世界中のファンの後押しもあり約8年半ぶりのソロアルバム 「YOSHIKI CLASSICAL」を発表。また慈善活動にも積極的に取り組んでおり、10年に米国で設立したチャリティー基金「YOSHIKI FOUNDATION AMERICA」(www.yoshikifoundationamerica.org)を通じてさまざまな寄付を続けている。ことし4月からは、世界 10カ国13公演におよぶソロツアー「YOSHIKI CLASSICAL WORLD TOUR 2014」を実施した。
X Japan 公式サイト:www.xjapanmusic.com(英語)
公式facebook:www.facebook.com/XJapan
YOSHIKI 公式サイト:www.yoshiki.net/(英語)

 

〈インタビュアー〉
高橋克明(たかはし・よしあき)
専門学校講師の職を捨て、27歳単身あてもなくニューヨークへ。ビザとパスポートの違いも分からず、幼少期の「NYでジャーナリスト」の夢だけを胸に渡米。現在はニューヨークをベースに発刊する週刊邦字紙「NEW YORK ビズ」発行人兼インタビュアーとして、過去ハリウッドスター、スポーツ選手、俳優、アイドル、政治家など、400人を超える著名人にインタビュー。人気インタビューコーナー「ガチ!」(nybiz.nyc/gachi)担当。日本最大のメルマガポータルサイト「まぐまぐ!」で「NEW YORK摩天楼便り」絶賛連載中。

 

(2014年9月6日号掲載)

(写真撮影:鈴木貴浩)


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