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インタビュー 長山洋子

「着物」と「三味線」と「演歌」、日本の伝統を伝えたい

カーネギーホールで熱唱  「ガチ!」BOUT.140

ことしデビュー30周年を迎えた演歌歌手の長山洋子さん。先日、IFA主催の「花と音楽の祭典」にゲスト出演し、カーネギーホールのステージに 立った。着物を着て海外で演歌を歌うのが夢だったという長山さん。期待膨らむ開演直前に率直なお気持ちを伺った。
(聞き手・高橋克明)
◇ ◇ ◇

ステージ1時間前ですが今のお気持ちを聞かせてください。

長山 着物を着て演歌を歌い始めた時から、海外の方にも見てもらいたい、聞いてもらいたいっていう気持ちは強かったんですね。日本の美しい伝統文化、特に津軽三味線の立ち弾きをしている姿ってステージで生で見ていただくと、その迫力みたいなものって伝わりやすいと思うんです。(今、考えると)日本だけじゃなくて、もっともっと広く世界に発信していくことが私の一つの大きな目標というか夢だった気がしますね。

その夢が今回、実現するわけですけれども。

長山 特にアメリカって、なかなかそんな簡単に足を踏み入れられるとこじゃないじゃないですか。今回はIFAさんからお声掛けをいただいて、どこでこういうチャンスに出合えるか分からないもんだなあって。願い続けると夢は必ず叶うんだなっていうのも、また一つ確信しましたね。

特に今回はあのカーネギーホールですから。

長山 そうですよねー。カーネギーだと、ちょっと着物を着た和の世界ってミスマッチかなって最初は感じたんですけど、でもこれだけエンターテインメントのある街なんで、どんなジャンルであれ、受け入れてもらえる街なんだなって感じました。そんな不思議なホールっていう気がしますね。

まったく違和感ないと思います。むしろ、アメリカナイズされない日本人の日本のコンサートの方が受け入れやすいかもしれないですね。

長山 そう! ニューヨークってジャンルを問わない街って感じがしますよね。演歌っていうジャンルも関係なく、いいか、悪いかで受け入れられる。日本の音楽業界では、やっぱりまだ分けられてしまう番組も多いですよね。どこかで、それはおかしいなっていうふうには思ってましたので。

では今日もいつもと同じで、アメリカのステージ用に変えることはない、と。

長山 あえて新しい構成を考えて臨むっていうのはしないですね。なるべくいつもやっているスタイルで、「着物」と「三味線」と「演歌」っていうこの三つの日本の伝統をきちんと伝えられたらいいなって。余計なものを加えたりしないで、和楽器の音色を聞いてもらいたいなと。それが受け入れられるかどうかはもう、お客さまの心一つなので。

ということは緊張はされないですね。

長山 緊張はないですね。最近、すごく思うのは、舞台に立って歌っているのは私ですけれども、客席のお客さまと「今」っていう時間を共有できるってすごいことだとなって。そう感じてから、本当に舞台に集中できるようになって。特に最近、家族ができて今まで自分のためだけに生きてきたことが、守るものができるとこんなにも変わるのかっていうくらい変わって一分一秒を大事にしていかなきゃいけないって感じたんですね。それは舞台でも一緒なんです。ステージに立った時に、あぁ、こういうことなのかぁって。お客さまと共有できる1時間を思いっきり一緒に楽しみたい、楽しんでもらいたいっていうそれだけですね。

今日来た観客に伝えたいことは何でしょう。

長山 オープニングに東北民謡を選んだんです。立ち弾きで東北民謡の「南部俵積み唄」ってところから始まって、福島民謡の「会津磐梯山」と山形民謡の「花笠音頭」。あの東日本大震災で被害に遭われた方々にエールを送るために、ニューヨークからも東北に届けていきたいなって。日本人だけじゃなく、世界中の人々が心配してくれたわけですから。

そして今年30周年を迎えられます。振り返られまして、長かったですか。それとも…。

長山 (さえぎるように)早かったですねー! 30年。あっという間でした。特に私の場合、全く同じジャンルで30年ってわけじゃなくて、デビューして10年間はアイドル歌手時代というものがあって、その後、演歌(歌手)の仲間入りして20年なので、何か余計に短く感じるような気がしますね。特に演歌になっての20年は短く感じますねぇ。

アメリカ在住の日本人にメッセージをいただけますか。

長山 やっぱり母国を離れて、アメリカ本土に移り住むって相当な覚悟が必要だと思うんですよ。私は逆にそういった経験がないのでその勇気だけで素晴らしいなって。壁にぶち当たった時も渡米してきたその初心を絶対に忘れないでほしい。そうすれば何でも乗り越えられるんじゃないかなって思うんです。

最後にニューヨークという街の印象をお聞かせください。

長山 旅行でしか来たことないんですけど、ここの本当の良さって長期滞在しないと分からないというか、すごく、奥の深い街って感じですよね。それだけ魅力を感じちゃいますね。

では、ぜひ短期でも滞在してください。(笑)

長山 ねー(笑)。ホントですね。時間の余裕があればぜひしたいです。今、2歳の子供がいるので、その子がこっちに留学でもしてくれたら一緒について来られるのに。(笑)

※写真はいずれもカーネーギーホールで熱唱する長山洋子さん=1月29日

 

長山洋子(ながやま ようこ)

職業:歌手

1968年1月東京都生まれ。父の影響で民謡に引かれ9歳のころより津軽三味線を習い始める。1984年「春はSA.RA.SA.RA」でアイドル歌手としてデビュー。93年演歌歌手に転身。「蜩」をリリースし、各賞を受賞。NHK紅白歌合戦に14回出場。代表曲に「捨てられて」「じょんから女節」など。現在、30周年記念シングル第1弾で、黄桜 呑CMソング「ほっとしてください」が好評発売中。公式サイト:www.jvcmusic.co.jp/yoko

 

〈インタビュアー〉
高橋克明(たかはし・よしあき)
専門学校講師の職を捨て、27歳単身あてもなくニューヨークへ。ビザとパスポートの違いも分からず、幼少期の「NYでジャーナリスト」の夢だけを胸に渡米。現在はニューヨークをベースに発刊する週刊邦字紙「NEW YORK ビズ」発行人兼インタビュアーとして、過去ハリウッドスター、スポーツ選手、俳優、アイドル、政治家など、400人を超える著名人にインタビュー。人気インタビューコーナー「ガチ!」(nybiz.nyc/gachi)担当。日本最大のメルマガポータルサイト「まぐまぐ!」で「NEW YORK摩天楼便り」絶賛連載中。

 

(2013年2月16日号掲載)


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