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インタビュー アジャ・コング/豊田真奈美/尾崎魔弓

「面白いじゃん」って体感してほしい(アジャ)
楽しむぞってスタンスでやりやすい(尾崎)
全選手の中で一番、自分が緊張してるかも(豊田)

「ガチ!」BOUT.108

 

アジャ・コング/豊田真奈美/尾崎魔弓

 

80~90年代の女子プロレスブームの火付け役であり、今も現役選手として活躍するアジャ・コング、尾崎魔弓、豊田真奈美。先日、彼女らを含む総勢12人の女子プロ選手らが渡米、フィラデルフィア、ボストン、ニューヨークで試合を行った。試合直前、お話を伺った。(聞き手・高橋克明)

 

日本の女子プロレスラー PA、MA、NYで試合

アジャ・コング

アジャ・コング

まず今週末の試合に向け、それぞれ意気込みを聞かせてください。

アジャ アメリカで試合すること自体が20年ぶりなので、すごく楽しみですね。今年の春にもオファーはあったんですが、その時はスケジュールが合わなかったので、だから、余計ですね。

尾崎 えっと…楽しみです。(眠そう)

アジャ 起きてる?

…寝てますよね?

尾崎 はははは。

ははは、じゃなくて。

尾崎 もう、今日、「自由の女神」見てカンドーして。後ろ姿だけしか見れなかったんですけど。

11観光疲れで眠いんですね。

尾崎 いえ、眠くないです。あたしも後姿で語れるレスラーになりたいなって。

あの…もうちょっと真面目に答えてもらっていいですか…。

アジャ あはははは。

豊田 アハハハハハ。

尾崎 真面目です、真面目! …眠いだけです。

眠いんじゃないですか! 豊田さんはいかがでしょう。

豊田 ふふふ、えーっと、頑張ります。

…………えっと、アジャさんに質問戻します。前回闘った、20年前とは女子プロレスというジャンル自体、世間の認識も変わってきていると思いますが。

アジャ そうですね、今はもう、「ユーチューブ」とかでガンガン情報が入ってきて、アメリカの女子プロレスファンでもアジャ・コングを知ってくれていると思うんです。ただ、20年前は「誰だか知らない」状況で来てたんですよ。だから、日本では入場しただけでわーって歓声をもらえてたのに、それが全くない状態で試合をしたのを覚えてますね。

やりにくかったですか。

アジャ いや、でも、スゴイことをやれば素直に拍手してくれる、最初は名前も知らない日本人だったのが、ああ、面白い試合するぞって素直に認めてくれる感じがして、それはすごくやりやすかったですね。まぁ、こっちは日本でやっていることを、そのままやっただけなんですけど。控え室の(アメリカの女子プロ)レスラーたちにも、なんか日本から来た連中はどんなもんだろうって感じで見られてたのは分かってたんで、(試合後、彼女たちにバックステージで)拍手もらった時はやったぞ、と。

2-1それに加えて、20年前とはアジャさんの知名度が全然違いますね。

アジャ だからこそのプレッシャーも感じますけどね。今はイメージが膨らんでる部分もあると思うんです。それはちょっと怖い部分もありますけど、そのイメージには負けないだけのものを見せられる準備はしてきたつもりなので、はい。

お話だけを聞くと知名度に関係なくこちらのリングの方が闘いやすい感じですね。

尾崎 (急に目を覚まし)こっちの方がやりやすい!

あ、起きられました?

尾崎 日本だと会場にもよるんですけど、最近では地方の方がアメリカに近い雰囲気かもしれない。出て行っただけで(入場しただけで)喜んで沸いてくれるんですけど、東京近辺だと(客が)全員、評論家きどりで、あら探ししてる感じ。

特に後楽園ホールとか。(笑)

尾崎 「おまえら、つまんねんなら帰れよ!」って。

心の中で思うわけですね。(笑)

尾崎 いえ、言っちゃます。

アジャ ほんと、言います、この人。リング上から。(笑)

尾崎 私、悪い人間なんです、ハハハ。

その悪い尾崎さんでもアメリカのリングの方が闘いやすいと感じられたのは、以前、実際にこちらで試合をした時に思ったわけですよね。

尾崎魔弓

尾崎魔弓

尾崎 全然、ノリが違いましたね。素直にすごいと思ったらこっちの人って分け隔てなく、わーって声援くれるじゃないですか。お金払って来たからには、元取るくらいは楽しむぞっていうスタンスで見てくれるので、やってるこっちも楽しませてやろうってどんどんテンション上がってく感じだったのは覚えてます。

どこの会場だったでしょう。

尾崎 忘れちゃった(あっさり)。とにかくすっごい田舎で、体育館が半分倉庫みたいな感じのとこで、なんか、デスマッチのトーナメントだったんですよ。凶器なんでもオッケーの。だから、ちゃんと(デスマッチ用の)チェーンも飛行機で持ってきましたよ。空港で止められたらどうしようって。(笑)

アジャ 「お土産ですって言えば大丈夫じゃない」だって。(笑)

尾崎 「こっちの友人に犬のリード頼まれました」って。(笑)

豊田 実際に先に首輪ついてたから平気だったのかもしれない。(真面目に)

アジャ 手荷物だったら、ヤバかったよね。(笑)

尾崎 でも、もし「スーツケース開けて」って言われたらどうすんのよ!ドキドキだよ。

もう、いいです、チェーンの話は。豊田さんはアメリカのリングにはどういった印象をお持ちでしょうか。

豊田真奈美

豊田真奈美

豊田 前回(の試合)は自分一人だったんですけど、これだけの人数(の女子選手)が来るのは今回が初めてなので、日本の女子プロレスをアピールできるんじゃないかなって反面、その中で一番目立たなきゃいけないっていうのもあるし、今までやってきたことの経験を生かせればな、と。はい。

こちらのファンの間でもすでに知名度はすごいですもんね。

豊田 でも、こっちはいいものはいい、悪いものは悪いってちゃんと判断するんで、

その中ですごいと思われるような試合をしないと、って。ホント、全選手の中で一

番、自分が緊張してると思います、多分。

リング上では一切緊張されてるように見えないですが。

豊田 最近、日本で緊張するような試合をあんまりしてなかったんで。(笑)

最近の日本マットの話が出たので、これはアジャさんにお聞きしたかったのですが、ここ15年ほど世代交代が実現していない日本の女子マット界の現状にどういった意見をお持ちですか。

アジャ 自分たちの世代がいまだ生き残っていることは是なのか非なのか、もう日本でもずーと議論されてます。私たちがいるから下の世代は伸びてこない、でもいなくなっちゃたら、女子プロ自体なくなっちゃうんじゃないかっていう。私たちの世代がこれだけアクが強くなったのは、(山崎)五紀さんとかクラッシュ(・ギャルズ)とか、到底かないそうにないインパクトを持つ先輩たちに勝つためには、どうしたらいいかっていうのを常に考え続けた結果だと思うんですね。そこを超えなきゃいけないっていうのはこの世代の共通のテーマだったと思うんですよ。最近の若い選手の中でそこまでの考えを持っている個性的な選手がいるのかどうか。そろそろ出てきてほしいって勝手に期待してますけど。

なるほど。尾崎さんは日本の女子プロレスが90年代のころのようなブームを取り戻すには何が一番必要だと思われますか。

尾崎 それが分かったらやってますよ!

はははは

尾崎 「ははは」じゃなくて。それが分からないから、こう試行錯誤して、いろんなこと考えて、ね。

最後にそれぞれに読者にメッセージをいただきたいのですが。

アジャ そうですね。例えば、メジャーリーグでも野茂さんをきっかけに、イチローさんとか日本人選手が活躍するのは見ている人にもすごい励みになると思うんですよ。日本人でもここまでできるんだって。もっと、世界に出ていきたいって思っている日本人は多いと思う中、皆さんは実際にこっちに出てこられた方なので、そんな人たちにぜひ見てもらって、「あ、日本の女子プロレスって面白いじゃん」って体感していただきたいですね。それが励みになればうれしいです。

ありがとうございます。では、尾崎さん。

尾崎 アジャと同じです。

ダメです。何か言ってください。

尾崎 だって、もう言うことないもん!!

じゃあ、豊田さん。

豊田 えっと……………応援、してください。

………。アジャさん、今日はどうもありがとうございました!!!

ニューヨーカーが日本の女子プロレスに熱狂

アジャ・コング/豊田真奈美/尾崎魔弓

米国プロレス団体チカラが、2日から4日まで「女子マニア」を開催。日本からアジャ・コング、紫雷美央、植松寿絵、豊田真奈美、尾崎魔弓ら12人の女子プロレス選手が出場した。

フィラデルフィアを皮切りに、ボストン、ニューヨークと、3夜連続で試合を行い、最終日の会場となったマンハッタン区のハイライン・ボールルームには、現地ファンら多数が詰め掛け、リング上で繰り広げられる熱い戦いに見入った。

■ニューヨークでの試合後の感想■

アジャ・コング▶アジャ・コング選手

「熱い声援に乗せられた」

(会場の雰囲気は)いやぁ、もう最高でしたね。やっぱりニューヨークはノリが他のところと全然違うというか、熱い声援にこっちまで乗せられました。若い選手にとってもすごくいい経験ができたんじゃないかなと。ホント、最高でした。ありがとうございました。

尾崎魔弓▶尾崎魔弓選手

「次は米国の選手とやりたい」

(試合中に)やられてても声援をもらって温かい会場でしたね。ぜひ、次回も呼んでいただけたら来たいです。でも、その時はアメリカ人の選手とやりたいですね。

豊田真奈美

▶豊田真奈美選手

「常に自分を一流にしていかなきゃいけない場所」

日本では評論家みたいなファンが多くて素直に見てくれない人も多い中、こっちのファンは楽しもうって先入観なしに見てくれるので、やりやすかったです。ニューヨークはレスラーとしてさらに自分を高められる場所だなって感じました。名前だけじゃだめで、常に自分を一流にしていかなきゃいけない場所なんだなって。だから絶対また来たいです。

浜田文子▶浜田文子選手

「体力全部使い切った」

疲れましたね(笑)。今回は負けちゃいましたけど、次回、また呼ばれたら次は勝ちたいです。(会場の雰囲気は)気持ちよかったですね。気持ちよすぎて体力全部使い切っちゃいました。

 

アジャ・コング 職業:プロレスラー
東京都出身。1970年生まれ。女子プロレスに憧れ86年9月16日デビュー。裏拳・バックドロップ・垂直落下式ブレーンバスターを得意技とし、リングで暴れまくるプロレスラーとして活動中!! 一方でその人間性を多分に生かし、多面にわたる芸能活動を展開する心優しき最強の女子プロレスラー。

豊田真奈美(とよた まなみ) 職業:プロレスラー
島根県出身。1971年生まれ。87年8月5日、ジャパン女子プロレスでデビュー。い ままでの主要獲得タイトルは、WWWA世界シングル、オールパシフィック他。2010年9月 北米のインディ団体「チカラ」に遠征。米国での初勝利を挙げた。公式サイト:http://angela.milkcafe.to/

尾崎魔弓(おざき まゆみ) 職業:プロレスラー
埼玉県出身。1968年生まれ。86年8月17日、ジャパン女子プロレスでデビュー。その後JWPに所属し、WWWAタッグ等の数多くのタイトルを獲得。日本で数少ない、ラフから正統派ファイトまでこなす技師。現在「OZアカデミー」(oz-a.com)校長。

 

〈インタビュアー〉
高橋克明(たかはし・よしあき)
専門学校講師の職を捨て、27歳単身あてもなくニューヨークへ。ビザとパスポートの違いも分からず、幼少期の「NYでジャーナリスト」の夢だけを胸に渡米。現在はニューヨークをベースに発刊する週刊邦字紙「NEW YORK ビズ」発行人兼インタビュアーとして、過去ハリウッドスター、スポーツ選手、俳優、アイドル、政治家など、400人を超える著名人にインタビュー。人気インタビューコーナー「ガチ!」(nybiz.nyc/gachi)担当。日本最大のメルマガポータルサイト「まぐまぐ!」で「NEW YORK摩天楼便り」絶賛連載中。

 

(2011年12月17日号掲載)


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