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インタビュー エメリヤーエンコ・ヒョードル

限界が来た時は潔く身を引くつもり

「ガチ!」BOUT.92

 

今月12日、総合格闘技(MMA)団体ストライクフォースが主催するヘビー級グランプリがニュージャージー州イーストラザフォードのアイゾッ ド・ センターで開催。メーンイベントとして「世界最強の男」「60億分の1」と称され日本でも活躍したエメリヤーエンコ・ヒョードルとアントニオ・ペイザォ ン・シウバの一戦が行われた。その前日、記者会見場でヒョードルを直撃。翌日に控えた大一番を前に、試合への意気込み、日本復帰、そして引退について話を伺った。(聞き手・高橋克明)

 

MMAヘビー級グランプリに参戦

いよいよ明日ここアイゾッド・センターでゴングです。調子はいかがですか。

ヒョードル とてもいいです。特に不安もありません。

今回の対戦相手アントニオ・ペイザォン・シウバ選手は規格外の選手です(身長195センチ、体重120キロ)。具体的な対策は用意していますか。

ヒョードル 特にしていません。私は自分の闘いをするだけです。自分より大きな相手と闘うことは今回に限ったことではありません。

例えばスパーリング用に大型の選手を用意するとか…。

ヒョードル ありませんね(笑)。ジムにいるいつもの練習生といつもの練習をするだけです。それにシウバよりも大きな相手とも何度も闘っていますから。(チェ・ホンマン218センチ、セームシュルト212センチ、ティム・シルビア203センチ、ズール200センチ、ともに勝利)

前回、初めての(実質的な)敗北を経験しました。対戦相手ファブリシオ・ヴェウドゥムは明らかにあなたより格下の相手だったので、多くのマスコミに「(ヴェウドゥムを)見くびっていた」「ナメていた」と書かれましたが。

ヒョードル もちろん、見くびっていたということはありません(にっこり)。勝負は勝つこともあるし、負けることもあります。それだけです。それにファブリシオが素晴らしいファイターであるという事実は闘う前から知っていたことですから。

今回のシウバは前回のファブリシオ同様、ブラジリアン柔術家です。ブラジリアン柔術家用にトレーニングを変えたりしましたか。

ヒョードル 何も変えていません。いつも通りです。シンプルなトレーニングのままです。

今回は慣れたリングと違いケージでの闘いです。(過去2回経験)

ヒョードル 不安はなくはないですが、大丈夫だと思っています。闘いは闘いなので。いつも通りの闘いができればと思っています。

現在34歳。格闘家としてあと何年現役を続けられると思いますか。

ヒョードル もちろん、年齢に関しては気になってはいます。近い将来、引退する可能性も否定できません。ですが、闘える限りは私は闘い続けたいと考えます。私は神様と家族のために闘っています。限界が来た時は「その時」と判断して潔く身を引くつもりです。

今後、再び日本のリングで闘うことはあるでしょうか。

ヒョードル もちろん闘いたいと思っています。日本は私にとっても特別な国です。悲しいことに今現在は再び闘う予定は入っていませんが、いつかはと考えています。

日本の格闘技ファンはみんなあなたの闘いを待っています。

ヒョードル どうぞ、悲しまないでください。私がいないからといって泣かないでください(笑)。もし、神の意志があれば私はまた日本のリングに立つことになるでしょう。そしてその時はあのころと変わらない声援をお願いします。

◇  ◇  ◇

インタビューの翌日、試合は「ヒョードル圧倒的有利」の下馬評を覆し、まさかのシウバ勝利で幕を閉じた。昨年に続く2連敗となったヒョードルはリング上で引退を示唆する発言。最強皇帝の今後に格闘技界は目が離せない。

エメリヤーエンコ・ヒョードル

職業:総合格闘家

1976年生まれ。ウクライナ出身。通称「ロシアン・ラストエンペラー」「60億分の1の男」の異名を持つ世界最高峰のファイター。母国の柔道国際大会で活躍したのち総合格闘技に転向、2000年にリングスの大会で日本に渡り、ヘビー級と無差別級の王座に就く。03年、日本で一世を風靡(ふうび)した格闘技大会PRIDEでヘビー級王座を獲得。08年にはAfflictionでWAMMA世界ヘビー級王者に。日本だけでなく米国などのメディアからも「総合格闘技界全体で最強」と評価され、多くのランキングにおいてヘビー級(93~120キロ)世界1位にランクインしている。またロシアのトップアスリートだけに贈られるスポーツマスターの称号も持つ。現在、総合格闘技ストライクフォースと契約。戦績は32勝3敗。日本語公式サイト:www.fedor.jp

 

〈インタビュアー〉
高橋克明(たかはし・よしあき)
専門学校講師の職を捨て、27歳単身あてもなくニューヨークへ。ビザとパスポートの違いも分からず、幼少期の「NYでジャーナリスト」の夢だけを胸に渡米。現在はニューヨークをベースに発刊する週刊邦字紙「NEW YORK ビズ」発行人兼インタビュアーとして、過去ハリウッドスター、スポーツ選手、俳優、アイドル、政治家など、400人を超える著名人にインタビュー。人気インタビューコーナー「ガチ!」(nybiz.nyc/gachi)担当。日本最大のメルマガポータルサイト「まぐまぐ!」で「NEW YORK摩天楼便り」絶賛連載中。

 

(2011年2月26日号掲載)


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