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インタビュー ジェイク・シマブクロ

ウクレレとの出合いや演奏への思い
僕のゴールは演奏し続けるという事、100歳になるまで弾き続けたい

「ガチ!」BOUT.56

 

日米で活躍する日系5世の若きウクレレ奏者、ジェイク・シマブクロさん。多彩なジャンルの音楽をウクレレ1本で演奏し高い評価を得ている。その ジェイクさんが先日、ジャパン・ソサエティーのアニュアル・ディナーに特別パフォーマーとして招待され集まった観客を魅了した。忙しいリハーサルの合間を 縫って、本番直前のインタビューではカタコトの日本語も交え、ウクレレとの出合い、今後の活動など語ってくれた。(聞き手・高橋克明)

 

ジャパン・ソサエティーで特別パフォーマー

ジャパン・ソサエティーのアニュアル・ディナーに特別パフォーマーとして招待されました。

ジェイク とても光栄に思っています。ジャパン・ソサエティーは、年間を通してさまざまな形でコミュニティに貢献している団体なので、このような機会を与えていただき皆さんの前で演奏できる事はとてもうれしいです。

ウクレレ1本で、多彩なジャンルの音楽を演奏されるジェイクさんの舞台を見て、ウクレレが奥の深い楽器だと知りました。正直、お会いするまでウクレレって、漫談師のイメージしかなかったです。(笑)

ジェイク ウクレレっていろいろな感情を表現できる楽器なんですね。自分の感情をそのままに伝える事ができて。だから、僕が演奏する時は、自分というものを表現している時だし、逆にウクレレ自体の可能性を自分で体感している時でもあるんです。それはすごく楽しい事ですね。

世の中にあるたくさんある楽器の中で、なぜ最初にウクレレを手に取ったのでしょう。

ジェイク お母さんが弾いていたんですよ。だから最初のティーチャーは僕が4歳の時の母ですね。そこから28年間、演奏しっぱなしです。(笑)

お母さま以外で影響を受けたミュージシャンはいますか。

ジェイク う~ん、影響を受けていないミュージシャンはいないです。でもビートルズは別格ですね。計り知れないほどの大きな影響を受けたと思っています。もちろん、ハワイアンの伝統的ミュージシャン、エディ・カマエやギャビー・パヒヌイを幼少の頃から聞かされて育ったので、彼らの影響も大きいと思いますね。

今、ハワイの話が出ましたが、ジェイクさんにとって日本という国はどういうものでしょうか。

ジェイク 僕は5世ですので、毎回、日本を訪れるたびに強いつながりを感じます。母方の先祖は福島の出身なので、日本のカントリーサイド(田舎)には親しみを感じます。日本食も文化も大好きだし、やはり自分の一部という気がしていますね。もちろん、ハワイには多くの日系人が住んでいるので、日本の存在がとても身近ということもあります。ハワイで育ったという事は、ケンタッキーで育ったのとは明らかに違うと思いますよ。(笑)

福島には実際に行かれた事はあるんですか。

ジェイク 何度も。ツアーでもありますし、数年前に「フラガール」という映画の音楽を担当したんですけど、その映画の舞台は(福島県)いわき市だったので、福島市にも足を延ばしました。

フラガール」の舞台がいわき市だったのと、ご先祖の出身が福島だったのは偶然ですか。

ジェイク イエス! アメージングですよね! 映画の監督が「この映画の音楽を担当するのはジェイクにとってパーフェクトだね」と言ってくれました。映画は(ハワイの)フラダンスの物語で、舞台が福島で…。監督は僕の出自を知らずに抜てきしてくれたので、運命だったなと思っています。

「フラガール」はとても楽しい映画でした。

ジェイク キャストが一生懸命フラ(ダンス)を踊っているのがとてもうれしかったです。ラストシーンの踊りは昔、ハワイで実際に踊られたフラ(ダンス)で、彼女たちが注いでくれたエネルギーにとても感謝し、感動しました。

映画にはたくさんの女優さんが出ていましたが、どなたが好みですか。(笑)

ジェイク マツユキ(松雪泰子)さん!(即答)。彼女はとても美しいですね。

将来結婚するとしたら、日本人とアメリカ人とどっちがいいですか。

ジェイク いや~…。う~ん…。いやぁ~。…ダズン・マター。(笑)

どっちにも可能性があるってことですね(笑)。これから日本でのツアーも控えています。お気持ちは。

ジェイク とても、とても、とっても楽しみです。毎年コンサートツアーはするんですけど、日本のファンの方は皆さんいろいろなギフトを持ってきてくださるんです。お気持ちと支援に本当に感謝ですね。

今まで何回くらい日本に行かれていますか。

ジェイク 8年間で50回以上は行ってますね。パスポートのスタンプがいっぱいになり過ぎて、新しいパスポートを申請しなくちゃいけなくなりました。

世界中で演奏されていますが、ステージ上からご覧になった時、国によって観客の反応は違いますか。

ジェイク フィーリングは同じだから、そんなに違わないと思います。どちらかというと、どの国の会場というより、都会か田舎かの方が違いはありますね。あるいはお酒の飲める会場かそうじゃないかの違いの方が大きいです(笑)。みんな音楽を愛しているから来てくれるので、国によっての違いはないですね。今年はヨーロッパとブラジルにも初めて行くので楽しみで仕方がないです。

特にニューヨークの印象はどうでしょう。

ジェイク この街のエネルギーがとても好きです。アーティスティックな街だけに、皆さん、自分のしている事にパッションを持っているのが、ステージにも伝わってきます。(ニューヨークに)来るたび、そのエネルギーを逆にいただいている感じですね。

演奏中、何か頭の中で考えているってことってありますか。

ジェイク ただ、楽しむだけ。感覚をオープンにして、その場の雰囲気を楽しむ事だけですね。

ジェイク・シマブクロのゴールって何でしょう。

ジェイク …そうですね。ただ、演奏し続けていきたい。たくさんのミュージシャンたちと演奏して、勉強して、もっといいミュージシャンになりたい。それだけですね。だから多分、僕のゴールっていうのがあるとすれば、それは演奏し続けるパッションをなくさない事、そして100歳になるまでウクレレを弾き続けていく事かな。

最後に読者にメッセージをお願いします。

ジェイク たくさんのサポートありがとうございます。またニューヨークに戻ってきて、皆さんの前で演奏できる事を楽しみにしています。ALOHA!

◎インタビューを終えて 本番前の忙しい中、十分な時間を取っていただきました。実はジェイクさんとわが社は4年以上 前からのお付き合い。まだ今ほどビッグネームになる前、オフィスまで来て社員一同に生演奏を披露してくれた事もありました。しかも3曲、本イキで。この4 年で彼を取り巻くミュージックシーンは劇的に変わり、全米のみならず日本全国をツアーで回るほどの売れっ子に。今では、無料のオフィス演奏は考えられない 事だと思います。それでも久しぶりに会う彼は以前と変わらずあの頃の笑顔のままで対応してくれました。インタビューの終わりに少しだけいじわるな質問をし てみました。「また、うちのオフィスに演奏しに来てくれる?」彼は食い気味で「Sure! Sure! もちろん、いつでも行くよ」。横でマネジャーが苦虫かみつぶしたような顔をしているにもかかわらず、社交辞令ではない目で言ってくれました。 帰り際、わざわざ扉まで見送ってくれた彼は、振り向くと90度のお辞儀をしていました。日本とアメリカの心を持った彼は、ウクレレ1本でこれからも国境を 越えた世界を魅了していくのだと思います。

ジェイク・シマブクロ

職業:ウクレレ奏者

ハワイ州ホノルル市出身。日系米国人。1998年にバンドメンバーとしてプロデビュー。2002年からソロ活動を始め、03年、米国本土でソロツアーをスタート。NBAでの国歌演奏や、米ロック界の大御所、ジミー・バフェットのコンサートツアーに招かれるなど活躍。06年の大ヒット日本映画「フラガール」では映画音楽を担当。08年6月には、世界有数の米音楽祭”Bonnaroo Music and Arts Festival”に初のウクレレ・プレーヤーとして参加。同年夏、クラシック界の巨匠ヨーヨー・マの新アルバム”Songs of Joy & Peace”で共演。ハワイと日本の国際交流に大きく貢献したことが認められ、04年、日米交流150周年外務大臣賞を受賞。06年には沖縄県から「ウチナンチュウ大使」に任命され、世界で活躍するウチナーとして表彰される。公式サイト:www.jakeshimabukuro.net/

■CD紹介

“Across The Universe”「アクロス・ザ・ユニバース」

4人の軌跡を、奇跡の4弦がトリビュート!

切っても切れない関係だったビートルズ・ソングを一堂に介した初のトリビュート作品。”While My Guitar Gently Weeps”の演奏映像が某有名動画サイトで流され、あっという間に300万ビューを越すヒットを記録。一躍その名が全世界に知れ渡ることになったジェイク。エリック・マーティンも絶賛する繊細な響きと自由な発想でビートルズの有名曲をカバー。また、ジェイクの才能をいち早く認めて公言していたシンディ・ローパーがボーカルとして参加している。

 

〈インタビュアー〉
高橋克明(たかはし・よしあき)
専門学校講師の職を捨て、27歳単身あてもなくニューヨークへ。ビザとパスポートの違いも分からず、幼少期の「NYでジャーナリスト」の夢だけを胸に渡米。現在はニューヨークをベースに発刊する週刊邦字紙「NEW YORK ビズ」発行人兼インタビュアーとして、過去ハリウッドスター、スポーツ選手、俳優、アイドル、政治家など、400人を超える著名人にインタビュー。人気インタビューコーナー「ガチ!」(nybiz.nyc/gachi)担当。日本最大のメルマガポータルサイト「まぐまぐ!」で「NEW YORK摩天楼便り」絶賛連載中。

 

(2009年5月20日号掲載)


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