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多くの米国人がダウンシンドロームの患者を理解しようと努力

出生前診断10~妊娠第1期:ファースト・トリメスターの検査の意義とダウンシンドローム(4)~

「米国最先端臨床現場から」海外治療コンサルティングリポート 第45回

米社会は変化し、ダウンシンドローム患者にも変化

過去3回の連載では、ファースト・トリメスターの出生前診断検査スクリーニングの意義は、妊娠期の早い時期にダウンシンドロームやエドワードシンドロームの可能性を知ることができることをお伝えし、ダウンシンドロームについての医学的な説明をいたしました。

ダウンシンドロームの次に多く新生児に見られるエドワードシンドロームは、常染色体21番が3本発生することから21トリソミーと呼ばれているダウンシンドロームに対し、常染色体18番が3本見られることから18トリソミーとも呼ばれていますが、胎児の成長は遅く、重篤な疾患を持っています。無事に出生した赤ちゃんのうち、出生後、2週間以内に半数が亡くなります。出生した赤ちゃんの5人に一人のみが3カ月まで生き延びると言われています。12人のうちの一人が、1歳を超えるまで生存できています。成人になるまで生存する患者もいますが、このようなケースは非常に稀です。

死産で生まれることも多いため、あまり見られないエドワードシンドロームと比較して、毎年6000人のダウンシンドロームの赤ちゃんが誕生し、40万人のダウンシンドロームの方が生活している米国では、ダウンシンドロームに対する社会での受け入れが随分、変わってきています。日本では、まだ積極的にダウンシンドロームの子供たちを社会的に受け入れる活動や風潮はありませんが、米国ではダウンシンドロームのお子さんや成人の方が活躍するようになってきています。

ダウンシンドロームの症状の特徴は、認知能力の遅滞がみられることですが、ほとんどの患者は比較的軽度な遅滞です。目覚ましい医療の進歩により、以前とはくらべものにならないほど、ダウンシンドロームの患者の寿命は伸びています。1910年では、ダウンシンドロームの患者の寿命は9歳と言われていました。抗生物質が市場に出現し、心臓手術が進歩したことにより80%の患者が60歳まで生きるようになりました。米国では、多くの米国人がダウンシンドロームの患者を理解しようと努力しています。

つまり、ファースト・トリメスターの検査によってお子さんの染色体疾患について出生以前から知ることは、準備のための時間を獲得でき、親にとっても子にとって有意義なことであるといえましょう。

次回からは、簡易な出生前診断スクリーニング検査で染色体異常の可能性が示唆された場合に、更に正確に調べることができるファースト・トリメスターの出生前診断について説明していきます。

(さくらライフセイブアソシエイツ代表・清水直子)

さくらライフセイブアソシエイツ代表・清水直子【執筆者】清水直子(しみず なおこ) 学習院大学法学部卒業、コロンビア大学で数学を学び、ニューヨーク大学スターンスクールオブビジネスでMBAを取得。マウントサイナイ医科大学短期医学スクール修了。メリルリンチの株式部で活躍し、2003年さくらライフセイブ・アソシエイツを設立。


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