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検査自体も必ずしも完璧でない

出生前診断12 ~妊娠第1期:ファースト・トリメスター スクリーニング検査から
更なる精密検査である出生前診断へ(2)~

「米国最先端臨床現場から」海外治療コンサルティングリポート 第47回

異常であるという結果が出ても慎重に判断を

前回(9月3日号掲載)からは、2種の検査がペアとなった血液検査と超音波検査の組み合わせのファースト・トリメスターのスクリーニングの意義は、妊娠期の早い時期にダウンシンドロームやエドワードシンドロームの可能性を知ることができることである中、このスクリーニングの結果はどのくらい信憑性のあるものなのか、についての説明を開始しました。

前回、スクリーニング結果は、単に、赤ちゃんのなんらかの異常の可能性を統計上の確率を示すものであり、“標準値外”というハイリスクの結果が出たとしても赤ちゃんに染色体異常がある、と確定した診断ではなく、染色体異常のリスクが統計的に見て上昇していることを示唆しているにすぎないことを説明しました。

逆に、スクリーニングの結果が問題ないとあっても、この結果が、間違いなく正常であることを保証しているものではありません。これは、染色体異常であるお子さんである可能性は非常に少ない、という統計による結果を示しているものです。

ファースト・トリメスターのスクリーニングは一般的に、80%のダウンシンドローム、80%のエドワーズシンドロームの染色体異常が存在することを知ることができます。

検査自体も必ずしも完璧でないことを覚えておいてください。「フォルスポジティブ」といって、正常なものを誤って不正と判断し誤った結果が出る場合、と「フォルスネガティブ」といって異常なものを誤って正常と判断し誤った結果が出る場合もあります。

そのため、もし、異常であるというファースト・トリメスターのスクリーニングの結果が出ても、慎重に専門家と共にフォローアップを行い、慎重に判断と決断を行うことが必要です。

◇ ◇ ◇

次回からは、簡易な出生前診断スクリーニング検査で染色体異常の可能性が示唆された場合に、更に指摘された異常について精密に正確に調べることができる出生前診断について説明していく予定でしたが、急遽、現在問題になっているジカウイルス(ジカ熱)について、リポートしていきます。出生前診断のリポートを開始して1年、このような出生前診断に関わる新しい社会問題が出てくるとは予期できませんでした。しかしこの問題は世界中の妊婦、妊娠しようとしている女性の深刻な問題に発展しています。ジカウイルスの緊急リポートシリーズを終了後、出生前スクリーニング後に進む出生前診断について説明を再開します。

(さくらライフセイブアソシエイツ代表・清水直子)

さくらライフセイブアソシエイツ代表・清水直子【執筆者】清水直子(しみず なおこ) 学習院大学法学部卒業、コロンビア大学で数学を学び、ニューヨーク大学スターンスクールオブビジネスでMBAを取得。マウントサイナイ医科大学短期医学スクール修了。メリルリンチの株式部で活躍し、2003年さくらライフセイブ・アソシエイツを設立。


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