蜷川舞台で、宮沢りえらNY上陸!

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@リンカーンセンター・フェスティバル

出演者、宮沢りえ、藤木直人、古畑新之が意気込み語る

記者会見の模様。(左から)古畑新之、宮沢りえ、藤木直人=23日、リンカーンセンター

記者会見の模様。(左から)古畑新之、宮沢りえ、藤木直人=23日、リンカーンセンター

毎夏ニューヨークで開催される演劇の祭典「リンカーンセンター・フェスティバル」の一環として、蜷川幸雄演出の舞台「海辺のカフカ」が23日から26日までリンカーンセンターのDavid H. Koch Theaterで4日間上演される。公演に先立ち、リンカーンセンターで記者会見が行われ、出演者の宮沢りえ、藤木直人、古畑新之が出席した。主な内容は次の通り。

蜷川さん「僕が一番ニューヨークに行きたいよ」と

―今回、蜷川(幸雄)さんがニューヨークに来られませんでしたが。送り出される際に掛けられた言葉はありますか。

宮沢 今回の公演の前に、このニューヨークのためのお稽古をしたんですけれど、そのお稽古中にもたくさんの言葉をいただきましたし、今回も楽屋に蜷川さんからのメッセージが置かれていて。「今までやってきた自分たちの仕事を信じて、自信を持ってやってください」と書かれていました。

古畑 僕はえっと(彩の国)さいたま芸術劇場で稽古をして最後に、「じゃあ、行ってきます」と言って…。

宮沢 最後は檄(げき)を飛ばされてたね。

古畑 はい、そうです! もっと向き合えと。自分の体を全部使って(芝居に)当たれっていうことを言われました。

藤木 蜷川さんは「僕が一番ニューヨークに行きたいよ」ってすごく悔しがっていて、少年のように悔しがってたのが印象的ですね。「この作品を信じて、頑張ってください、自信を持ってやってくれ」っておっしゃってました。

 

リハーサルの模様(撮影・工藤)

リハーサルの模様(撮影・工藤)

―今回の舞台、観客のニューヨーカーにどういったところを見てほしいですか。

宮沢 そうですね(原作の)村上春樹さんはこちらでも、とてもたくさんのファンがいる方で、その方の作品を、どう舞台化するのかって、皆さま、きっと期待してくれていると思んです。あの難しい世界を、蜷川さんのすごいエネルギーで素晴らしい形になったと私たちは自信を持っているので、そこを、二人の芸術家たちの作品が合わさってどんなものになっているのかっていうのを楽しんでいただけたらなと思います。

―不思議でミステリアスな作品。役作りに際して特にしたことはありますか。

宮沢 私は「少女」と「佐伯」と二役ありまして、早替えなんかもあるんですけど、今生きている佐伯と過去の少女と。その気持ちの演じ分けっていうのを、一番大事にしました。どんな役でもそうですけどやっぱり相手とどういうふうに掛け合うか。その中でどう最大限に自分のやりたいことができるか、そこにトライしていましたね。

藤木 原作を読まれた方は知ってると思うんですけど、僕が演じる「大島」という役は、精神的にも肉体的にも問題を抱えてる人間なので、それを演じるっていうのはすごく難しいなとは思いました。ただ、男性っていうことなので、精神は自分のままでいいのかなと思いながら、実際にそういう問題を抱えた人たちと話したりして。それはでもね、自分自身の問題としてとらえるのは非常に難しいなというのは思っています。あとはまぁ、僕の導き方によってカフカ少年の到達するところが変わってくるんじゃないかと思って、日々いろいろ試行錯誤していますね。

古畑 はい、えっと僕は…、自分を探す、自分とつながるっていうことを目指して、自分を通してしかカフカ君を、カフカに、つながらないっていうことに今も、その通路を求めています…。

宮沢 しゃべるの下手なんです(笑)。でも、思いは熱いですから。(笑)

 

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「吉本新喜劇やってるのかな?」っていうくらいウケた

―ニューヨークの公演の前にロンドンでも公演をされましたが、日本と海外とでお客さんのリアクションの違いみたいなものはありますか。

宮沢 そんなに、こう劇的に変わるっていうことはないですよね。

藤木 すっごい違ったじゃん。

一同 (笑)

宮沢 どう違う?

藤木 (海外では)すごくみんなが笑ってくださったんです。だから一瞬「え? 吉本新喜劇やってるのかな?」っていうくらいウケて(笑)。ロジカルにちょっと面白いところがあると、必ずリアクションしてくれるんで、それでキャストのみんなすごいテンションが上がって、ちょっとみんな笑いをとりにいく人もいたりして(笑)。特に初日は感動的な舞台でした。

古畑 えっとまず空気が全く違ったんですけど、1日目と2日目も違いましたし、3日目の残り二つ公演も1個1個、もちろん、どこいっても違うんでしょうけど、何か僕の中だけの話をすれば、立ってる時に手がしびれるくらいなんか緊張する空気が流れていました。

宮沢 練習時間も短い中で、各国のスタッフたちとその難しい表現方法を試行錯誤して、ぶつかったり、本当に大変な時間なんですけど、最終的にやっぱり国を超えて演劇人が共通に持つ魂っていうものがあるんだなぁって。それはイギリスでもすごく感じましたし、(そこも)観客の皆さんに届けばいいなぁと思っています。

 

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進化したパワフルな「カフカ〜」を

―先ほど蜷川さんに送り出された言葉を聞きましたが、逆に蜷川さんに届ける言葉はありますか。

宮沢 そうですね。こちらに来れなかった悔しい思いは、今私たちが背負って、お客さまに届けるので安心してください、ということですかね。

―9月には日本での凱旋(がいせん)公演も控えています。日本で楽しみにしているお客さまに向けて、一言。

宮沢 本当にただただ誠実にやっぱりこのお芝居を重ねてきて、去年よりずっと進化したパワフルな「海辺のカフカ」を皆さんにお届けできるように頑張りますので楽しみにしていてください。

藤木 そうですね、去年の公演に比べたら30分くらいですか、さらに台詞(せりふ)削ったりして、より余分なものがそぎ落とされて濃密な舞台になっていると思うので楽しみにしていてください。

古畑 えっと、劇場に着いて、一緒の空間を共有すると思うんですけど、その空気を吸えるのを楽しみにしています。

 

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―今回の劇場の印象を聞かせてください。

宮沢 やっぱり蜷川さんも愛してる劇場だということがすごく伝わってきますし、ここはリンカーンセンターでたくさんの人たちがここで汗を流して涙を流し、なんかいろんなもの流しながらつけていった匂いみたいな。そういうものがすごく迫ってきて、とても興奮しますし、今までの劇場の中で一番キャパ(シティ)が大きいので、その圧倒的な空間に負けないように頑張らなきゃなって思いました。

藤木 僕は舞台をやらせてもらうのが今回で2回目なんですけど、こんな素晴らしい劇場でやらせてもらっていいのかなって今でも思っています。印象はすごく立派で大きいところだと思いました。あの5階席ですか? 一番大きいところ(階)だけで500席あるって聞いて、キャストのみんなで「あそこだけでパルコ劇場だねー」って話をしていて(笑)。でもその大きさに負けないように頑張りたいと思います。

古畑 場所と人と、道具とみんなが合わさってる感が、奇跡的だなと。奇跡的だなっていうと安っぽいですけれども、ありえないことが、できてるんだなって思って恐怖しています。

★記者会見の舞台裏★ → http://blog.livedoor.jp/matenrounikki/

■公演情報
【日時】7月23日(木)午後8時、24日(金)・25日(土)午後7時半、26日(日)午後2時
【会場】リンカーンセンター【場所】70 Lincoln Center Plaza, NYC
【ウェブ】lincolncenterfestival.org

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