〈コラム〉ケン青木の新・男は外見 第123回

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“スーツ”について その24

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ビジネススーツ、実はグレーと紺。紺とグレーではないのです(笑)。これは紺ではなく、昼間のビジネス用スーツはグレーこそがその本質なのであり、中心となのだという意味。特にヨーロッパ大陸では、昼間のビジネススーツは基本的にグレーです。紺は、どちらかと言えばイブニング向きであり、その分フォーマル度もより高くなる傾向にあります。私が以前より、紺のスーツはより神経を遣って丁寧に着ましょうと言っているのはそのような理由があるからなのです。
英米両国における、19世紀以降の外交政策上の共通性の一つに、海洋支配国家を目指した点が挙げられます。そのため両国において海軍の重要性は強く認識され続けてきました。20世紀における英米両国の代表的な政治家ウインストン・チャーチルとF・ルーズベルトは共に海軍との強い関わりの中、政治家としての道を歩みました。そう、海軍=Navy、すなわちネイビーブルーなのであります。

米国海軍においては黒の軍服もありますが、ネイビーブルー中心の両国の影響下にあり続けた日本において、男のスーツ=紺という認識が定着していったことは、特段不思議なことではありません。

対してグレーは、ヨーロッパ大陸における各国陸軍の軍服の色。そうなんです、ドイツやフランス、イタリアで昼間のビジネススーツでグレーが多い、今でも中心的であるのはそのことが理由なのです。スーツのルーツは、詰め襟の軍服なのです。

私は、日本の男性諸氏にもグレーのスーツをもっともっと活用、利用そして着用してほしいと思っています。理由は、グレーは色ではなくモノトーンであり、その分、シャツやタイなどの色の組み合わせの幅が広がりますし、肌の色、髪の色など色合わせにそれほど気を遣わなくていいですし、靴の色もそう。黒だけでなく、茶色やスエード素材を合わせるのもいいですし、日常性を紺よりもずっと表現しやすいのです。グレーのスーツの方が、紺のスーツよりも着こなし上手への早道であるということ!!! それではまた。

(次回は1月28日号掲載)

32523_120089421361491_100000813015286_106219_7322351_n〈プロフィル〉 ケン青木(けん・あおき) ニューヨークに21年在住。日系アパレルメーカーの米国法人代表取締役を経て、現在、注文服をベースにしたコンサルティングを行っている。日本にも年4回出張。

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