〈コラム〉「COACH A」竹内 健 「対話で変える!」第22回

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〝トランジション〟(2)研修とコーチング

こんにちは。COACH A竹内です。今回は、カリフォルニアの訪問先でお会いしたアメリカ人経営者Sさんとの会話をご紹介したいと思います。
Sさんは5年ほど前、レジャー関連企業のCEOに昇格した直後から、役員やマネージャー層の成長を促すため、コミュニケーション研修などを積極的に導入してきました。ところが、「著名な講師を呼ぶと、従業員からの評判はいいんだが、その後がね…持ち場に戻ると、研修で学習したことが活かされないんですよ。部下には指示・命令ばかりで、何も変わっていないように見えるし。部下の主体性を引き出すような関わりを期待しているんですけどね」
「では、何を変えればいいと思われますか?」と聞くと、
「う〜ん、部下に質問する練習を一定期間繰り返すとか、あとは、第三者からフィードバックをもらうことも大切でしょうね」
ある役職に求められる行動規範やコンプライアンスを習得するには、必要な知識のインプットが主体の研修が役立つかもしれません。しかし、リーダーを開発するには、Sさんが指摘しているような継続的な実践・訓練やフィードバックが不可欠と言われています。
リーダーがポジティブな影響力を職場で発揮するには、日々の実践・訓練やプロ・コーチからのフィードバックを通じて“トランジション”(変化の連続性)を起こし続けることが有効です。
コーチングは、“トランジション”を支援し、リーダーを開発していく手法です。リーダーの物理的な数を増やすために、コーチングでは定期的に対話、すなわち「双方向のコミュニケーション」を通じて、行動・実践を繰り返します。
コーチングを知り、理解したSさんは、
「まずは、自分がコーチをつけてみようかな。私自身が部下の主体性を引き出す能力を向上させられるよう、コーチとしてサポートしてくれますか?」
「喜んで!」
私は、Sさんがそのゴールを達成できるよう支援することにコミットしました。
次回は、「駐在員のロールマッチ」をテーマとした継続的な取り組みをご紹介します。
(次回は9月第4週号掲載)

02222coach_a 〈プロフィル〉竹内 健(たけうち たけし)
エグゼクティブ・コーチ(COACH A USA 取締役 CFO)
PricewaterhouseCoopers LLPにて異例の日米5都市を異動しつつ、公認会計士として日米欧の企業や経営者へのサポートを行う中で、ソリューションの提供だけでなく対話を通じた人への投資があってはじめてクライアントのパフォーマンスが発揮されることを痛感し、これまた異例の会計士からの転身をはかり現職。
ウェブ】www.coacha.com/usa/

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