インタビュー アグネス・チャン

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音楽には“羽根”がある。時間を、国境を越えます

 「ガチ!」BOUT. 1

 

アグネス・チャン
長年にわたって、世界の子供たちを取り巻く環境に目を向け、状況改善のために活動 してきた歌手のアグネス・チャンさん。日本ユニセフ大使として訪問したアフリカや東南アジアの貧しい子供たちの様子を歌った、CDアルバム『フォゲット・ ユアセルフ』を先月14日に、全米で リリース(売り上げの一部をユニセフに寄付)。アグネス・チャンさんに今回のCD制作について、そしてボランティア活動について、お話を聞いた。(マン ハッタン、ウォルドローフ・アストリア・ホテルにて=3月8日)(聞き手・高橋克明)

 

ユニセフに楽曲を寄付

エチオピアから始まったボランティアへの想い、世界の子供たちへの想い

アグネス ユニセフの仕事で初めてエチオピアに行ったときに、貧困や戦争で死んでいく子供たちの現状を目の当たりにしました。自分の無力さを痛感すると共に、子供たちの為に出来ることは何かと考えるようになりました

アルバム制作のきっかけを教えてください

アグネス ボランティア活動を通じて、子供たちと出会う機会がありました。彼らとのエピソードを歌にして、たくさんの人に聴いてほしいと思ったときに、友人のロビー・セイドマンさんが協力を申し出てくれました。私が作詞を、彼が作曲をしました。全ての歌には主人公がいて、私が出会った子供たちの物語を歌詞にしています

友人ジャッキー・チェンとのデュエット曲

アグネス 『イッツ・ワンダー』という曲は、長年の友人であるジャッキー・チェンさんとのデュエットで、ユニセフ創設60周年記念曲となっています。この曲は、ユニセフのウェブサイトからダウンロードでき、その料金がユニセフに寄付されます。純粋に曲としても楽しめる作品なので、是非聴いてほしいです

CD制作に協力してくれたセイドマン氏は、全米発売前に白血病のためこの世を去った。セイドマン氏も、天国から喜んでいるのでは?

アグネス そうだと思います。彼は亡くなる前、『このCDは子供たちのためのアルバムだから、グラミー賞をとるくらい、多くの人に聞いてもらってね』と言い残しました。彼の思いに答えられるよう、一歩ずつ前進したい。音楽には、羽根があります。国境を越えて、ずっと人々の記憶のなかに残るものと信じています

最後に、今回訪れたニューヨークへの印象について

アグネス 凄くエネルギッシュな街で、毎回来るのが楽しみ。今一番パワーがあると言われている、ハーレム街を歩いてまわりたいです

アグネス・チャン  職業:歌手・エッセイスト・教育学博士
香港生まれ。1972年「ひなげしの花」で日本デビュー。上智大学国際 学部を経て、カナダのトロント大学(社会児童心理学)を卒業。89年、米スタンフォード大学教育学部 博士課程に留学。94年教育学博士号取得。98年、日本ユニセフ協会大使に就任。2003年には終戦直後のイラク、05年にはスーダン・ダルフール地方を訪問。平和への思いを強くする。この年、「ペスタロッチー教育賞」を受賞。06年2月には「Forget Yourself」で念願の全米歌手デビューした。公式サイト:www.agneschan.gr.jp

 

〈インタビュアー〉
高橋克明(たかはし・よしあき)
専門学校講師の職を捨て、27歳単身あてもなくニューヨークへ。ビザとパスポートの違いも分からず、幼少期の「NYでジャーナリスト」の夢だけを胸に渡米。現在はニューヨークをベースに発刊する週刊邦字紙「NEW YORK ビズ」発行人兼インタビュアーとして、過去ハリウッドスター、スポーツ選手、俳優、アイドル、政治家など、400人を超える著名人にインタビュー。人気インタビューコーナー「ガチ!」(nybiz.nyc/gachi)担当。日本最大のメルマガポータルサイト「まぐまぐ!」で「NEW YORK摩天楼便り」絶賛連載中。

 

(2006年3月11日号掲載)

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