布袋寅泰(2)

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僕のインストルメントはギターに興味がない人も楽しませます!

「ガチ!」BOUT. 235

 

布袋寅泰

 

アーティスト活動35周年を迎えた布袋寅泰さんが今月15日、ニューヨークのハイライン・ボールルームでライブを行う。米国でのライブは2013年の同地での公演以来で、35周年の記念の年についに本格的に米国進出の第一歩を踏み出す。現在、米国でのライブ発表と同時に全世界に配信されるデジタル・シングル「Move It」のミュージックビデオも公開されている。日本国内でのライブ、テレビ出演など多忙を極める中、ニューヨークでのライブを目前にスカイプインタビューにお答えいただいた。(聞き手・高橋克明)

 

NYで2度目のライブ

35周年ライブ、とのことですが、今回の北米でのライブにかける思いをお伝えください。

布袋 35周年という大きな節目を迎えることができたのは、支えてくれたファンの皆さんやスタッフのおかげだと心から感謝しています。昨年、長年の夢であり、目標であったワールドワイドでの活動に向けての第一歩としてアルバム「Strangers」をリリースしました。2月はアムステルダム、パリ、ベルリンのクラブでのライブも大好評で、小さいけれども確かな一歩を踏み出せたと思います。NYとLAのライブは僕の未来を示す重要な意味合いを持つライブになる予感がします。ダイナミックなライブにしたいですね。

2年ぶりのNYライブですが、これからもっと米国での音楽活動が活発にされていくということになるのでしょうか。

布袋 ロンドンに移住して4年が経ちました。ヨーロッパでの活動が広がっていますが、米国のマーケットもとても重要だと思っています。映画「Kill Bill」のテーマ曲に使用された“Battle without honor or humanity”は、スーパーボウルのCMやテレビ番組や大きなスポーツイベントなどでも使用され、たくさんの米国の音楽ファンに愛されています。これから今まで以上に積極的にアプローチしたいと思います。たくさんライブをやりたいですね!

先日世界配信されたデジタル・シングル「Move It」で共演されたリチャード・Z・クラスペさん(Richard Z. .Kruspe)ですが、どのような出会いからの共演となったのでしょうか。

布袋 共通のプロデューサーから紹介され意気投合し実現しました。その他にもロック界の重鎮イギー・ポップやテキサス生まれのShea Segar、UKのBullet For My Valentineのマット・タックなど多彩なゲストが参加してくれています。

今回のNYライブにもリチャードさんは登場されるのでしょうか。

布袋 残念ながらラムシュタインはヨーロッパのフェスで大忙しで参加できません。

前回の3年前のNYライブは非常に盛り上がりました。NYでのコンサートにどのような印象をお持ちでしょうか。

布袋 皆さんの笑顔がとても印象的でした。ビートに対する反応も早かったし、それぞれの楽しみ方を知っているな、という印象を持ちました。自由を分かち合っているような、とても開放感のあるライブだったし、素晴らしいオーディエンスでした。

現在ロンドンをベースに活動されていますが、日本での音楽制作とはやはり違いがあるのでしょうか。

布袋 そうですね。欧米の音楽は太くてシンプルな印象です。日本人の真面目で細部までこだわる性質が、音楽作りにおいて時に逆効果なときもあるかもしれません。大胆な発想こそ大切にしたいですね。そういった意味では、最近いい感じで大雑把になってきたかもしれません。(笑)

ロンドンとアメリカ、そして日本。ライブをするにあたり気持ちの変化や選曲の違いなど、あるのでしょうか。

布袋 ライブに挑む気持ちは基本的には同じですが、欧米でのライブでは、僕のギタリストとしての特性をより強調したメニューになります。インストルメンタルと歌が半々くらいのバランスです。僕のインストは踊れるし、ギターに興味がない人にでも楽しんでもらえる自信がありますよ。

NYのお気に入りスポットなどありますでしょうか。なんでもかまいません。

布袋 NY在住の長年の友人がいつも最新のNYを案内してくれるので楽しみにしています。NYは常に変化していますからね。やはりアートとファッションに興味があります。日本食レストランやラーメン屋さんに行くのも好きです。外国で頑張っている日本人の姿から勇気をもらえますからね。

読者へのメッセージをよろしくお願いいたします。

布袋 僕の名前を知っていても、ライブを観たことがない人がほとんどだと思います。曲を知らなくても楽しめるカラフルなステージですから、先入観を捨てて、是非ご友人とお出かけになってください。きっと元気になってもらえると思います。皆さんと会場でお会いできるのを心から楽しみにしています。

 

★インタビューの舞台裏★ → ameblo.jp/matenrounikki/entry-12177735783.html

 

布袋寅泰(ほてい・ともやす) 職業:ギタリスト、プロデューサー、作詞・作曲家
日本のロックシーンへ大きな影響を与えた伝説的ロックバンドBOØWYのギタリストとして活躍し、1988年にアルバム『GUITARHYTHM』でソロデビュー。クエンティン・タランティーノ監督からのオファーにより、「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY(新・仁義なき戦いのテーマ)」が映画「KILL BILL」のテーマ曲となり世界的にも大きな評価を受け、今も尚、世界で愛されている。2012年よりイギリスへ移住し、三度のロンドン公演を成功させた。14年にはThe Rolling Stonesと東京ドームで共演を果たし、15年海外レーベルSpinefarm Recordsと契約。同年10月にインターナショナルアルバム「Strangers」がUK、ヨーロッパでCDリリース、そして全世界へ向け配信リリース。16年日本においてはアーティスト活動35周年を迎え、35周年アニバーサリープロジェクト『8 BEATのシルエット』の企画も続々と発表されている。その傍らで2月に開催されたベルリン、パリ、アムステルダムでの海外公演は大成功を収めた。公式サイト:www.hotei.com

 NYライブ情報 

日時: 7月15日(金)午後8時(開場6時)
会場: HIGHLINE BALLROOM
場所: 431 W.16th St(bet 9th & 10th Ave)New York, NY 10011
チケット:30〜55ドル
チケット購入:http://highlineballroom.com/show/2016/07/15/hotei/

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ニューヨークでの3年ぶりのライブを目前に「ニューヨーク・ビズ!」読者に向けメッセージが届いた。動画メッセージの閲覧はコチラから。

 

〈インタビュアー〉
高橋克明(たかはし・よしあき)
専門学校講師の職を捨て、27歳単身あてもなくニューヨークへ。ビザとパスポートの違いも分からず、幼少期の「NYでジャーナリスト」の夢だけを胸に渡米。現在はニューヨークをベースに発刊する週刊邦字紙「NEW YORK ビズ」発行人兼インタビュアーとして、過去ハリウッドスター、スポーツ選手、俳優、アイドル、政治家など、400人を超える著名人にインタビュー。人気インタビューコーナー「ガチ!」(nybiz.nyc/gachi)担当。日本最大のメルマガポータルサイト「まぐまぐ!」で「NEW YORK摩天楼便り」絶賛連載中。

 

(2016年7月9日号掲載)

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