〈コラム〉法律の専門家がお答えします

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senmonka

今週は「シンデル法律事務所」

最近のH―1Bの審査状況について

ここ最近の移民局審査はH―1Bビザをはじめ、その厳しい審査に加え、審査そのものも大変時間がかかっています。最新の移民局発表(2010年10月31日付)によると、カリフォルニアサービスセンターでは米国内でのH―1B申請審査期間に約2カ月を要しており、またバージニアサービスセンターでは米国内でのH―1Bへのステータス変更申請に2カ月、またH―1B延長申請に約3カ月かかっています。ただ、これはあくまでも統計的な目安に過ぎず、弊社のケースを例にとると、それ以上に審査時間がかかっているケースも多くあります。
申請者の中には結果が待ちきれず、審査期間中の途中時点から移民局に対し特急申請に切り替える方もいます。(移民局による申請受け付けから15日以内に何かしらの結果が出るが、質問状が来れば、殆どの場合、15日以上時間かかる)
H―1Bビザは法律的に特殊な面もあり、例えば、H―1B保持者が転職を通して別の会社でのH―1B転職申請を行う場合、それが正当な申請として正式に移民局により受け取られれば、転職先のH―1B認可が下りなくても特定の条件の下、転職先での就労開始は可能です。また同じ会社を通してのH―1B延長申請も同様です。ただ先述の通り、現状、特急申請を使わなければ2?3カ月という審査期間がかかっていることから、現H―1Bの期限以降、米国外へ出国される予定のある方などは、移民局認可無しには米国外で新しくビザ査証の申請および取得はできないため、実質このメリットを活かすことができません。また米国の運転免許証の更新についても新しい認可が必要なため、困っている方も結構いるのが現状です。
更に、H―1B申請準備もこれまで以上に時間を要します。また取得できたH―1Bも、その後のH―1B監査(突然の会社訪問)において何かしらの違反が発覚すれば、それも満期を前にして却下の対象となります。
好ましくないこの現状を踏まえ、申請予定の方は、時間に余裕を持った早急の対応をお勧めします。
(次回は2月12日号載)
(「WEEKLY Biz」2011年1月15日号載)
sindel_faceup〈今週の執筆者〉 弁護士 デビッド・シンデル(David S. Sindell – Attorney at Law) NY、NJ州公認弁護士、NY弁護士会会員 アメリカ移民法弁護士協会会員 1994年NYマンハッタンにシンデル法律事務所を設立。移民法を専門に扱う。以後1万件以上のビザ、永住権等の取得実績を誇る。2011年4月にはCA州シリコンバレーにもオフィスを設立。NY、CA、日本を中心とした法律セミナーの多数開催をはじめ、多数の日系情報誌にも法律記事を連載中で、在米日本人を中心に広く好評を得ている。米国在住の日本人とも交流が深く、米国を拠点に直接日本語で法律相談にも応じている。 〈今週の執筆事務所〉シンデル法律事務所 7 W. 36th St., 14Fl. NYC Tel:212-459-3800 Email:slony@sindelllaw.com Web:www.sindelllaw.com
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