〈インタビュー〉ジャパン・ソサエティー理事長 櫻井本篤氏に聞く

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Motoatsu Sakuri, President, Japan Society

(c)Ken Levinson

来月14日開催
NY倫理友の会
「春のランチョン」ゲストスピーカー

 NPOだからこそできること
信念に基づき改革に挑む

ニューヨーク倫理友の会(理事長・リンゼイ芥川笑子)主催の「春のランチョン」(5月14日)にゲストスピーカーとして出演する櫻井本篤氏。2006年、米国三菱商事社長から在ニューヨーク総領事・大使に就任し、初の民間出身の総領事となった。09年からは、歴代米国人が勤めてきたポストであるジャパン・ソサエティー(JS)理事長に日本人として初めて就任。これまで二度も「初」のポストを務め、前例のない中でも挑戦を続けてきた櫻井氏にあらためてお話を伺った。
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櫻井氏の米国生活は1978年、世界銀行のワシントンDC本部に着任した時に始まり、約30年になる。 在ニューヨーク総領事・大使時代は、長い米国生活の中でも他の時期と違う体験ができたと振り返る。「大使になったことでさまざまな方にお会いでき、会社生活をしていたら会えなかったような方々と触れ合えました。たくさんの出会いがあった時期でした」
民間出身の櫻井氏にとって総領事としての仕事は、驚きを覚えることも多かった。たとえ小さな改革であっても先例のない事柄を実行するのは困難を伴ったが「変革によって利用者である日本人の皆さんが喜んでくれたという体験をすると、自ら改良できる点を見つけ、提案していくようになっていくのです。人間って面白いものですね」
日米の友好親善と文化交流を目的に1907年に創立、100年を超える歴史あるNPO法人「ジャパン・ソサエティー」理事長に就任したのは、リーマン・ショック後。大幅赤字に転落していた同団体を黒字に戻すことに注力した。
「赤字の時期に就任したのは、今考えれば、良かったのですよ」と櫻井氏は語る。ジャパン・ソサエティーは企業ではない。誰をターゲットに何を行っていくのかが曖昧になる可能性があり、目標・理想の姿の数値化も難しい。「黒字の時期に就任していたら、もっと迷っていたはずです。赤字の時期だったからこそ、まずは黒字回復を目標に走ってこられました。黒字に戻った今が、『さて、これからどうする』という次の目標を作る時期です」と意欲を見せる。
「政府でなく、NPOのジャパン・ソサエティーだからこそ、できることはもっとあるはずだ」という信念のもと、まずは予算を1年計画から5年に切り替えた。主催するイベントにも人種、主義主張を問わず、講師を招いた多様なものが増えた。理事会では75%が米国人で、個人会員も80%が米国人、理事長も櫻井氏以前は全員が米国人であった「米国的で」「米国の常識に基づいて行動する」団体として、日本と米国のために、また世界のために何ができるのか―。「あと3年やることになりましたから、もっとさまざまなことを取り入れられそうでうです」と話す。柔らかい口調だが、その言葉には前向きな意志が感じられる。櫻井氏の“改革”はさらに続いていくだろう。
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■ニューヨーク倫理友の会「春のランチョン」
【日時】5月14日(木)午前11時半〜午後2時半
【会場】新橋レストラン
【場所】7 E 48th St(bet Madison & 5 Ave)
【参加費】会員45ドル、非会員55ドル※「Friends of Rinri Kenkyusyo」宛にチェックを郵送
(郵送先:Friends of RINRI 28 W 44th St, Suite 1622, New York, NY 10036)
【問い合わせ】212-869-1922(火・木のみ)

(「WEEKLY Biz」(ニューヨーク)2015年4月25日号掲載)

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