FCI制作ドキュメンタリー「ワシントンへの道」、NYフェスティバルで銅賞

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故ダニエル・イノウエ議員の軌跡を描く

久下氏「故イノウエ上院議員にささげたい」
荒井氏「伝えられなければいけない物語」

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授賞式に臨んだ(左から)久下香織子氏と荒井琢呂氏(©FCI)

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(©The Office of U.S. Senator Daniel K.)

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2011年7月のインタビュー(©FCI)

米ラスベガスで4月8日、「2014年ニューヨーク・フェスティバル」の授賞式が行われ、フジサンケイ・コミュニケーションズ・インターナショナル(FCI)制作ドキュメンタリー「ワシントンへの道〜米国日系社会の先駆者ダニエル・イノウエ議員の軌跡〜」(13年5月放送)が「バイオグラフィー/プロフィール部門」で銅賞を受賞した。
同フェスティバルは1957年に発足、テレビ番組以外にもあらゆるメディア表現を評価の対象としている世界最大規模の国際コンテスト。テレビ番組は全世界50カ国から多数のエントリーがあり、優秀作品に金賞・銀賞・銅賞などが授与される。
受賞した同作品は、2012年12月に急逝した米国日系社会の巨星、ダニエル・イノウエ氏を2年にわたり取材。イノウエ氏は、およそ半世紀前に日系米国人として初めて米国で国政の舞台で議員となり、アジア系米国人として米国史上最高位となる大統領継承順位第3位まで上り詰めた政界の重鎮。
番組は、米国に生きる日系人の新境地を切り開き続けたイノウエ氏の軌跡を全米規模の取材で得た貴重な証言と本人のインタビューで掘り下げたドキュメンタリー。米国で差別的な扱いを受けていた日系移民の実情や、多くの日系人の運命を一変させた真珠湾攻撃、その後、米国人にかかわらず敵国民扱いをされた日系人の歴史を振り返りつつ、「日系人部隊」の兵士として英雄となり、復員後も日系人もほかの市民と同じく善良で忠誠な米国国民だという信念の下に日系人にとって未開の世界であった政治の道に進んだイノウエ氏の“生き様”に迫った。
同作でナビゲーターを務めたFCIの久下香織子キャスターは「2年近くの取材も終盤を迎えた時に突然訪れたイノウエ氏の訃報にはあまりのショックに声も出ませんでした。しかしこの時、イノウエ氏の人生を語り継いでいかなければいけないという責任の重さをあらためて感じました。身に余るこの賞は故イノウエ上院議員にささげたいと思います」と述べた。
構成・ディレクターの荒井琢呂氏(FCI)は「『伝えられなければいけない物語を伝えなければ』という思いで、取材を続けました。本当にたくさんの方々のご協力があって完成することができた作品で、特に日系米国人の方々の惜しみないご協力と語られる深い言葉には、自分も成長させていただいたような気がします」と作品への思いを振り返った。
同作品はFCI日本語放送で年末年始に再放送を予定している。詳細は、ウェブサイトwww.fujisankei.comを参照。
(「WEEKLY Biz」2014年5月3日号掲載)

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