〈インタビュー〉 17日 NY倫理友の会「春のランチョン」 ゲストスピーカー・髙崎康裕氏に聞く

0

NY歴史問題研究会会長
YTレゾリューションサービス社長

NYで長く生きるにつれ、より日本について考えたい思い強く

17日に開催される、毎年恒例のニューヨーク倫理友の会(理事長・リンゼイ芥川笑子氏)主催の「春のランチョン」では、ゲストスピーカーとしてニューヨーク歴史問題研究会会長の髙崎康裕氏が登壇する。髙崎氏はYTレゾリューションサービス社長として、事業開発コンサルティングや各種施設の開発企画・設計などを⼿掛ける。髙崎氏に講演の聴きどころや同研究会を始めた経緯などを伺った。
ニューヨークなど多様な人種が行き交う街で暮らしている人なら、日本人について聞かれ、答えに窮するという経験を持つ人は少なくないのではないか。

ニューヨーク歴史問題研究会は、日本からニューヨークに渡ってきた人々が異国の文化で暮らす中で、「自国・日本についてあらためて考え直したい」という要望が多く寄せられたことから始まった。日本人特有の行動や意識、文化はどこから生まれてどう育ってきたのか。その礎となる歴史的事実は、誇るべきものであるにもかかわらず日本であまり報道されないことも多く、また歪曲(わいきょく)されて特定のイメージが根付いている部分もある。髙崎氏は「戦後、GHQ(連合国軍総司令部)の占領政策で刷り込まれた日本人の贖罪(しょくざい)意識、自虐意識を変えたい」と話す。自身の深い知識をもとに毎月講演する同研究会例会は、今年4月で67回目を迎えた。

今回のイベントでは同研究会の講義内容にも通ずる「~日本人とその美意識~『もののあはれ』と『漢意(からごころ)』」がテーマ。日本人とは、その美意識・倫理意識とは何か、それを育んだものは何かについて講じられる。その答えには“日本語のルーツ”が深く関わっており「もののあはれ」と「漢意」について理解し、読み解くことで、古代の日本人の生き方・考え方を探ることができる。

髙崎氏は、幼少のころから本をよく読み、楠木正成などの偉人伝が大好きだったという。さらに歴史の解説を試みようとした背景には、2007年からの東北大学での講義の経験もある。ますます進みゆく国際化の中で国際人となることを目指す上では、英語力を身に付けるだけではなく、まずは自国の歴史や文化をしっかりと理解し、それを相手に伝えられる力が必要だと説いてきた。
「ニューヨークで長く生きるにつれ、より日本について考えたいという思いが深まっています」(髙崎氏)

◇ ◇ ◇

17日に行われる、ニューヨーク倫理友の会春のランチョンの問い合わせは、事務局(212-869-1922/火・木曜)まで。

〈略歴〉たかさき・やすひろ ニューヨーク歴史問題研究会会⻑。YTリゾリューションサービス社⻑として、日系顧客を中心とした事業開発コンサルティング、各種施設の開発企画・設計・エンジニアリング・施⼯管理業務等を⼿掛けている。シミズディベロップメント社⻑、Dillingham Construction代表取締役、東北大学特任教授歴任。現東北大学総⻑特別顧問。著作に「建設業21世紀戦略」(日本能率協会)、「海外業務ハンドブック」(丸善)、「海外プロジェクトリスクへの対応」(エンジニアリング振興協会)など多数。

(2018年5月5日号掲載)

Share.