NY倫理友の会「第18回年次総会」 丸山敏秋氏講演「自己を磨き高める」

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年次総会の模様

講演を行った一般社団法人倫理研究所理事長でニューヨーク倫理友の会総裁の丸山敏秋氏

ニューヨーク倫理友の会は8日、名門プライベートクラブのニューヨーク・アスレチッククラブで第18回年次総会を開催した。

同会理事長のリンゼイ芥川笑子氏のあいさつに始まり、同氏のユーモアにあふれた司会進行の下、会は和やかな雰囲気で進んだ。国連日本政府代表部次席代表の川村泰久・特命全権大使による祝辞、理事や来賓が紹介された後、一般社団法人倫理研究所理事長でニューヨーク倫理友の会総裁の丸山敏秋氏による講演が開始した。

司会のニューヨーク倫理友の会理事長のリンゼイ芥川笑子氏

大変動の時代を乗りきる

講演テーマは「自己を磨き高める─大変動の時代の心得・パート2」。丸山氏はまず、近く元号が変わることに触れ、平成の30年を振り返った。そしてこれまでの常識が通用しない大変動の時代を乗りきるためには、自己を磨き高め合うことが必要という主題に迫った。

自己研さんの3要素を紹介

続いて、昨年死去した上智大学名誉教授の渡部昇一氏が「修養」の大切さを国民に説いたことを、その人柄に触れながら紹介。そして渡部氏の恩師で、山形大学教授で英和辞典の編さん者でもあった田中菊雄氏の著書『知的人生に贈る』から、自己を磨くための要素を三つ紹介した。一つめは、健全な思想を持つこと。努力は報いられると信じること、自分に起きた「気づき」を大切に扱うことなどを説いた。二つめは、善良な生活習慣。三つめは、賢明な人生の企画をすること。表面的な生活の企画の奥で、魂の向上・発展のための企画を忘れてはならないこと、人間は自分自身を超えて成長する力を持っていることを述べた。

最後に、努力が報われることの逸話として、高浪喜代子(たかなみ・きよこ)氏が宝塚歌劇団のスターになるまでの軌跡を紹介した後、人生の荒波を越えた人は他者への配慮に長けていることを、俳優の森繁久弥さんを例に挙げて解説した。

また、丸山氏は総会開始前、ゲストアーティストとしてパフォーマンスを行うシンガーソングライターのKa-Na(植村花菜)さんと対談を行ったことを述べ、Ka-Naさんが今回のテーマにつながることを実生活で体験していることを紹介した。

ゲストアーティストとして歌声を披露したKa-Naさん

講演が終わると、フルコースのディナーが振る舞われる中、じゃんけん大会や歓談の時間を経て、Ka-Naさんが登壇。Ka-Naさんは大ヒットした「トイレの神様」で一躍有名となり、日本レコード大賞・最優秀作品賞と作曲賞をダブル受賞、またNHKの紅白歌合戦出場も果たした。オリジナル曲「新しい世界」や「光」、ヒット曲の「トイレの神様」、中島みゆきさんの「糸」などアンコールを含め全5曲を披露。澄んだ歌声と、美しい詞とメロディーに参加者は酔いしれた。演奏が終わると、拍手喝采の中、会は締めくくられた。

水野五十一シェフによる特別メニューが提供された

(写真はいずれも8日、ニューヨーク・アスレチッククラブ=撮影:徳倉)

(2018年11月17日号掲載)

 

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