〈コラム〉差別禁止

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雇用上の決定の際には今まで以上に注意を

「マネジメントへの手紙」
マネジメント・コンサルタント/プロフェッショナル・コーチの視点から
HRMパートナーズ社 社長 三ツ木 良太
第42回

新型コロナウイルス(“コロナ”)の影響によって各地で外出制限令等が出されてから約3カ月間が経ちます。当地ニューヨーク市は6月22日(月)から正式にReopening(経済活動・事業活動・オフィス等の再開)のPhase2に移行し、多くのビジネスがオフィス再開となった他、小売店は制限付きで店内営業が認められ、飲食店でも店外での飲食が認められるなど、街が活気を取り戻しつつあるという印象を受けます。また、多くの地域で段階的にReopeningされてきており、アメリカ全体が前に進んでいるようにも感じますが、一方で、Reopeningした一部の地域ではコロナの新規感染者が急増するなど、まだまだ予断を許さない状況が続いています。

人事労務管理面に目を向けると、暫定的にオフィス出社から在宅勤務に切り替えていた企業では、一部または全ての従業員をオフィス出社に戻す動きも見られますが、まだしばらくは様子を見ると判断されている企業も多いようです。また、感染拡大対策等による事業活動への制限もあり、急激な景気回復は見込みにくいとの予測等もあることから、今後、人員整理を含む何らかの雇用対応等を検討・実行せざるをえない企業が出てくるかもしれません。その際に気を付けていただきたいのは雇用上の「差別禁止」についてです。

ご存知の方も多いと思いますが、米国では、差別的事由による(Protected Groups=保護されるグループ=の特色を基にした)雇用上の決定は禁止されています。現在、Black Lives Matter運動が全米各地で起こっており、その関連で公民権運動についても取り上げられる機会が多くなっていますが、1964年に制定・施行された公民権法では、Protected Groupsとして人種、肌の色、宗教、出身国、性別が明記され、その後、様々な法令で障害、市民権、軍役、年齢、遺伝子情報等にまで拡大しています。また、独自にProtected Groupsを定義している州や郡・市もあります。つい先頃、連邦最高裁判所は、LGBTなど性的マイノリティーの人たちに対する職場での差別的な扱いは公民権法に違反するという判断をしました。このように、社会情勢的にも「差別禁止」がこれまで以上に注目されている現在、今後、雇用上の決定をされる際には、これまで以上に「差別禁止」について注意を払っていただきたいと思います。

ご質問等がございましたら、いつでもお問い合わせください。

(次回は7月第3週号掲載)

 

〈執筆者プロフィル〉みつぎ・りょうた イリノイ州シカゴ生まれ。学習院大学法学部を卒業後、日本電信電話株式会社(NTT)、ニューヨークに本社を置くコンサルティング会社を経て、2009年よりHRM Partners, Inc.に在籍。各地の商工会等での講演・セミナー実績多数。また、日系紙『ニューヨーク Biz』『企業概況ニュース』でのコラム連載をはじめ、組織・人事労務管理等に関する記事も多数執筆。

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