〈コラム〉新政権下での人事労務管理上の留意点

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賃金の適正な支払いや従業員の分類に一層注意を

「マネジメントへの手紙」
マネジメント・コンサルタント/プロフェッショナル・コーチの視点から
HRMパートナーズ社 社長 三ツ木 良太
第46回

ニューヨークで初のCOVID─19(以下“新型コロナ”)陽性者が確認されてから1年近くが経とうとしています。昨年9月頃から始まった感染再拡大も、今年に入って1月中旬頃から減少傾向に転じています。また、ワクチンの供給も進んできていることから、数字的にも心情的にも少し落ち着いてきているかもしれません。しかしながら、変異株への懸念やワクチンの効果や副反応への不安等もあり、安心とは言い切れない状況かと思います。

さて、バイデン政権が発足してから約1カ月が経ちますが、この間、労働関連各機関トップの指名が続いています。具体的には、「Equal Employment Opportunity Commission(EEOC)(雇用機会均等委員会)」「National Labor Relations Board(NLRB)(全国労働関係委員会)」「Department of Labor(DOL)(労働省)」です。DOLでは副長官も指名されており、昨年3月から続いている失業問題への早急な対策・対応が期待されます。

また、前回=1月23日号掲載=の当コラムでは、『新政権が雇用・労働・人事労務管理に与える影響』と題して、新政権の大きな動きとして「労働者をより強く守る法令が施行されていく」ということに言及しました。ただ、皆様もご承知のとおり、新政権では新型コロナ対策が最優先課題であり、より直接的に影響を及ぼす経済対策等が喫緊の課題となっていますので、実際の法案可決はそれほど早いスピードで進んでいくとは考えられません。

それでは、法案可決が進まなければ気を付けることはないかと言うとそういうわけではなく、現行の法令の中でも、「Fair Labor Standards Act(FLSA)(公正労働基準法)」の強化は明言されており、賃金(残業代含む)の適正な支払いや、Exempt / Non-exemptの適切な分類についはこれまで以上に注意を要することになりそうですので、専門家の意見等も参考にしながら、法令遵守・運用状況を再確認されることをお奨めいたします。

ご質問等がございましたら、いつでもお問い合わせください。

(次回は3月第3週号掲載)

 

〈執筆者プロフィル〉みつぎ・りょうた イリノイ州シカゴ生まれ。学習院大学法学部を卒業後、日本電信電話株式会社(NTT)、ニューヨークに本社を置くコンサルティング会社を経て、2009年よりHRM Partners, Inc.に在籍。各地の商工会等での講演・セミナー実績多数。また、日系紙『ニューヨーク Biz』『企業概況ニュース』でのコラム連載をはじめ、組織開発・人事労務管理等に関する記事も多数執筆。

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