〈コラム〉従業員のワクチン接種方針

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方針決定にあたっては理由の明確化等に注意

「マネジメントへの手紙」
マネジメント・コンサルタント/プロフェッショナル・コーチの視点から
HRMパートナーズ社 社長 三ツ木 良太
第47回

WHO(世界保健機関)がCOVID─19(“コロナ”)のパンデミックを宣言し、アメリカ全体で国家非常事態が宣言されたのが約1年前。その後、当地ニューヨークで外出制限令が出され、感染状況を見ながら制限と緩和が繰り返されてきました。今年1月上中旬頃から減少に転じた感染者数は引き続き減少傾向を保っており、安心材料の一つとしての大きな要因ともなるコロナ・ワクチンの供給も進んできています。また、1兆9000億ドル(約200兆円)規模の追加経済対策法も成立し、正常化には未だ程遠い状態ではありながらも、少し前向きになれる状況になってきていると感じます。

そのような中、オフィス再開プランを再考されている企業が増えてきている印象です。多くの企業では外出制限緩和等に合わせてオフィス再開のプランを立案し実行してきたと思いますが、実態としては在宅勤務を継続されている企業・従業員も多いのではないでしょうか?

それが、ある程度はコロナ・ワクチンの接種スケジュールが見えてきたことで、従業員のオフィス出社を含めて、オフィス再開プランの再検討が求められる状況になってきているのだと思います。

そのオフィス再開プランの再検討に関連して特にお問い合わせをいただくのは、従業員に対するコロナ・ワクチン接種の方針についてです。EEOC(雇用機会均等委員会)は「接種の義務化は可能」との見解を出してはいるものの、接種を希望しない従業員からの反発や訴訟リスク等を考慮すると、ビジネス上の明確な理由がないのであれば、少なくとも現時点では任意レベルに留めておくのが無難だと考えます。一方、ビジネス上の理由が明確である業種・職種等であれば強く推奨したいところだと思いますが、その場合には法令の確認はもちろんのこと、他社が導入している奨励金制度(ワクチン接種は4時間分の有給等)も参考にしながら、何かしらのインセンティブをつけることも考えても良いかもしれません。

ご質問等がございましたら、いつでもお問い合わせください。

(次回は4月第3週号掲載)

〈執筆者プロフィル〉みつぎ・りょうた イリノイ州シカゴ生まれ。学習院大学法学部を卒業後、日本電信電話株式会社(NTT)、ニューヨークに本社を置くコンサルティング会社を経て、2009年よりHRM Partners, Inc.に在籍。各地の商工会等での講演・セミナー実績多数。また、日系紙『ニューヨーク Biz』『企業概況ニュース』でのコラム連載をはじめ、組織開発・人事労務管理等に関する記事も多数執筆。

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