具体的・実践的な内容に聴衆、熱心に耳傾け
6月16日、ニューヨークで人材紹介会社TOPニューヨークが日系企業マネジャー向けに「人事ビジネスセミナーin NYC」を開催した。
2部構成からなるセミナーの前半は、弁護士の望月良子氏による「日系企業における人事リスクマネジメント―解雇とリテンション―」を題材に日米における人事制度の違いとリスク管理の重要性を採用から解雇までのプロセスごとに留意ポイントを説明した。望月氏はMcDermott, Will & Emeryや大手会計事務所で日系企業部報酬・福利厚生部門のパートナーとして活躍後、独立。報酬・福利厚生や組織に関する経営アドバイスを多国籍企業向けにコンサルティングを行っている。望月氏の具体的・実践的な内容に参加者は熱心に耳を傾け、質問も多く寄せられた。
また、後半は、TOP En Espanolのオペレーションマネジャー・冨田陽祐氏と社長Ariel Rojas氏による「メキシコでの人材管理―雇用法、福利厚生―」と題し、米国とメキシコの人事にまつわる相違や、メキシコ人の採用最新動向を説明した。自動車業界を中心に日系企業の進出が急激に増えているメキシコ。冨田氏はメキシコ進出のメリットとして、北中南米市場へのアクセスに便利なこと、若年層が多く賃金の低い労働力、安定した経済成長率、政府が外資による投資が積極的なことなどを挙げた。また、メキシコの経済状況から、現地の治安、労働法や給与水準、とくに社会主義に近いと言える社会保障制度についても触れた。そのほかメキシコでの採用、人材育成、解雇の際の注意点、マネージメントに要求される条件、メキシコ人の典型気質など進出に関わる点を幅広く説明した。セミナー後のQ&Aでは各企業担当者から積極的な質問が投げかけられた。
TOPグループは北米10拠点で日系企業へ人材紹介、派遣、国際人事コンサルティングサービスを提供している。現在、北米と日本の11都市に拠点を擁し、三つ目のメキシコ事務所を設立中。
【ウェブ】top-us.com
(2016年7月9日号掲載)