ブライアントパークでは、緑に囲まれた中、さわやかな風と共に青空の下で、毎週木曜日午後12時半から約１時間、ＨＳＢＣ銀行主催で無料でさまざまなゲストを呼んで講演を行う「Reading Room」というプログラムが10月まで定期的に開催されている。
このプログラムは文学イベント、著者出演、執筆ワークショップ、子供向けプログラム、世界一流の詩プログラムなどと多彩だが、５月初旬に行われた同イベントでは、ダラー・ゼネラルの元最高経営責任者（ＣＥＯ）のカル・ターナー氏の講演だった＝写真（撮影：徳倉）。ダラー・ゼネラルは、もともと地元の小さな家族経営の雑貨屋から売上高1000億円企業（2017年時点で約２兆円）にまでなった米国のディスカウントストアチェーン大手。晴天の中、30人ほど昼食を食べたりドリンクを飲んだりしながら自由に講演を拝聴していた。
プログラムはＨＳＢＣ社員の進行の下、同氏の紹介に始まり、Ｑ＆Ａ形式の対話、質疑応答が行われ、最後に書籍購入者へのサイン会で終了した。
講演の中で、家族経営の難しや実の兄弟を首にした時の心境などを語り、「経営で一番難しいのは、感情との戦いである」という言葉が印象的であった。
売上高２兆円企業の元ＣＥＯが小さな公園で約30人という少ない人々の前でしかも無料で講演してくれるというのは、なかなか日本では見られない光景である。しかも、気軽に質問することができ、講演後に自由に話しかける機会があった。なんとぜい沢な時間だろう。一度体験みてはいかが。
詳細はウェブ（http://bryantpark.org/amenities/reading-room）参照。
７月７日号掲載）
