日本クラブ7階の日本ギャラリー
5月6日(金)〜18日(水)
日本クラブ7階の日本ギャラリーでは、リ・オープン後の二つ目のインパーソンの展覧会として、彫刻家であり、東京学芸大学教育学部教授である、朝野浩行氏による石彫彫刻を展示する。
朝野氏は、大学卒業後、イタリアまで何千マイルも旅し、イタリア国立カッラーラ美術学院で学びながら、地元の石彫り工場で働き、技術を磨いた。朝野氏の一連の女性の体の彫刻はカッラーラで完成したもの。作品のスタイルは、1986年から93年までは、女性の体の半抽象的な大理石の彫刻であり、93年から現在までは円形ボイド「円形に開かれた穴」を主なテーマとする抽象的な花崗岩の彫刻。前者は柔らかくロマンチックで、後者は合理的で幾何学的だ。
近年での最も大規模な円形ボイドの作品は、2020年のパンデミックの年に設置された沖縄の石垣島にあるANAリゾートに設置された七つの屋外彫刻。単一のボイドから、二つ、三つのボイド、そして完全なボイドと半分のボイドの組み合わせまで、さまざまなバリエーションで制作されている。朝野氏のボイド作品は、通常、円形の穴は磨かれているが、周囲は滑らかで石肌を保持している。最近の作品は、完成後に彫刻を壊し、部分的に再び組み立てるという「壊れたスタイル」により制作されている。19年の赤い花崗岩の「オオカミの月」はその代表的な例だ。
朝野氏は、「石は我々が想像もつかない遥かなる悠久の時間を持つ産物であり、生きものの化石を含む物もあります。そんな太古からの生命の鼓動が、とてつもなく永い時間を越えて現代の空間に響いて来るような感じを作品で表現したい」と考えている。
〈プロフィル〉
朝野浩行(あさの・ひろゆき)
1963年大阪府生まれ。1986年大阪芸術大学美術学科彫塑専攻を卒業後、イタリア国立カッラーラ美術学院で彫刻を学ぶ。国内外の彫刻展、コンクール、シンポジウムで活躍する石彫彫刻家。東京学芸大学教授。第20回現代日本彫刻展、第21回現代日本彫刻展、第22回現代日本彫刻展優秀模型作品、第28回UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)等で入選。
●作品設置場所
台湾花蓮彫刻博物館(台湾)
武湖彫刻公園(中国)
南海彫刻公園(韓国)
モリカミ博物館&庭園(米フロリダ州)
その他、ドイツ、オランダ、フランス、カナダの都市、イタリア、トルコ、中国、韓国、日本、米国など、世界中のプライベートコレクション。
■情報
【会期】2022年5月6日(金)〜18日(水)
【場所】日本ギャラリー(日本クラブ7階)
【住所】145 West 57th Street, 7th Floor, NYC
【時間】(月─金)午前10時〜午後6時 (土)午前10時〜午後5時 日休
【詳細】〈Eメール〉gallery@nipponclub.org〈ウェブ〉www.nipponclub.org
【入場】無料