世界初、女性キャストのみの出演
ことし20周年を迎えるブロードウェイのロングランミュージカル「シカゴ(CHICAGO)」の宝塚歌劇団バージョンが7月、リンカーンセンターで上演される。
7月20日から、リンカーンセンター
同作は、宝塚歌劇100周年を祝して2014年に制作され、日本で7万人を動員した、世界初女性キャストのみの「シカゴ」だ。宝塚歌劇団を卒業した歴代のトップスターら。
初演時、宝塚ならではの魅力で、ブロードウェイ関係者に印象付け、今回、毎年7月にニューヨークで開催される芸術祭「リンカーンセンター・フェスティバル」に宝塚歌劇OGバージョンが招待されることとなった。
世界30カ国以上で公演される名作
1996年、トニー賞で「最優秀リバイバル・ミュージカル作品賞」に輝き、今もなおブロードウェイで上演され続けている名作。これまでにトニー賞6部門、ローレンス・オリヴィエ賞2部門、グラミー賞を受賞。この人気は全世界に広がり、日本を含む30カ国以上、12言語で公演が行われている。
元トップスターが日替わりで出演
宝塚歌劇OGバージョンも、振り付けはブロードウェイで伝説的存在となった故ボブ・フォッシー氏によるもので、演出や舞台美術などは全てブロードウェイで上演されている「シカゴ」のクリエーティブ陣の手によってつくられた。
主演は宝塚歌劇の元トップスター、峰さを理、麻路さき、姿月あさとは巧みにヴェルマとロキシーを操る弁護士ビリー・フリンを演じ(トリプルキャスト)、和央ようか、湖月わたる、水夏希はヴェルマ・ケリー(トリプルキャスト)を、そして朝海ひかると大和悠河はロキシー・ハート(ダブルキャスト)を演る。(下記出演者スケジュール参照)今回の上演は、初の宝塚歌劇OGによるニューヨーク、リンカーン・センター・フェスティバルでの上演となり、また海外初の上演となる。
NY公演ではレビューショーも披露
今回のニューヨーク公演のためだけに、宝塚歌劇団の演出家、三木章雄氏が構成する特別なレビュー・ショー「タカラヅカ・アンコール(Takarazuka Encore)」が「シカゴ」終演後に披露される。このショーは、「シカゴ」のシンプルでモノトーンな雰囲気から、一気に色合い豊かで、ゴージャスな宝塚歌劇の世界へと観客を誘う。20分のショーの中には、宝塚の人気場面であるラインダンス、宝塚歌劇を卒業したからこそ魅せることができる、濃密でセクシーな男役と女役のダンスと歌、そしてフィナーレには花のある舞台にふさわしい羽根も登場する。ニューヨーク、そして世界に、100年以上の歴史を誇る宝塚歌劇を担ってきた歴代のスターたちが、世界の演劇の中心である、ニューヨークの由緒あるフェスティバルで、その伝統と歴史の華を開かせる。
同公演でヴェルマ役を演じる、元宙組トップスターの和央ようかのインタビュー記事はこちら。
★あらすじ★
1920年代のシカゴ。スターを夢見るロキシー・ハートは、キャバレーの専属歌手ヴェルマ・ケリーのステージを羨望の眼差しで見ていた。そんなロキシーはある日、ショーに売り込むとの約束を守らなかった愛人といさかいを起こし、ついに彼を撃ち殺してしまう。逮捕され留置所に送られたロキシーは、驚くことにあのヴェルマと出会った。彼女は不倫した夫と妹を殺した罪に問われていた。しかし、マスコミ操作に長けた辣腕弁護士ビリー・フィンのおかげで、ちまたでは一躍スター扱い。ロキシーも同じ手段でヴェルマ以上の注目を浴びようとビリーを雇うのだが…。
★出演者スケジュール★
●7月20日(水)午後8時
ビリー:峰さを理、ヴェルマ:和央ようか、ロキシー:朝海ひかる、ママ・モートン:初風諄
●7月21日(木)午後7時半
ビリー:峰さを理、ヴェルマ:和央ようか、ロキシー:朝海ひかる、ママ・モートン:杜けあき
●7月22日(金)午後7時半
ビリー:麻路さき、ヴェルマ:水夏希、ロキシー:大和悠河、ママ・モートン:初風諄
●7月23日(土)午後2時
ビリー:麻路さき、ヴェルマ:水夏希、ロキシー:大和悠河、ママ・モートン:杜けあき
●7月23日(土)午後8時
ビリー:姿月あさと、ヴェルマ:湖月わたる、ロキシー:朝海ひかる、ママ・モートン:初風諄
●7月24日(日)午後2時
ビリー:姿月あさと、ヴェルマ:湖月わたる、ロキシー:朝海ひかる、ママ・モートン:杜けあき
★公演情報★
「TAKARAZUKA CHICAGO」
〈劇場〉David H. Koch Theater(20 Lincoln Center Plaza)
〈チケット〉35ドル〜110ドル
〈ウェブ〉www.lincolncenterfestival.org/2016/takarazuka-chicago
(2016年6月18日号掲載)