日本人女性にはもっともっと恋愛をしてもらいたい
「ガチ!」BOUT. 180
ベルリン、カンヌ、ベネチアの世界3大映画祭に次ぐ北米最大級の映画祭「モントリオール世界映画祭」(8月21日〜9月1日)に正式招待作品として選出された映画「東京〜ここは、硝子の街〜」(監督・寺西一浩)。日本文学・三島由紀夫を研究する教授役で人間の心のもろさを狂気的・情熱的に演じた中島知子さん。今秋、日本での公開に先駆け同映画祭の開催地、カナダのモントリオールでワールドプレミア上映され、監督と現地入りした中島さんにお話を伺った。同作は来年5月、ニューヨークでの上映も予定されている。 (聞き手・高橋克明)
映画「東京~ここは、硝子の街~」モントリオール映画祭出品
昨日の初回上映で、観客と一緒にご覧になったとのことですが、ご自身で作品を観た感想はいかがですか。
中島 そうですね。やっぱり男の子が美しかったですねー。いい体でした。(笑)
(笑)。今回は非常にインパクトのある役柄でした。
中島 ちょっと変わった女教授の役だったんですけれど、最後まで、結局何者か分からないまま終わってる(笑)。なので、こっちに来て(外国人記者から)一体何者だったんだ? っていう質問は多かったですね。それについては「2、3回見ていただければ分かると思います」って答えてました。(笑)
確かに、もう一度見たくなる作品ですね。
中島 あ、本当ですか。どういうところがお好きでしたか。
正直言って、どこが好きなのか自分でも分からないんです(笑)。好きか嫌いで言うと、嫌いなシーンの方が多いかもしれない。でも翌日になっても各シーンのことを考えてしまうというか…。
中島 はー。ありがとうございます。それはちょっとうれしいですね。
特に劇中の中島さんは印象に残りました。ニューハーフの役でオファーが来た時はどう思いましたか。
中島 なったこともないし(笑)、ニューハーフの方の気持ちも分からないですから、「アタシで大丈夫ですか」ってお聞きしたぐらいだったんですね。ただ役柄的には変わった役なので、やらせていただけるのであれば、面白そうだなとは思いました。
撮影中、一番苦労されたことは何でしょう。
中島 着物でしたので、着慣れていないと所作が合わないんですよ。洋服での所作しか知らないですから。そこはちょっと苦労しましたね。最初は洋服だったんですけど、より日本らしさを出すために着物を急きょ着ることになったんですね。着物が好きになりました、はい。(笑)
海外の方にはこの作品のどこを観てほしいですか。
中島 うーん、そうですね…。東京には結構イケメンが多いよっていう(笑)。あと、今回、「東京」というタイトルに魅かれて観に来られた方が結構多かったみたいなんですよ。特にカナダは親日家の方が多いと聞いたので。なので、東京の景色を映像を通して見てほしいなとも思いますね。あとは、何て言うんですかね、友情よりも愛情に近い人間関係というのは思った以上に醜いところというか…。
はい。
中島 でも、友情より愛情を得ることの方が難しいと考えてる方は今、多いと思うんですよ。そういう方にはこの作品を観てもらうとちょっと安心できるんじゃないかなって思うんですよ。
この作品に出演したことで、ご自身は変化はありましたか。
中島 そうですね。この作品を観るまで、あんまり男の人同士の絡みって好きじゃなかったんですけど(笑)。ちゃかす意味でなく、今回、キレイだなと思いましたね。あぁ、男女間と変わらないんだなって。
なるほど。最後に在米の読者にメッセージをいただけますか。
中島 少子化を止めるためにも、日本人女性にはもっともっと恋愛をしてもらいたいですね(笑)。そのためにも良かったらぜひ着物を着てください。男の人からすると「えっ? 着物?」ってなるかもしれないけど、それでもアタシは普段の生活に取り入れてやろうと思ってるんですね。一つの女性のシンボルとして着る機会を増やしたいと思っています。
★ インタビューの舞台裏 → ameblo.jp/matenrounikki/entry-11915877309.html
中島知子(なかじま ともこ) 職業:女優、タレント
1971年8月26日、京都府生まれ。大学在学中、スカウトされ芸能界入り。93年お笑いコンビ「オセロ」を結成し、デビュー。芸人としての活動に加え、司会や女優としても活躍。休業を経て、現在は女優やジャズシンガー、コメンテーターなど、マルチな活動をしている。現在、火曜日のTOKYO MX「バラいろダンディ」にレギュラー出演中。
公式ブログ:ameblo.jp/tomoko-ni-yorosiku
作品紹介
「東京~ここは、硝子の街~」
小説家やプロデューサーとしても活動し、2012年に初監督作「女優」も発表した寺西一浩の監督第2作で、大都会・東京を舞台に描かれるボーイズラブサスペンス。大学院生でモデルでもあり、新宿2丁目でバーを経営しているトオル(木村敦)は、ある日、ヨン(JK)という韓国人男性と出会い、恋に落ちる。同じころ、20年前に起こったある殺人事件に不可解な点を見出し、その謎を追い続けてきた若山刑事(大鷹明良)は、トオルのゼミの教授、赤木春子(中島知子)と、20年前殺された須田春子の息子の恋人、本間祐介(藤岡信昭)にたどりつく。
公式サイト:www.tokyo2014.com
〈インタビュアー〉
高橋克明(たかはし・よしあき)
専門学校講師の職を捨て、27歳単身あてもなくニューヨークへ。ビザとパスポートの違いも分からず、幼少期の「NYでジャーナリスト」の夢だけを胸に渡米。現在はニューヨークをベースに発刊する週刊邦字紙「NEW YORK ビズ」発行人兼インタビュアーとして、過去ハリウッドスター、スポーツ選手、俳優、アイドル、政治家など、400人を超える著名人にインタビュー。人気インタビューコーナー「ガチ!」(nybiz.nyc/gachi)担当。日本最大のメルマガポータルサイト「まぐまぐ!」で「NEW YORK摩天楼便り」絶賛連載中。
(2014年9月20日号掲載)