またNYに戻ってきて恩返ししたい (小嶋陽菜)
「ガチ!」 BOUT. 209
今年で9年目を迎えた日米文化交流イベント「JAPAN DAY @ セントラルパーク」に出演するため、日本からアイドルグループ「AKB48」の小嶋陽菜さん、武藤十夢さん、岩立沙穂さん、大島涼花さん、野澤玲奈さん、平田梨奈さんが来米。パフォーマンスプログラムの大トリに登場し、5000人以上を前に「ヘビーローテーション」「恋するフォーチュンクッキー」など大ヒットした5曲を披露した。ステージの直後、6人にお話を聞いた。(聞き手・高橋克明)
Japan Day、NYで熱唱
先ほど、セントラルパークでのライブが終わりました。お疲れさまでした。
一同 はい、お疲れさまでしたー。
ニューヨークでの初ライブ。現地のニューヨーカーを前にいかがでしたでしょう。
野澤 私、実は初めてのニューヨークで、セントラルパークっていう場所にもすごい憧れていて、そんな場所でパフォーマンスできるなんて夢みたいで。それプラス、たくさんのファンの皆さんが集まってくださって。正直、ここまで来てくださるなんて想像もしてなかったので、本当にうれしかったし、ビックリしました。絶対、また戻ってきたいなっていう気持ちになりました!
岩立 ステージの正面にもすごく多くのファンが来てくださったんですけど、両脇のすごく遠い所からも見てくださってる方もいて、私たちが来ることを楽しみに待っててくださったんだなって感じました。歌も一緒に歌ってくださったり、名前も叫んでくださったり。まさか、あのアメリカの、あのニューヨークで、そんな声援をもらえるなんて思わなかったので余計にうれしいです。
武藤 私はニューヨークどころかアメリカも初めてで。言葉も通じない人たちの前でするパフォーマンスにちょっと不安もあったんですけど、でもいざステージに立つと、本当にたくさんの方が声援を送ってくれて。コールもしてくれたし、うちわやタオルや、あと写真集までも持ってくれている人も中にはいて…。何か…(日本から)遠い所だけど、つながってくれてるんだなって。それが伝わって、すごくうれしかったです。
大島 ファンの人の熱さにすごく驚きました! まさか初めて来たニューヨークで、自分の名前を叫んでくれる人がいるなんて思ってもみなかったので、ファンの温かさを感じられて…。あと、サビを日本語で歌ってくださったり、「(恋する)フォーチュンクッキー」の時は「おにぎりー♪」って日本語でコールしてくださったのはとってもビックリしました。(笑)
平田 私はアリゾナ出身で、ニューヨークからは遠いんですけど、でも、何かホームに帰ってこられた感じで、ここでパフォーマンスできてうれしかったです。以前、ワシントン(DC)でイベントさせていただいた時も感じたんですけれど、やっぱり応援の仕方も違うんだなぁ、って。やってて楽しかったです。
小嶋さんの場合は2009年に一度ニューヨークでのライブを経験されていますよね。
小嶋 そうですねー。もう残ったメンバー、いない…。(笑)
当時と比べていかがでしたか。
小嶋 今回、すごく楽しかったです! 6年前の時にも感じたんですけど、応援のスタイルが日本のファンのとすごく違くて、その時はそれがすごく新鮮だったんですけれど、今回はその時を思い出して、何か初心に戻れたというか。
6年前のライブも行かせていただいたのですが、
小嶋 あ、ホントですか!?
その時も超満員でした。
小嶋 スゴく盛り上がってくれたので、とても温かい場所だなぁって思ってたので、それを(今回)また思い出した感じ。あの時とメンバーも規模も変わったんですけれど、でも、何か、変わらないこともあるなって。それをすごく感じましたね。それに、日本の方以外に、どうしたら伝わるかなーとか考えたのも久しぶりだったのですごく貴重な経験になりましたね。
Japan Dayは今年9回目で、AKBのステージは過去最大の観客数でした。
武藤 えー、そうなんですかー。
岩立・大島 うれしー。
平田 ありがたいです。
小嶋 でも、また来たいです! 去年は(ニューヨークの皆さんが)踊ってくださって(注)、今年は本当に来られたので、こういうつながりを大切にしたいです。
先ほどから日本の応援の仕方とこっちのソレが違うとおっしゃられていますが、具体的にはどう違うんでしょう。
平田 なんて言うんだろう。盛り上がり方が、イェーイ! とかじゃなくて、フゥー!とか、新鮮。(笑)
小嶋 日本の人ってシャイじゃないですか。こっちは、言う事、全部に盛り上がってくれる。何を言っても大丈夫みたいな。(笑)
武藤 ステージ上だけでなくて、普通にお買い物とかしてる時でも、すごい話し掛けられるよね。(笑)
岩立 そう! 街中とかでも、そんな感じ。(笑)
武藤 衣装かわいいね! とか言われたんです。
衣装…?
岩立 この衣装のままいろんな所を観光してて、自由の女神とかも行ったんですけど、
武藤 「かわいいね! その衣装」って何人も声を掛けてくれて。日本だったらあり得ないなって思いました。(笑)
あ。日本ではないですか。(笑)
武藤 思ってても絶対、話し掛けてはくれないですよ。
野澤 ここまで気さくにフレンドリーで、話し掛けてもらえることはないですね…。皆さん、すごい楽しい人だなぁって思いました。
ステージ上から見ても、その気さくさは伝わってきましたか。アメリカ人が多かったと思うのですが。
平田 いろんな(人種の)方が多かったですね。アメリカっていろんな国のいろんな人種の方がいる場所だと思うので、そういう人たちがいっぱいいたかな。
野澤 もちろん、こっちに住んでる日本の方もちらほら見えて、日本に住んでないのに、観に来てくださったんだなぁ、すごいうれしいなぁって思いました。
ここ最近、ニューヨークの日本人社会は皆さんが来ることで話題が持ち切りでした。(笑)
小嶋 だって、昨日、会う人会う人、「明日、あるんだよね」「明日、頑張ってね」って言われて。お寿司(すし)屋さんとか。運転手さんとか。
(笑)
小嶋 それで今回はスゴいイベントなんだなって思い知らされて。(笑)
今回はステージ上で皆さん英語であいさつもされましたが、かなり練習されましたか。
武藤 この二人(野澤、平田)が教えてくれました。どう言えばいいの? って聞いて。
野澤 (3カ国語のうち)一番得意なのが英語なんです。日本語は2番目。(笑)
岩立 とにかく自分の伝えたい事だけは、ちゃんと練習しようって。
シェイク・シャックが好きです! って英語で言っただけで、あんなに盛り上がりました。
小嶋 そう! 日本じゃ考えられない(笑)。フゥー!ってどういうことだろ、みたいな。(笑)
今回のニューヨークライブを経て、帰国後の今後のパフォーマンスに変化はあるでしょうか。
小嶋 日本と違ってあまり情報もない中、いろいろ調べて来てくださった方もいると思うんです。なので、逆に日本でのお仕事も一つ一つ大事にしなきゃなって気持ちになりました。で、またここに戻ってきて恩返ししたいなって。あとは次回までに英語を勉強しようと…思うんですけど、帰るとすぐ忘れちゃうんです。(笑)
平田 海外でステージをするっていうのは、初めて私たちを見てくださる方も当然いるじゃないですか。そういう人たちにも、今後も気になってもらえるような存在でいたいです。「AKBもっと調べよう」みたいな。何か、難しいけど…うん、変わる気がします。
最後に、皆さんの今回のプライベートでのニューヨークの思い出を聞かせてください。
小嶋 前回来た去年の冬は、もう氷点下みたいな時で、お買い物が全然できなかったので、その分、今回はいろんな場所でしました(笑)。私はミートパッキングエリアが、大好きなんですね。カフェがすごくおしゃれで、グリーンがいっぱいあるようなオープンテラスがいっぱいで。
野澤 自由の女神をフェリーに乗って見に行ったんですけど、ボートのスピードがビュンビュン速くて。それがスゴい楽しかったです(笑)。あとは、まだ行ってないので時間があれば博物館に行きたいです。
岩立 私は映画が好きなので、「ティファニーで朝食を」のティファニー本店に行ってみたいです。今年20歳になったので、記念に何か買って帰りたいなって。あとは「ナイトミュージアム」の(アメリカ)自然史博物館にも行きたいです!
武藤 私は、空港からバスに乗って初めて降りたのがタイムズスクエアだったんですけど、映画やテレビで見てた景色がそのまま広がっていて、もぉう、それが印象に残りすぎて。前にみんなで撮った(プロモーション)映像がタイムズスクエアのモニターで紹介されたっていうのを聞いて、こんなとこに、私たち出たんだ!って。それが何よりうれしかったです。
平田 私は、MoMA(ニューヨーク近代美術館)。絵を描くのすごい好きで、絵を見るのも好きなので、いつか必ず、MoMAに行きたいなって。
大島 私はそうですね、アメリカのドラマとか映画に出てくる、普通の住宅地に行きたいです。アメリカの。
一同 (笑)
住宅…地…ですか?
大島 はいっ!(笑顔)。何かお庭が広くっていいなぁって、行きたいなぁって。そういう所に住みたいなって。
一同 住んじゃうの!?(笑)
あ…でも…分かる気が…しま…す……スミマセン。やっぱり、しないです。(笑)
大島 あの、噴水とか。芝生とか。そういうの見たいなって。(笑)
なるほど。最後に代表して、小嶋さん、ニューヨークに住んでいる日本人にメッセージをいただけますか。
小嶋 今回、本当にたくさんの日本の方がこの街でも応援してくださっているのが分かったので、またAKBとしてこの街に戻ってきたいって思いました。また必ずライブをしに来るので応援よろしくお願いします!
(注)昨年のJapan Dayでは、特別企画として「AKB48」の大ヒット曲「恋するフォーチュンクッキー」ニューヨークバージョンのミュージックビデオを制作。市内観光名所で一般有志が集い撮影され、イベント当日もステージプログラムのフィナーレとして何千人もの来場者が参加しての撮影が行われた。再生が90万回を超えた動画はgoo.gl/zeeXNZで視聴可能
★ インタビューの舞台裏 → ameblo.jp/matenrounikki/entry-12029226103.html
AKB48(エーケービー フォーティエイト) 職業:女性アイドルグループ
秋元康氏のプロデュースにより、2005年12月8日に誕生。東京・秋葉原に専用劇場「AKB48劇場」を持ち、「会いに行けるアイドル」をコンセプトとしてチームごとに日替わりでほぼ毎日公演を行うことを特徴としている。09年ごろからテレビ番組・CM出演が増加し、一般的な知名度を上げている。所属メンバーは研究生を合わせて100人近い大所帯で、ギネス世界記録に認定されている。13年現在、姉妹グループとして日本国内にSKE48・NMB48・HKT48、日本国外にJKT48・SNH48があり、姉妹グループの総称として「AKB48グループ」・「AKBグループ」とも称されている。
公式サイト:www.akb48.co.jp
〈インタビュアー〉
高橋克明(たかはし・よしあき)
専門学校講師の職を捨て、27歳単身あてもなくニューヨークへ。ビザとパスポートの違いも分からず、幼少期の「NYでジャーナリスト」の夢だけを胸に渡米。現在はニューヨークをベースに発刊する週刊邦字紙「NEW YORK ビズ」発行人兼インタビュアーとして、過去ハリウッドスター、スポーツ選手、俳優、アイドル、政治家など、400人を超える著名人にインタビュー。人気インタビューコーナー「ガチ!」(nybiz.nyc/gachi)担当。日本最大のメルマガポータルサイト「まぐまぐ!」で「NEW YORK摩天楼便り」絶賛連載中。
(2015年5月23日号掲載)