〝カワイイ〟と〝メタル〟を融合した新しいジャンルを作りたい
「ガチ!」BOUT. 193
2010年の結成以来、圧倒的なパフォーマンスで活躍の場を広げてきたBABYMETAL(ベビーメタル)。ジャンルだけでなく、今や国境を越え、今年はパリ、ケルン、ロンドン、ロサンゼルスで単独公演を成功させた。さらには、レディー・ガガの北米ツアー5公演のサポートアクトに抜てきされるまでに。先月、ニューヨークでの初の単独公演の翌日、3人にお話を伺った。 (聞き手・高橋克明)
NYライブ大盛況
あの…イキナリですけど、皆さん顔ちっちゃいですね…。
SU-METAL(以下・SU) イヤイヤイヤイヤイヤ。(笑)
MOAMETAL(以下・MOA) そんなことないDEATH。(笑)
昨夜は本当にお疲れさまでした。ニューヨークライブ、大盛況でした。
SU ありがとうございます。ニューヨークでライブをするのは初めてだったので、まずどんな方が来て、どんなライブになるのかなぁって最初はスゴい不安もいっぱいだったんですけど、でも、ライブが始まる前から(客席が)盛り上がってくださってるのが楽屋から聞こえてきて、もう、それがビックリで。うれしくって。
YUIMETAL(以下・YUI) で、実際のライブが始まったら、本当にたくさんの合いの手や、一緒に歌ってくださったりする方も多くて、とっても楽しかったなーっていう印象DEATH。
観客のほとんどが現地のニューヨーカー、というかアメリカ人でした。
MOA はい! びっくりしました。
SU すごかったよね。お客さんの顔が(ステージ上から)ちゃんと見えるので。
YUI 2階席まで見えました。
そして、アメリカ人の観客が一緒に日本語で歌ってましたね。
SU 「紅月―アカツキ―」っていう私のソロ曲があるんですけど、日本人でも難しい歌詞だと思うんですけど、それを海外の方が一生懸命覚えてくれて一緒に歌ってくださるってことに、すごく感動しました。
最初にニューヨークライブが決まった時はどんなお気持ちでしたか。
SU サマーソニックっていうフェスに出させてもらった時に、コンサート真っ最中に告知があったんですよ! 私たち、何も知らされてなくて、で、(会場の)VTRの最後にポン! って一瞬だけ字幕で発表されて(笑)。ちょうど私たち休憩してて「へ?」みたいな感じになって。(笑)
MOA そうそうそう。(笑)
その時に知ったんですか。(驚)
SU そうなんです! 「うそ? うそ? うそ?」って(笑)。その時は結構大変で、MOAMETALと私は一緒にVTR観てたんですけど、YUIMETALは知らなくて「え? ウソでしょ」「え? え?」って話がかみ合わなくて、でもそのまま「出なきゃ! 出なきゃ!」って言いながらステージに戻りました(笑)。発表された瞬間はもうビックリした気持ちでいっぱいだったんですけど、でも、5月にニューヨークに来た時に、街並みとか人の温かさに触れて「また行きたいな」って思ってたので、決まった時は、やっぱりすごくうれしかったですね。
YUI サマーソニックのイベントのVTR中にお客さんと同じタイミングで知ったので、本当にビックリしたんですけど、でも、すっごく、すっごく、うれしかったDEATH! 5月に来た時にこの街の人ってやさしいなって思ってたので。あそこでライブしたらどんな方が来てくれるんだろうってワクワクした気持ちになりました。すっごいドタバタでしたけど。
ライブってそんな感じで本人たちに知らされるもんなんですか。(笑)
SU いや、毎回なんですよ。
MOA 毎回そうですね。
SU いつもだよね?
YUI ワールドツアーもその場で知ったし。
あ。そういう方向性なんですね(笑)。でも、結局、こなしちゃうんですね。
一同 (笑)
今年春に実現したレディー・ガガとの共演は非常に話題になりました。
MOA MOAMETALは今年の5月にニューヨークでレディー・ガガさんのライブを拝見させていただいて、身をもって感じたのが「ライブに言葉って関係ないんだな」って。レディー・ガガさんの歌は英語なので全然分からないはずなのに、それでも伝わってくるものがあって。音楽は世界共通なんだなってあらためて思ったんですね。なので、今回、ニューヨークでライブをすることが決まった時に、今度は発信する側として、(日本語だとしても)思いを届けられたらいいなって思いました。
SU レディー・ガガさんの曲と、BABYMETALの曲ってジャンルが全然違うじゃないですか。だから最初はお客さんに受け入れてもらえるのか不安でした。で、最初にサポートアクトをやらせていただいた時に、お客さんも「なんだこの子たち?」みたいな「?」マークが浮かんでるような感じだったと思うんですけど、でも、回を重ねていくうちに、だんだんお客さんも面白いなって思ってくださるのがすごい伝わってきたんですね。一度、舞台裏のスタッフさんが「すごい良かったよー」って言ってくださったんですよ。それをスゴく覚えてますね。
MOA 5回、一緒にやらせていただいて。最後はバックダンサーの方と一緒に準備運動もさせてもらったりとか(笑)。(ガガさんだけでなく)周りのスタッフさんもみんなフレンドリーだったんですよ。
うれしそうですね。(笑)
MOA はい!(笑)。
実際にお会いしたガガさん自身はどんな方だったでしょう。
SU ライブの前にガガさんと直接会って4人でお話したんですけど、優しくアドバイスまでいただいて。こっちはスゴく緊張してたのに、温かく話しかけてくださって、3人とも英語ができないのに、一生懸命言ってることを分かってくれようとしてくださって。とにかく優しい方だったんですよ。
YUI あとサポートアクトの最中、「ギミチョコ!!」歌ってたんですけど、踊ってる最中に舞台袖を見たら、ずっと見守ってくれてて!
MOA 袖を見たら、レディー・ガガさんがいて、「うわっ!」みたいな。(笑)
それは驚きますね。(笑)
YUI ホントに優しい方でした。
やはり日本でのステージと海外で違いは感じられますか。
SU 日本だと合いの手を皆さんが一緒に合わせてくれる感じなんですけど、こっちでは一緒に歌ってくれる感じですね。全部、一緒に楽しむっていうのが、印象的には強いかもしれないです。
ニューヨークのステージは楽しかったですか。
一同 (声をそろえて)はい! すっごく。
また戻ってきていただけますね。
一同 (声をそろえて)ぜひ!
最後に在米の読者にメッセージをいただけますか。
SU はい。いつも心掛けているのは“今まで通り頑張ろう”ってことで、何か特別なことをするっていうのも大切だとは思うんですけれど、今まで通りのBABYMETALらしさを届けたいなって。ニューヨークの皆さんにもありのままのBABYMETALの良さを届けられてたらいいなって思ってます。この街に来て、皆さんの温かさを感じることができたので、ぜひ、また来たいです。その時をぜひ、皆さん楽しみにしててください!
MOA 私は“カワイイ”と“メタル”を融合した新しいBABYMETALっていうジャンルを作りたいなって思っていて。なので、これからも私たちは自分たちにしかできないことをしていきたいなって思ってます。今回ニューヨークで、ライブをすることができて、すごく幸せだったので、またぜひ、皆さんに会いに来たいって思っています。
YUI BABYMETALって他のグループと違って、「自分たちらしさ」が曲にもダンスにも出てるので、もっとたくさんの方に知ってほしいなって思ってるんですね。これからも3人でパフォーマンス力を上げて、一人でも多くの人に届けられるように頑張りたいです。ニューヨークにもまた戻ってきます。
★ インタビューの舞台裏 ★ → ameblo.jp/matenrounikki/entry-11948815364.html
BABYMETAL(ベビーメタル) 職業:アイドルメタルユニット
2010年「アイドルとメタルの融合」をテーマにユニットを結成。ユーチューブで公開された「ド・キ・ド・キ☆モーニング」のミュージックビデオには「なんじゃこりゃぁあ!!」と衝撃を受けた多くのコメントと共に海外からのアクセスが殺到し、その存在は日本だけでなく、北米、南米、欧州、アジアなど海外にも飛び火している。2014年2月には1stアルバム「BABYMETAL」をリリースし、米ビルボードチャートにもランクインし、同年夏には初のワールドツアーを成功させる。ジャンルや国を越えて注目され始めているBABYMETALは、ナンバーワンじゃなくてオンリーワンの道を追求していく。公式サイト:babymetal.com/
〈インタビュアー〉
高橋克明(たかはし・よしあき)
専門学校講師の職を捨て、27歳単身あてもなくニューヨークへ。ビザとパスポートの違いも分からず、幼少期の「NYでジャーナリスト」の夢だけを胸に渡米。現在はニューヨークをベースに発刊する週刊邦字紙「NEW YORK ビズ」発行人兼インタビュアーとして、過去ハリウッドスター、スポーツ選手、俳優、アイドル、政治家など、400人を超える著名人にインタビュー。人気インタビューコーナー「ガチ!」(nybiz.nyc/gachi)担当。日本最大のメルマガポータルサイト「まぐまぐ!」で「NEW YORK摩天楼便り」絶賛連載中。
(2014年12月6日号掲載)