【独占インタビュー】歌手 クリスタル・ケイ

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Crystal Kay(

BOUT. 331

歌手 クリスタル・ケイに聞く

デビュー25周年自身初のUSツアーに挑む

昨年デビュー25周年を迎えた歌手のCrystal Kay(クリスタル・ケイ)さんが、8月17日のアトランタでのライブを皮切りに、自らのルーツでもある米国で自身初の全米ツアーに臨んでいる。J─POPだけにとらわれず、R&B、HIP HOPなど多様性を広げる「CKサウンド」を確立。人種、性別、年齢を超えたアーティストへとさらなる進化を遂げているクリスタルさんに、全米ツアーに向けての思いを伺った。 (聞き手・高橋克明)

ニューヨークでのライブが迫っています、今の率直なお気持ちは。

クリスタル・ケイ ドキドキが止まらないですね。すごい古い歌詞みたいな感じですけど(笑)。ドキドキしてますね。

それはご謙遜というか本当は全然緊張され…。

クリスタル・ケイ してますよ! 毎回ドキドキします。

ライブ前はどこであったとしてもやっぱり緊張感が、

クリスタル・ケイ ありますね、はい。でも楽しみの方が大きいですけど。

ずっと希望されてた初の全米ツアーということもありますし。

クリスタル・ケイ そうですね。ちっちゃい頃から歌や音楽って世界をつないでるものだと思ってたし、親がいろんな音楽を聞かせてくれて音楽は国境がないって感じていたので、私も大きくなったら世界中で歌いたいってずっと思ってたので。
今は時代が変わってストリーミングで一気に世界に配信されるようになって、描いていた世界にどんどん変わっているので、もちろん目標としてワールドツアーは誰でも夢見ることで、それはできたら本当にうれしいですけど、一歩ずつっていう感じだと思います。
たまたま今回の25周年、26年目に突入するタイミングでアメリカツアーが現実になったので、ちょっとびっくりしてますね。このトライできるチャンスが来て、めちゃくちゃうれしいです。ここから少しずつ何かにつなげていけたらなって思いますね。

デビューして25周年。早かったでしょうか、長かったでしょうか。

クリスタル・ケイ 全部ですね(笑)。最近、若い世代のパフォーマーとかアーティストの方たちに「親と一緒に聞いてました」とか、「自分25歳です」とか声掛けられることが多くて、1人の人間が大人として出来上がる時間なんだなって(笑)。すごい、なんて言うのかな…すごいな、って。(笑)

確かに!

クリスタル・ケイ 形になってこうやって見えるっていうか。だからそういう人に会うときに改めてすごい年月なんだなって感じます。

ただ、25周年といってもデビューが13歳なので、まだまだこれからというか、スタートというか。

クリスタル・ケイ そうなんですよ。まだまだだなっていう感じはします。それに、そういう質問される時その都度その都度、感じ方が違いますね。学生の時は長いって感じたり、今は一区切り終わった感じがします。いま39歳でまだ自分も成長してるので、めっちゃ濃い25年間だったなって感じます。

その中もやはりニューヨーク会場は特別ですか。

クリスタル・ケイ 特別ですね。盛り上がりはもうすごいはずですし。9年ぶりなんですよ、ニューヨーク行くの。

(以前)住んでいた時ぶり。

クリスタル・ケイ そうです。初めてライブをやったのもニューヨークのロックウッドっていう所で。そこから今度はライブバンドを率いて、大きい会場でやるのもめっちゃスペシャルな感覚ですね。

ステージ上のパフォーマンスは日本のライブ時とは変えますか。

クリスタル・ケイ ニューヨーカーってすごくノルし、踊るし、歌うのでセトリ(セットリスト)もどれだけ盛り上げられるかっていう感じで、考えますね。今回(の会場)もオールスタンディングなので、なるべく一緒に踊れて、歌えてって感じの1時間半にしたいですね。

確かにニューヨーカーの観客席は世界一かもしれないですね。

クリスタル・ケイ だってバラードでもキャーキャー言ったりしてるもん(笑)。日本の方だとゆっくり静かにちゃんと聞いてくれますよね。楽しみ方のカルチャーは違うと思う。

どちらがやりやすいでしょう。

クリスタル・ケイ どっちがやりやすいだろう。でもアメリカの方が気は楽なのかな。その時その時に素直で言葉もダイレクトで。結構ラフな感じでも、コネクトすれば全然アリって感じはあるかもしれないですね。

以前住んでいたニューヨークという街は特別ですか。

クリスタル・ケイ 特別です。もちろんアーティストとしてチャンスをつかみたいっていうのが目的で行ったんですけど、それ以上に自分のアイデンティティーと向き合う、本当に大事な期間でしたね。それがなかったら、今ちょっと違うかもしれないです。日本にそのままいたら、気づけなかったことだったと思う。自分のアイデンティティーをもっと特別に思った方がいいんだって。みんなと違うからその違いを大切にしなきゃいけないって、いうふうに感じられたので。日本にいたら、そういうことも掘り下げず、ちっちゃいところに固まってたんだろうなって思います。

人生の分岐点と言ってもよかった滞在ですね。

クリスタル・ケイ 人間として自分のキャパをこじ開けられた機会だったと思います。出会いもすごくたくさんあったので、それが今少しずつ芽になってきてもいて、すごい大切でした。

ライブ以外のプライベートな時間でしたいことはありますか。

クリスタル・ケイ 散歩したい。歩きたいです。めっちゃ楽しいんですよ、ニューヨークって人間ウオッチングが。ニューヨークはアメリカで唯一歩ける街だから、すごく肌で何かを感じられると思う。9年ぶりなので、だいぶ変わってる部分もあると思うけど、それ(街の変化)も肌で感じたいですね。

26年目に入りました。この先のクリスタルさんのゴールを教えてください。

クリスタル・ケイ そうですね。もちろんずっと歌っていきたい。そして、今回みたいにやっぱり日本以外でもいろいろな場所でパフォーマンスをしていきたいって思います。あとは、最近「姉さん」って呼ばれ始めてるので(笑)、私がデビューした時にはロールモデル(道標になる人)がいなかったから、自分がそっち側に入ってきてるので、次の若い世代の子たちを育てて、プロデュースする側にシフトしていくと思います。そうやって次の世代をサポートできたらいいなとも思います。

ライブに来てくれる読者にメッセージをいただけますか?

クリスタル・ケイ 日本でのライブとの違いは、2000年代初期のBlack Musicとかオーディエンスもみんな好きなのでその辺もいろいろとサプライズも入れつつ、カバーも加えているので日本では見られない内容のライブにしてます!今回は現地の凄(すご)腕ミュージシャンたちとのスペシャルなバンドなので、絶対に良いSHOWになります。最高の時間にするので、楽しみに来てください。「This is all so crazy,」というか、普通に自分の日本語の曲をメインで歌うので、多分みんな合唱できると思うので。あとは日本のライブとちょっと違って、距離感も近いと思うので、「Get ready to have a good time!」っていう感じです。

ckay25thetour

◆全米ツアー◆
自らのルーツでもある米国で現地の凄腕ミュージシャンら(マライア・キャリーやパティ・ラベル、スヌープドッグなどのバンドメンバー)との3ピースバンドセットにて全米ツアー中。8月17日から30日、トロント(カナダ)含めた7都市7公演で全米ツアーを敢行する。ニューヨークでは21日(木)、ライブハウス「Racket NYC」でライブを行う。

【USツアー詳細】www.wearekonnectd.com/ckay25thetour

8月17日(日)アトランタ @ Terminal West
8月19日(火)ワシントンDC @ Pearl Street Warehouse
8月21日(木)ニューヨーク @ Racket NYC 〈住所〉431 W. 16th St(https://racketnyc.com
8月24日(日)トロント @ El Mocambo(チケット完売)
8月26日(火)シカゴ @ LiveBash
8月28日(木)ロサンゼルス @ The Miracle Theater
8月30日(土)ダラス @ Southside Music Hall

ALL TIME BEST 25th Anniversary

ALL TIME BEST 25th Anniversary

Crystal Kay(クリスタル・ケイ) 職業:歌手
1999年「Eternal Memories」でデビュー。2002年10月に発売した3rdアルバム 『almost seventeen』(オリコンチャート初登場2位)に収録された「Boyfriend -partⅡ-」「恋におちたら」 などのヒット曲で大ブレイク。J-POPだけにとらわれず、R&B、HIP HOPなど多様性を広げ「CK サウンド」を確立。人種、性別、年齢を超えたアーティストへと更なる進化を遂げている。

近年は19年・22年に(日本で)上演されたブロードウェイミュージカル「ピピン」に出演、第27回 読売演劇大賞 優秀⼥優賞受賞。23年には映画「⽩鍵と⿊鍵の間に」への出演、24年8月~9月には日米合作ブロードウェイミュージカル「RENT」に出演するなど、演技にも力を入れているほか、バラエティー番組に多数出演するなど、さらに活躍の場を広げている。

24年7月1日にデビュー25周年を迎え、11月に最新曲「Love Myself」をリリース。12月には地元・横浜 KT Zepp Yokohama にて、25周年LIVE「CK ニーゴー~25 TH ANNIVERSARY」を開催。韓国から、BoA・日本からはm-floがゲスト出演し、満員御礼の大盛況でファンと共に25周年をお祝いした。25年6月に初のオールタイムBEST盤「ALL TIME BEST 25th Anniversary」をリリース。8月からは、自身初のUSツアーに挑む。

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〈インタビュアー〉
高橋克明(たかはし・よしあき)
専門学校講師の職を捨て、27歳単身あてもなくニューヨークへ。ビザとパスポートの違いも分からず、幼少期の「NYでジャーナリスト」の夢だけを胸に渡米。現在はニューヨークをベースに発刊する週刊邦字紙「ニューヨーク Biz!」発行人兼インタビュアーとして、過去ハリウッドスター、スポーツ選手、俳優、アイドル、政治家など、1000人を超える著名人にインタビュー。人気インタビューコーナー「ガチ!」(nybiz.nyc/gachi)担当。日本最大のメルマガポータルサイト「まぐまぐ!」で「NEW YORK摩天楼便り」絶賛連載中。DMMオンラインサロン「NEW YORKを日常に! 高橋克明のCLUBニューヨーク」も展開中。

(2025年8月23日号掲載)

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