グランドセントラル駅構内にある「グランドセントラル・オイスターバー(Grand Central Oyster Bar)」は、新型コロナウイルスの影響で経営不振を理由に再び一時閉店した。
同店は約7カ月ぶりの9月30日に、ニューヨーク州の規定に従い、テイクアウトと人数制限した店内飲食を再開していた。当日は待ちに待った開店ということもあり、長蛇の列となっていたが、12日後には再び一時閉店に追い込まれた。
107年の歴史を持つ同店は、ニューヨーク市内中心部の駅構内にあり、観光客やビジネスマンなどに多く利用されていた。店内席は全部で440席あり、感染予防徹底のため客数を25%に抑えて営業していた。
広報担当者によると、観光客の減少に歯止めがかからない現状やリモートワークの普及などから、通勤者の数も元に戻る見通しも立たない。高額な家賃の支払いなども含めたコストを考慮すると、レストランの経営を立て直すことが困難だと判断した。現在のところ、再々開の目処は立っていない。
同店は、1913年のグランドセントラル駅舎の完成と同時に営業を開始した。当初から、カキを中心としたシーフードメニューが人気で、時代を超えて現在まで多くの人々から愛されていた。
同州のトム・ディナポリ会計監査官によると、悪くすれば、市内の半数ほどの約1万2000件の飲食店が閉店・廃業に追い込まれ、約16万人もの雇用が失われる懸念があるとしている。
(2020年10月24日号掲載)