1200万人の道場生が所属する国際空手道連盟極真会館。その国際大会である「オールアメリカンオープン国際空手道選手権大会2018」が6月23日、ニューヨークのジョン・ジェイ・カレッジ内体育館で開催された。男子はアレハンドロ・ナバロ選手(スペイン)が優勝。女子では佐藤七海選手(東京)が優勝した。〈写真はいずれも=6月23日、ニューヨーク。撮影:工藤〉
23回目となる同大会は日本・欧州・ロシア・南米・オセアニア・アフリカなど世界各国から強豪選手が出場するハイレベルな大会。来年秋に日本で開催される4年に一度の世界大会を目前に、熱い闘いが繰り広げられた。
優勝したナバロ選手は、米国のダニエル・ミリセビッチ選手と決勝で対戦し、判定勝ちで大会を制覇。ベテランの圧倒的強さを見せ、準優勝だった昨年の雪辱を果たした。
また例年より多くの日本勢が参加した。徳田寛大選手(大阪)が準決勝でナバロ選手に敗れたものの3位に入賞。石塚悠太郎選手(鹿児島)も6位に入賞した。
女子の部では佐藤選手が軽量級で優勝し、各階級優勝者で争う「YOKOZUNA戦」の決勝で中量級優勝者マリア・ヤスコ選手(ポーランド)を判定で下し、オールアメリカン初出場にして初優勝に輝いた。試合直後、佐藤選手に観客席からは大きな拍手が沸き起こった。また中量級に出場した小田幸奈選手はヤスコ選手に敗れたが準優勝となった。重量級では米国のアリス・ベノウタス選手が優勝した。
「ベテランの力を発揮」
国際空手道場連盟極真会館国際部長・五来克仁師範が総括
大会を終え、国際空手道場連盟極真会館国際部長・五来克仁師範=写真=は「優勝したナバロ選手がベテランの力と巧みさを全て発揮して、若手を抑えた形となりました。日本勢男子では、若手が健闘しつつ最終的に経験ある選手に負けましたが、海外で時差のある中闘い、技術的にも精神的にも良い勉強になったのではないかと期待しています。また、女子の佐藤選手は子供のころから優秀な実績を持つ選手です。それでも初の海外で見事にYOKOZUNA戦も優勝し、素晴らしかったと思います」と総括した。
YOKOZUNA戦を制した佐藤七海選手
観客の応援、すごくうれしかった
23日に行われた、極真オールアメリカン2018。日本からも多くの選手が参加したが、中でも女子の部では、初出場の佐藤七海選手(城西国分寺支部)が優勝という快挙を成し遂げた。
少女のころから勝ち続け、今年4月に日本で行われた世界女子重量制大会軽量級で優勝するなど既に実績を持っていた佐藤選手だが、軽量級で優勝した後、重量別の優勝者が最後に闘うYOKOZUNA戦の決勝で中量級優勝者マリア・ヤスコ選手を見事に破り、頂点に輝く。ヤスコ選手は2年前にオールアメリカン大会重量級で優勝しており、減量して中量級で優勝した。身長差17センチ、体重差は11キロという体格の差にもかかわらず、果敢に攻めて判定で勝利を収めた佐藤選手をたたえ、会場にスタンディングオベーションが起こり、鳴り止まない拍手が続いた。
一問一答
─今の感想を教えてください。
七海 優勝できて気持ちがいいです。指導してくれた川崎(雅央)先生も来てくれて、感謝の気持ちでいっぱいです。
─決勝を闘ったヤスコ選手はどうでしたか
七海 ヤスコ選手は圧力もあって前へ前へと出てくる選手だったので、そこに負けないように、かなりのエネルギーを使いました。
─闘っている最中の気持ちは?
七海 勝つことしか考えていなく、本当に試合に集中していました。また、一緒に来たメンバーの声援が聞こえてきて、観客の方も一緒に応援してくれてすごくうれしかったです。
─過去14年間大会を見ていますが、自然のスタンディングオベーションを初めて見ました。今日の主役でしたね。
七海 いやいや(照)。ありがとうございます。すごくうれしいです。全てが初めてだったので、新鮮な感じです。
─今後の目標は?
七海 来年の世界大会を目指しているので、そこに向けてまた練習していきたいと思っています。
─日本から応援に駆け付けた川崎雅央さん(城西国分寺支部)からも一言を。
川崎 うれしいです。ほぼイメージしてきた通りでもあり、一番理想の形で終えることができました。
日本人選手入賞者!
一般男子
第3位/徳田寛大選手(大阪南支部)
第6位/石塚悠太郎選手(鹿児島県支部)
一般女子
軽量級優勝&YOKOZUNA&敢闘賞/佐藤七海選手(城西国分寺支部)
中量級準優勝/小田幸奈選手(広島県支部)
▼入賞者
■一般男子
優勝/アレハンドロ・ナヴァロ(スペイン)
準優勝/ダニエル・ミリセビッチ(アメリカ)
3位/徳田寛大(大阪南支部)
4位/ソウタ・ナカノ(アメリカ)
5位/アレクサンダー・ベドシビリ(ロシア)
6位/石塚悠太郎(鹿児島県支部)
7位/ボリスロフ・ボリソフ(ブルガリア)
8位/アレクサンダー・アタナソフ(ブルガリア)
■一般女子
軽量級優勝&YOKOZUNA/佐藤七海(城西国分寺支部)
軽量級準優勝/レイラ・ポラック(ハンガリー)
中量級優勝/マリア・ヤスコ(ポーランド)
中量級準優勝/小田幸奈(広島県支部)
重量級優勝/アリス・ベノウタス(アメリカ)
■その他
試割賞/アレクサンダー・ベドシビリ(29枚)
技能賞/アレハンドロ・ナヴァロ(スペイン)
敢闘賞/佐藤七海(城西国分寺支部)
【動画】極真空手オールアメリカンオープン2018!
(2018年7月7日号掲載)