ニューヨーカーから喝采

アポロシアター前で、「ゼロから打ち師始めます。」のメンバー、ダンサーの戸辺葵さん(右から3人目)プロジェクトコーディネーターの松尾公子さん(右から2人目)。=3月12日(提供写真)
マイケル・ジャクソンやスティーヴィー・ワンダーやジェームス・ブラウン(JB)らを輩出し、黒人音楽の殿堂として世界的に有名な「アポロシアター」の名物オーディション「アマチュアナイト」。3月12日に開催された年間を通した大会のうち予選1回戦にあたるファーストラウンドショーに、2月に大阪で開催された「アポロ・アマチュアナイトジャパン24─25」の優勝者「ゼロから打ち師始めます。」と審査員特別賞の戸辺葵さんが日本のアマチュアナイトを代表しニューヨークの舞台に出演した。
観客が審査員というスタイルの本場の「アマチュアナイト」で、2組は圧巻のパフォーマンスを披露し、目の肥えたニューヨーカーから喝采を浴びた。
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日本大会優勝者で、日本発のサブカルチャー“ヲタ芸”を披露した5人組パフォーマー「ゼロから打ち師始めます。」は、「ニューヨークでのヲタ芸は不安が勝っていましたが、今日一日終えて本当に気持ち良かった。全てを出し切って最高の評価を得られたと思う。ヲタ芸を知らない人たちばかりの地で受け入れられたことが、これから活動の自信となりました。どんな地でもヲタ芸を広げていこうと思いました」と語った。
「アマチュアナイト」プロデューサーから審査委員特別賞に選ばれた、伝統的な“和”テイストのダンサー戸辺葵さんは、「本番前はとても緊張していて涙が出ちゃったんですけど、(舞台の)袖に行くとスタッフさんが、舞台に上がるとお客さんが歓声で励ましてくれたのが勇気になり、自分でも納得できるいいパフォーマンスができました。終わった後も、知っている人に加えて知らない人からも「すごかったよ!」という声をかけてもらって、自分の自信にもなった。日本文化のテイストも伝わっていたので、世界に広められたという達成感で、うれしいと楽しいと興奮といろんな感情があります!」
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アポロシアター91年の歴史上、世界初の公式ライセンスで開催された「APOLLO アマチュアナイトジャパン24─25」(吉本興業主催・企画・制作)。芸能事務所やレーベルに所属していない5歳から84歳までの応募者が、動画審査、対面オーデション、公開予選、決勝まで6カ月間かけて日本全国で熱いバトルを繰り広げ、優勝者には、賞金1万ドルとニューヨークのアポロシアター出演権が贈られた。
(2025年3月22日号掲載)