「BCネットワーク」第12回乳がんシンポ「今後の治療の方向性決めることができた」

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講演を行う東京虎の門病院・臨床腫瘍内科部長の高野利実医師=14日、ニューヨーク(撮影:中沢)

日米両国で最新の乳がん治療法の情報発信や早期発見のための啓発活動を行う非営利団体「BCネットワーク」(bcnet

work.org)は、第12回となる「乳がんシンポジウム@ニューヨーク」を14日、ニューヨーク日系人会で開催した。

司会はFCI─NYの久下香織子キャスターが務め、第1部の講師には、日本から東京虎の門病院・臨床腫瘍内科部長の高野利実医師、ニューヨークからマウントサイナイ病院・遺伝子部の大石公彦医師を迎えた。

日本から招かれた高野医師は、「あなたは日本の最新婦人科系がん治療法を知ってますか?」と題し、日米における乳がん治療の最新事情を紹介。治療薬や抗がん剤を中心に考えるだけではなく、一人一人に合った最善の医療を考え、「がんと上手に長く付き合っていく」重要性を訴えた。

また、大石医師は、遺伝子の観点から婦人科系がんの関係を講義し、がん発症に関与する遺伝子はあるとしながらも、遺伝子情報だけでがんの発症率などを算出することは難しいとし、定期的な専門家による診察が大切と説いた。

講演を行うマウントサイナイ病院・遺伝子部の大石公彦医師=同

講演後、質疑応答のコーナーでは、予防医学や子宮頸がんについてなど、さまざまな質問が飛び交い、婦人科系がんに対する強い関心がうかがわれた。参加者からは「手術したばかりで不安だったが、今後の治療の方向性を決めることができた」「半年に一度の検査を怠らないようにしようと思った」といった声が聞かれた。

また、第2部では、米国登録栄養士の宮下麻子氏が食生活アドバイスを、米国登録ヨガ講師のコネリー昌子さんがヨガストレッチを実演し、参加者の脳と体をリフレッシュさせた。会の最後には全員でじゃんけん大会が行われ、勝者には商品券やジュエリー、高野医師の著書などが贈られるなど、和やかな雰囲気に包まれたままシンポジウムは終幕した。

(2019年4月20日号掲載)

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