ブロードウェーが“歩くための大通り”に進化 6ブロックを恒久広場へ

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NY市が1.56億ドル再整備

ブロードウェーの東17丁目から東18丁目の間に新たに整備された広場区間を、自転車利用者や歩行者が行き交う様子。写真提供:NYC交通局(DOT)

ニューヨーク市は、マンハッタンの主要通りブロードウェーの一部を恒久的な歩行者空間へと転換する大規模プロジェクトを進めています。ニューヨーク市交通局(DOT)がコミュニティボード向けに示した計画によると、21丁目から27丁目までの6ブロックを車両通行禁止の常設広場として再整備する方針で、総事業費は約1億5600万ドル、完成は2031年を予定しています。

■ 仮設から“本物の広場”へ

対象エリアはフラットアイアン地区周辺です。現在はペイントや仮設ボラードによって車両の進入を制限していますが、今回の計画ではこれらの暫定措置を撤去し、コンクリート舗装による恒久的な都市広場へと刷新される予定です。

今回のプロジェクトは単なる歩行者化にとどまらず、地下インフラの大規模更新も含まれている点が特徴です。総事業費のうち約6700万ドルが上下水道などのインフラ改修に充てられ、地上の広場整備(約8900万ドル)とあわせて「通り全体の再構築」とも言える内容となっています。

■ 自転車レーンやキオスクも整備

設計面では、歩行者空間の拡張に加え、保護付き自転車レーンの整備、車両の減速を促す交差点設計(カーブ延長や段差付き横断歩道)、植栽やベンチの設置、小規模キオスクの導入などが計画されています。さらに、街区の一部をかさ上げする「レイズドブロック」の導入により、歩行者優先の空間設計が強化される見込みです。

■ 「遅すぎる」との声も 着工は2028年見込み

一方で、プロジェクトの進行スピードをめぐっては課題も指摘されています。現時点では設計段階にあり、着工は2028年ごろと見込まれていることから、「完成までに時間がかかりすぎる」との批判も出ています。特にパリなど海外都市と比較し、ニューヨークの公共事業の遅さや手続きの複雑さを問題視する声もあります。

この計画は、市が進める「Broadway Vision」構想の一環です。すでに17丁目から21丁目までの区間では歩行者広場の整備が完了しており、今回の6ブロックはその延伸かつ恒久化フェーズにあたります。

また、市は将来的に27丁目以北への拡張も検討していますが、具体的な時期や予算は未定です。

今回の再整備により、安全性の向上や交通の整理に加え、公共空間としての質の向上や周辺エリアの経済活性化も期待されています。完成すれば、フラットアイアン地区はニューヨークを代表する歩行者中心の都市空間として、さらなる存在感を高めることになりそうです。

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