多数の邦人・日系人コミュニティー支援団体を長年支えてきた功績に敬意
在ニューヨーク日本国総領事・大使公邸において1月24日、在外公館長表彰式が行われ、多数の邦人および日系人コミュニティー支援団体で、中心的な役職を担い続け、その活動を長年にわたり、支えてきた功績に敬意を表し、加納良雄氏が表彰された。
加納氏は米国日本人医師会(JMSA)事務局長で、日系医療支援ネットワーク(JAMSNET)理事・財務統括などを務めている。
加納氏は2005年以来、JMSAの事務局長として、また06年のJAMSNETへの立ち上げ時より理事・財務統括として、一貫して会の運営と実務全般を取りまとめ、団体の活動と発展を支え続けてきた。
他にも、日米カウンセリングセンター(ハミルトン・マジソン・ハウス内)理事やニューヨーク野口英世記念会の副代表をはじめ、多くの団体で重要な役職を担い続けており、いずれの活動も邦人及び日系人コミュニティーにおける健康、福祉、教育、心理のサポートに大きく貢献してきた。
加納氏は日本の百貨店の大丸に1958年に入社。73年に同米国代表事務所の所長兼ゼネラルマネジャーとしてニューヨークに駐在。85年に独立。大丸入社から45年間、米国と日本の掛け橋として、小売・消費財業界の専門家として数多くの独自の貢献してきた。2003年、小売および消費者マーケティングの専門家として長年務めた職を退職。05年にコロンビア大学心臓病学科教授であり、当時JMSAの会長に就任した本間俊一博士との出会いで事務局長に任命され、それが「新たな専門的方向性と第2のキャリアを歩み始めた私にとって、人生を変える出来事」となったという。
森美樹夫・在ニューヨーク総領事・大使が祝辞で「日本人と日系米国人がより利用しやすいものにするためのたゆまぬ努力に、心から敬意を表します。長年にわたり、医療および非営利のスキルにおいて、私たちのコミュニティーと日本、米国関係に献身的に尽くしていただいたことに、あらためて感謝申し上げます」と述べた。
加納氏はスピーチで友人や、サポートをしてくれた人々に何度も感謝の言葉を述べると共に、この賞をもらったことでこれまで以上に大きな自信が湧き、コミュニティーに貢献し続ける決意が湧いたとし、「私の体と心が持ちこたえる限り、これからも努力を続け、ベストを尽くすことを誓います」と抱負を語った。また、「健康の向上に貢献します。そして、私と私の家族を取り巻く世界の幸福を、生涯にわたって支えます」と述べると、会場からは感嘆の声が上がった。家族全員に対しても「家族がいなければ私はここに立っていなかった」と感謝の言葉を述べた。
「今晩ここに来ていただいた皆さまに感謝します。この瞬間は決して忘れません。本当にありがとうございました」と締めくくると会場は大きな拍手で包まれた。
加納氏は、地元の邦人紙の取材に「感無量です。コミュニティーのためにお手伝いすることが私の任務」と答えた。
今年90歳になる加納氏に元気の秘けつを聞くと、「ストレスフリー。人の悪口を言わないこと。終わったことは思わない」と答え、「常に考えることはtomorrowで、not yesterdayに徹すること」と明かしてくれた。
(2025年2月1日号掲載)