“多様性と命の輝き” バルーンファッションで表現
障がい、病を抱えながらも個性放つ9人のモデルが参加

New York Fashion Week 2026SS『DIVERSITY』—神宮エミがバルーンで描く、命のきらめきと多様性。モデルたちと共に織りなす唯一無二の瞬間
9月11日、ニューヨークの「The Glasshouse」で開催された「New York Fashion Week 2026SS」で、バルーンアーティスト神宮エミさん(EMIJINGU)が最新コレクション「DIVERSITY 〜ひとりひとりが持つ唯一無二の色と輝き〜」を発表した。
本ショーには、障がいや病を抱えながらも自らの個性を放つ9人のモデルがインタビューの上、選抜され参加した。バルーンが生み出す独特の揺らぎや立体感は、従来のファッション素材では表現し得ない幻想的なもので、そのユニークなスタイルは観客の目をひいた。
「バルーン」が素材のため、ニューヨーク到着後わずか4日間で9着を制作するという過酷な条件で、時間との闘いの中、チームが一丸となって作り上げたバルーンドレスでニューヨークのステージに挑んだ。
「DIVERSITY(多様性)」がテーマの最新コレクションを、神宮さんは「永遠には残らないバルーン」で表現した。そこには、「その儚(はかな)さを命の瞬間の輝きに重ね合わせ、光を受けて艶めく表面や空気を宿すフォルムを通じて、ただそこに在ることの尊さと、一人一人が宿す唯一無二の輝きを可視化した」という思いが込められている。
今後も神宮さんは、「多様性」や「いのちの輝き」をテーマにした作品を継続し、バルーンという儚くも力強い素材を通して、ファッションを超えた社会的メッセージを発信し続けるという。さらに「『多様性とインクルージョン』を体現するブランドであり続けるとともに、現代社会が抱えるさまざまなテーマにも目を向け、世界中の人々に思いを届けていきたいと考えている」と話す。
また、国内外での展示や企業とのコラボレーションを積極的に目指すだけでなく、姉妹ブランドを通じた小児病棟支援など、社会とつながる取り組みにも力を入れていくという。

命の輝きを表現したドレスがそろう圧巻のフィナーレ
(2025年9月27日号掲載)