112年ぶりにLIRRが拡張
ニューヨーク市交通の要、グランドセントラル駅に1月25日、新ターミナル「グランドセントラル・マディソン駅(Grand Central Madison)」がついに開業した。当駅には、マンハッタンとロングアイランドを結ぶロングアイランド鉄道(Long Island Railroad:LIRR)のほとんどの他路線に乗り換えることが出来る本線が乗り入れる。LIRRの拡張は112年ぶりとなった。LIRRは、メトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ(MTA)傘下の地下駅で、MTAは、LIRR利用者のうち45%が当駅を使うと予想している。
当駅は70万0000平方フィート(6万5000平方メートル)の面積を誇り、地下2階建て。コンコースはマディソン・コンコースと呼ばれ、小売業者やレストランなどが25店舗入居している。メトロノース鉄道のグランド・セントラル駅からは階段か、エレベーター、エスカレーターを使ってアクセスできる。エスカレーターは最大長が180フィートで、90フィート(27メートル)の高低差となる。当駅の出入り口は、グランド・セントラル駅のダイニング・コンコースとビルトモア・ルームに、また45丁目、46丁目と48丁目にある。
ニューヨーク市が手掛ける殆どの施設と同じく、パブリックアートが新設され、キキ・スミスさんと草間彌生さんによるモザイク画が選ばれた。スミスさんによるものは、自然を題材とした5つのガラスのモザイク画作品で、マディソン・コンコースにはイースト川に反射する太陽光を描いた、幅24メートルの「リバーライト」が飾られている。草間さんによる作品は、幅約37メートル、高さ約2メートルの壁画「愛のメッセージ、私の心から宇宙へ」で、顔、太陽やかぼちゃなどが題材となっていいて、マディソン・コンコースに設置されている。草間さんはこの作品について、「このビジョンと私の人生すべてを、ニューヨークの人々に届けること。それが私の願いです」とコメントしている。
(2023年2月4日号掲載)