ニューヨークを拠点にSDGs(持続可能な開発目標)の基本原則を解説し、持続可能な企業価値を高める支援をしているNYマーケティング・ビジネス・アクション社代表の古市裕子氏(国連NYサステナビリティ協会代表)が5月17日、日系企業の海外展開をサポートする企業(支援者)を中心としたネットワーキングの場、J-biznet(ジェトロ・ニューヨーク事務所:主催)で講演した=写真。古市氏は元ジェトロ・ニューヨーク事務所職員。
講演では、2015年に国連総会で採択されたSDGsの原則を中心に、日本企業と欧米企業の成功事例を紹介した。2030年目標のSDGsはすでに中間年を折り返した。
欧米事例では米リーバイ・ストラウスやコーチ(現・タペストリー)の循環経済型の仕組みや割り箸リサイクルで社会貢献するカナダのチョップバリュー、米コロラド州のヨガソックスをアップサイクルするタケッツ、マンハッタンのチェルシーにあるホットブレッドキッチン団体(料理の技術を移民女性に伝授し女性自立を支援)などの企業例を取り上げた。
日系企業が海外進出しグローバル企業として展開する際に気を付けるべき環境配慮や人権課題を示し、企業も個人でも取り組めるSDGsビジネスのヒントも紹介。ESG(環境・社会・経営)投資基準への注目度、CSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)の相関関係も解説した。質疑応答では活発な意見や質問が飛び交った。