96回忌野口英世墓参会 博士の功績偲ぶ

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記念撮影に応じる参列者ら=5月21日、ニューヨーク(提供:ニューヨーク野口英世記念会)

記念撮影に応じる参列者ら=5月21日、ニューヨーク(提供:ニューヨーク野口英世記念会)

ウッドローン墓地 有志らが献花

「ニューヨーク野口英世記念会」(HNMS)(代表:本間俊一氏)は5月21日、ブロンクスのウッドローン墓地で「96回忌野口英世墓参会」と「第6回ニューヨーク野口英世記念奨学金授与式」を開催した。

今年は6年ぶりの日曜の開催とあって、野口博士の功績を偲(しの)び、その精神と遺徳を後世に伝えたいという現地の日本人やボランティアら、昨年の1・5倍を超える約50人が参列した。

式典は加納良雄HNMS副代表の司会で始まり、主賓として本間俊一代表、ジェノポウロス・ウッドローン墓地会長のあいさつがあった。

次に在ニューヨーク総領事・大使の森美樹夫氏があいさつに立ち、2008年の在ガーナ日本国領事時代に日本政府が「野口アフリカ医学賞」を創設した際、自ら、この設立に深く関わったエピソードなど自身との深い所縁に触れた。また、ニューヨーク野口英世記念会、ロックフェラー大学、ウッドローン墓地、米国日本人医師会(JMSA)などに感謝の言葉を述べた。

続いて在ニューヨークメキシコ総領事館のバネッサ・オルテガ領事もあいさつし、野口英世は1919年メキシコで黄熱病がまん延した際、現地でワクチン開発に成功し多くの命を救った恩人だと語った。

福島県猪苗代から寄せられた倉根一郎・野口英世記念会理事長の温かいメッセージが、JMSAの柳澤ロバート貴裕・前会長によって披露され、会場の参列者に深い感動を与えた。

式典後に記念撮影に応じる森美樹夫総領事・大使(右)と張本哲弘さん=5月21日、ニューヨーク(提供:ニューヨーク野口英世記念会)

式典後に記念撮影に応じる森美樹夫総領事・大使(右)と張本哲弘さん=5月21日、ニューヨーク(提供:ニューヨーク野口英世記念会)

また、野口英世の墓守と奨学金制度などを支援するニューヨーク福島県人会の竹田小夜子会長からもあいさつが述べられた。

この日会場では、「第6回ニューヨーク野口英世記念奨学金授与式」が行われた。今年の受賞者は張本哲弘(はりもと・てつひろ)さん。張本さんは兵庫県生まれの東京育ち。現在は、ハーバード大学院Wyss Instituteに在籍し、生きたバクテリアを改変した抗がん剤製法の研究と開発に打ち込む日本人研究者で、その将来の研究成果には、大きな期待が寄せられている。

奨学金授与式が墓参会で実施されたのは初めて。

加納良雄副代表は「米国で医学の道を志す若き日本人研究者を応援するため奨学金をさらに拡充していきたい」と今後の抱負を述べた。

式典終了後、墓地横の美しい芝生でレセプションも行われ、参列者が交流を深めた。

(2023年5月27日号掲載)

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