J-Kanji 漢字文化を世界へ 第3回 ■今後の展開■ アイデア商品、次々と誕生

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根強い人気、“名前”入り千社札と印鑑

根強い人気、“名前”入り千社札と印鑑

独自の商品アイデアとデザインで世界に勝負をかけるブランド「J-Kanji」。日本の漢字文化を世界に広めることをコンセプトに、千社札や印鑑をはじめとするユニークな雑貨などを企画・販売し、日本の観光地などで存在感を増している。今号は、現在も次々と生まれているJ-Kanjiのアイデア商品をいくつか紹介する。

根強い人気、“名前”入り千社札と印鑑

J-Kanjiの商品は、扱うテーマがユニークなことが特徴でもある。中でも最も売れ行きが良いのは人の“名前”を扱った製品。Johnを「叙恩」など、英語名を漢字に当てた千社札や印鑑絶大な人気がある。自分の名前が漢字になるという興味深さや、自分だけのものというプレミアム感が、根強い人気を支えている。

“場所”やファッションテーマに多彩な商品

また、“場所”をテーマにした商品も多い。「日本の原風景」を詰め込んだアクリルファインダーキーチェーンは日本の各都道府県のモチーフ60種類をそろえる。特殊加工で奥行きを待たせ、まるでファインダー越しの世界を見ているかのような仕上がりだ。47都道府県と三つの地域、全50種類をレトロなスタンプ風にデザインしたステッカーは、集めていくとスタンプラリーを楽しんでいるような感覚になる。そのほか日本の風景をモチーフにしたモザイク調のタイルマグネットや、五輪を控え、世界の国旗をモチーフにした缶バッジやマグネットもそろえている。

「日本の原風景」を詰め込んだアクリルファインダーキーチェーン

「日本の原風景」を詰め込んだアクリルファインダーキーチェーン

さらに“ファッションとアート”もそのテーマに加わる。日本のイラストレーターが、日本をテーマに描いたイラストをプリントしたTシャツは、100人のイラストレーターによる100種類のアートを用意。「着ることができるアート」というコンセプト通り、絵画を購入する感覚で選ぶことができる。

日本のイラストレーターが、日本をテーマに描いたイラストをプリントしたTシャツ

日本のイラストレーターが、日本をテーマに描いたイラストをプリントしたTシャツ

そして、ひたすら“便利”を追求した商品もある。柄の半分をフォークやスプーンに付け変えられる、持ち運びに便利な弁当用箸や、箸の頭に鳥居がついている練習用箸など。子供向けの練習用箸はよく見かけるが、こちらは箸文化ではない国の大人向けだ。

大人のための練習箸

大人のための練習箸

一つの商品に何十何百種類ものモチーフ

これらの商品に共通しているのは、まず選ぶ楽しみがあること。一つの商品に何十、何百種類ものモチーフがそろえられているため、消費者は自分のお気に入りをチョイスする喜びを味わえる。また、初めて商品に出会った時はささやかな感動があり、種類の多さや意外性のある作りにときめく。人が普段気づかないような心の奥をくすぐるものばかりだ。そこにはデザインの力があるのは言うまでもない。

もちろんこれら商品は思いつきで生まれるわけではない。J-Kanjiを擁する株式会社ZEN(代表取締役・吉田啓資氏)では、「消費者の心を探る」一つの方法として、自社がコンテンツを発信するオウンドメディアを活用している。「数字だけに踊らされないようにしたい」と同社のマーケティング責任者・堀米潮氏は話す。インスタグラム、ツィッター、フェイスブックといったSNSで打ち出す内容は商品紹介ではなく少々不思議なコンテンツだ。「『?』と感じるようなものを出して消費者の興味の入り口を探り、その反応を見て判断基準にしています」と堀米氏は説明する。

現在製作中の新商品は「招き猫」

なお、現在製作中の新商品は「招き猫」。市場ではファンシーなデザインなものが多いが、コンセプトにのっとりあくまで「真面目な」招き猫を製作しているという。(次号に続く)

(2020年3月28日号掲載)

■情報
【北米販売サイト】j-kanji.com/shop/
【北米問い合わせ先】〈電話〉212-997-0210〈Eメール〉info@weeklybiz.us

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