「SMILE is LOVE、WA(和)is LOVE」大盛況で幕
絵本作家・イラストレーターの摩呂子さん(maroko)が来米し11月初旬、アート展示会「SMILE is LOVE、WA(和) is LOVE」をマンハッタンのギャラリーで開催した。
発起人である摩呂子さんが「以前、テレビでアジア人の人種差別問題を見た時に、何かやらなきゃと思ったんです。そのためにはニューヨークで世界共通言語の笑顔の映画を届けよう」と思い立って企画したという。展示会初日、わらべうた講師の小河恭子さん、エレクトーン演奏者でニューヨーク在住の高橋亜紀さんとともに、命の大きさを感じるワークショップ」のデモンストレーションを行った。
多くの現地の子どもたちが集まる中、わらべうたを披露する小河さんは「子どもたちのために歌うので、緊張なんてしていられないですね。日本の子たちじゃないと日本のわらべうたに触れられないじゃないですか。だからニューヨークの子どもたちにも、わらべうたを通じて、日本の心、ひいては世界の平和を願う気持ちを伝えたいと思って歌います」。
エレクトーンで伴奏する高橋さんも「日本発祥のエレクトーンはアメリカのハモンドオルガンの影響を受けて開発された楽器なので、エレクトーン自体が一つの平和の象徴じゃないかと思っているんです。両方の文化の融合体が奏でる音で何かを感じてほしいですね」と胸を張る。
大盛況で幕を閉じた2日間。「こんなに温かい雰囲気の会場になって、それだけで泣きそうです」と摩呂子さん。「今、この時に日本人として平和を訴えなくてどうするんだって、世界の子どもたちに愛を伝えないでどうするんだっていう気持ちで始めました。反対する人もいたけど、何もないところから出発して、よくここまでこられたと思います」と目に涙をためた。
今後の目標は「笑顔や、調和や、許容という概念をその国、その宗教、その人たちに伝えていきたい。これからもありがとうという言葉の大きさを感じるワークショップを世界でやっていきたいですね」と最後は笑顔を見せた。
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(2022年12月17日号掲載)