【10月12日〜2026年1月19日】メトロポリタン美術館、新エジプト展に200点展示

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Installation view of Divine Egypt at The Metropolitan Museum of Art. Photo by Anna-Marie Kellen, Courtesy of The Met

Installation view of Divine Egypt at The Metropolitan Museum of Art

メトロポリタン美術館(MET)で10年以上ぶりとなるエジプト美術の大規模展覧会「Divine Egypt」が10月12日(日)から開幕する。(会期は来年1月19日(月)まで)

本展では、200点以上のこれまで同時に展示されたことのない古代エジプト美術の傑作が多数登場。ボストン美術館、パリのルーヴル美術館、コペンハーゲンのニ・カールスバーグ彫刻美術館などから出展される作品に加え、メトロポリタン美術館所蔵の象徴的なエジプト美術コレクションから140点以上が展示される。

見どころは、印象的な彫刻から、神々の身体を構成すると信じられていた物質である金とラピスラズリで作られた見事な胸飾り、精巧な金属や木彫りの彫刻まで多岐にわたる。アメン神の純金の像は、神聖な神船(神殿の主神を乗せた船の一種で、祭りの際に街中をパレードされ、人々が神と直接交感できるようにしたもの)の再現を飾る。展示の各セクションでは、古代エジプトの王や民が神々を認識し、交流した方法を没入感を持って検証する機会を提供する。

3000年以上にわたり、エジプト人の信仰体系は1500体以上の神々を包含するまでに発展し、それらの神々は多くの形態や特性を重複させている。神聖なるエジプトでは、威厳ある隼の頭を持つホルス、危険な側面を持つ獅子の頭を持つサフメト、偉大なる創造神ラー、そして穏やかなミイラ姿のオシリスなど、古代エジプトの主要な25の神々を象徴する、巨大な像から輝く金銀や鮮やかな青のファイアンスで作られた優雅な小型像に至るまで、印象的な芸術作品が展示されます。この展覧会では、人物が身に着けているもの、その姿勢、あるいは携えているシンボルなど、微妙な視覚的ヒントが、その人物やその役割を識別するのにどのように役立ったかを明らかにしている。

メディア向けお披露目会で、マックス・ホレイン館長は、「当館のエジプト美術ギャラリーは、年間数百万人の来場者に最も愛されている展示室のひとつです。この見事な展覧会では、当館が所蔵する最も精緻な作品の数々に、世界有数の機関から貸し出された作品も加わり、古代エジプト美術の、またとない、一生に一度の素晴らしい展覧会となります」と、述べた。

同展示会について話すメトロポリタン美術館のマックス・ホレイン館長=6日、ニューヨーク(撮影・NYBiz)

同展示会について話すメトロポリタン美術館のマックス・ホレイン館長=6日、ニューヨーク(撮影・NYBiz)

エジプト美術担当主任キュレーターのダイアナ・クレイグ・パッチ氏は、「古代エジプトの神々の正体は一見簡単に見分けがつくように思えますが、見た目は欺くものです。一つの形態が複数の神々に共有されることもあるからです。3000年以上にわたる歴史の中で、神々や属性、役割、神話はほとんど廃れることがありませんでしたが、当時のエジプト人はその結果生まれた多様性を理解し受け入れることに何の困難も感じていませんでした。数百点に及ぶ見事な展示品を通じて、『Divine Egypt』展は、これらの神々の複雑な本質を理解し、天界の住人を古代エジプト人に身近な存在とするために必要だったイメージを解き明かす手助けとなるでしょう。」と話す。

詳細はwww.metmuseum.org/exhibitions/divine-egypt参照。

(2025年10月11日号掲載)

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