日本から重要文化財も
日本文学の最高峰『源氏物語』をテーマにした展覧会「The Tale of Genji: A Japanese Classic Illuminated(「源氏物語」展 in New York ~紫式部・千年の時めき~)」が3月5日からメトロポリタン美術館(MET)で開かれている(6月16日まで)。米国では初めてとなる大規模な源氏物語をテーマにした展覧会で、世界各国で所蔵されている作品120点以上が一堂に会する。
本展覧会ではこれまで日本国外で貸し出しされたことのない貴重な作品も含まれる。中でも目玉は初めて日本国外の展示となる2点の国宝で、俵屋宗達による光源氏と別れた恋人との二度の偶然の再会を描いた「源氏物語関屋澪標図屏風」と、平安時代に制作された「一字蓮台法華経」。この二つの作品は最初の6週間のみの展示となり、その後は他の作品と入れ替えられる。国宝の他に重要文化財も数点あり、土佐光吉の「源氏物語手鑑」などが展示されている。また、漫画家・大和和紀さんによる源氏物語を題材にした漫画『あさきゆめみし』の原画も展示されている。
4日に行われたメディア向け内覧会では、滋賀県大津市にある石山寺の住職・鷲尾龍華さんらが展覧会の成功を祈念する法要を行った。鷲尾さんは「僧侶が海外で法要を行うのはめったにない。とても光栄」と語った。
展示場所はメトロポリタン美術館2階のサックラー・ウイング、日本ギャラリー内。詳細はhttps://goo.gl/duWshBを参照。
(2019年3月9日号掲載)