ジャパンカッツ、大盛況の内に閉幕
ジャパン・ソサエティー(JS)映画部では10日から21日まで、日本の新作映画を集めた映画祭「JAPAN CUTS~ジャパン・カッツ~」を開催。ニューヨークの夏の風物詩として定着したジャパン・カッツは今年で17回目を迎え、大盛況の内に幕を閉じた。
幅広いジャンルから構成されるラインアップで「日本映画のいま」を俯瞰(ふかん)した同映画祭には、日本から11人の特別ゲストが参加、国際プレミア5作品、北米プレミア10作品、米国プレミア4作品を含む合計31作品を一挙に上映した。また、アワード授与式、ゲストによる舞台挨拶、上映後にQ&Aなどが開催された。
実力派俳優の森山未來さんが「Cut Above Award」を、映画界のレジェンド・藤竜也さんが生涯功労賞を受賞した。
映像、舞台、ダンスとジャンルにとらわれず活躍を続ける森山さんは、例年注目作を上映する「センターピース」枠として今年上映される塚本晋也監督「ほかげ」に主演、戦後の絶望の中を生きる片腕の動かない男という難しい役柄を見事に演じた。森山さんおよび塚本監督が出席する同作の上映会後に授賞式が行われ、またQ&Aも行われた。生涯功労賞受賞の藤さんは、最新主演作「大いなる不在」の上映会に、近浦啓監督と共に出席。藤さんは、大島渚監督の「愛のコリーダ」などに代表される約60年にわたる輝かしいキャリアを持つ日本を代表する俳優。「大いなる不在」では、Cut Above Award受賞の森山さんと親子として共演し、記憶、家族、喪失という深いテーマを力強く体現した。
ジャパン・ソサエティーでは幅広いジャンルの日本映画を1年を通して紹介している。(japansociety.org/film)
近日、本紙で、森山さんと藤さんのインタビュー記事を掲載予定。
(2024年7月27号掲載)