3〜4月・ブルックリンで 想田和弘監督ドキュメンタリー映画、シリーズ上映

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ブルックリンのミニシアター「Spectacle」で3月から4月まで、想田和弘監督によるドキュメンタリー映画のシリーズ上映が行われる。

これは、アート系映画配信サイト「MUBI」での想田和弘特集と連携して実施されるもので、2018年のベルリン国際映画祭に正式招待されプレミア上映され、是枝裕和監督やポン・ジュノ監督にも絶賛された18年制作の最新作『港町』(122分)が上映の中心となる。この作品は、想田監督自らが「観察映画」と呼ぶ台本やナレーション、BGMなどを排したドキュメンタリーの方法で制作された映画の第7弾で、美しく穏やかな内海を舞台い、小さな海辺の町に漂う、孤独と優しさ、やがて失われていくかもしれない、豊かな土地の文化や共同体の形などを描写している作品。『グエムル 漢江の怪物』『母なる証明』のポン・ジュノ監督も『港町』を「静謐(せいひつ)な感動をもたらす、息をのむほど美しいドキュメンタリー」「穏やかだが衝撃的で、心を揺さぶる」と絶賛している。

「Spectacle」はボランティアのシネフィルによって運営されているユニークな劇場で、Q&Aが実施される上映回は10ドル、されない回は5ドルと、値段設定にもオリジナリティーがある。3月の上映スケジュールは下記、4月のスケジュールは現時点で未定で、後日決定・発表される。

◎想田和弘(そうだかずひろ)監督
1970年栃木県足利市生まれ。東京大学文学部卒。スクール・オブ・ビジュアル・アーツ卒。93年よりニューヨーク在住。映画作家。台本やナレーション、BGMなどを排した「観察映画」と呼ぶドキュメンタリーの方法を提唱・実践することで知られる。監督作品に『選挙』(2007)、『精神』(08)、『Peace』(10)、『演劇1』(12)、『演劇2』(12)、『選挙2』(13)、『牡蠣工場』(15)、『港町』(18)があり、国際映画祭などでの受賞多数。著書に『精神病とモザイク』(中央法規出版)、「なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか」(講談社現代新書)、『演劇VS映画」(岩波書店)、『日本人は民主主義を捨てたがっているのか?』(岩波ブックレット)、『熱狂なきファシズム』(河出書房新社)、『カメラを持て、町へ出よう」(集英社インターナショナル)、『観察する男』(ミシマ社)など。本作『ザ・ビッグハウス』制作の舞台裏を記録した単行本『THE BIG HOUSE アメリカを撮る」(岩波書店)が2018年5月30日に刊行。

〈3月の上映スケジュール〉
2日(土)午後7時半『港町』(Q&A付き)
3日(日)午後5時『港町』
5日(火)午後10時『港町』
6日(水)午後7時『精神』(Q&A付き)
12日(火)午後7時半『港町』
24日(日)午後5時『選挙』(Q&A付き)
24日(日)午後8時『選挙2』(Q&A付き)
25日(月)午後10時『港町』
27日(水)午後7時『ザ・ビッグハウス』(Q&A付き)

【会場】Spectacle(124 South 3rd St, Brooklyn、bet Bedford Ave & Berry St)

【ウェブ】http://www.spectacletheater.com/kazuhiro-soda/#inland

(2019年2月23日号掲載)

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