
河村武明(たけ)さん
河村武明(たけ)さんは、重い障害を持ちながら表現者として日本全国で活躍している。2020年2月にニューヨークのチェルシーで展示会に作品を出展した河村さん。今月16日(金)~22日(木)からはグリニッジビレッジにある天理ギャラリー(43A West 13th Street)で、長年の夢だったニューヨークでは自身初の個展を開催する。
個展に際して意気込みとして以下のように語ってくれた。
「脳梗塞で言葉と右手の自由を失うも、路上販売からNY個展へ! 私の『トビダスアート』は、龍や亀、NYビルが飛び出す世界で珍しい絵画。電動ノコギリで切った木を継ぎ、枠から飛び出すさまは『常識破り』『自分の枠を超えろ』というたけの人生そのもの。ありえない空飛ぶ亀は、左手で絵を描き始めた私の挑戦。自分の可能性を信じ、枠を飛び越えれば、亀は空を飛ぶ! 不可能はない」
■展示予定作品■

「龍が炎を受け取る;NYが喜びで飛び跳ねる!」長きにわたりたいまつを掲げていた自由の女神は、そのたいまつを龍に託し、彼女と街は歓喜に包まれた

「障害という巨大な波を超えて;TAKEのトビダスアート」北斎の魂とトビダスアート融合! 大波の彼方にNY。亀は希望の象徴。衝撃と感動を!
〈profile〉河村武明(たけ)
たけは34歳の時に突然脳梗塞で倒れました。48時間後に救助され一命は取り留めたものの、ろれつが回らなくなる構音障害、聴覚障害、失語症、利き手である右手の麻痺が残りました。
ミュージシャンだった彼にとって最も大切だったことを全て奪われ、絶望に打ちひしがれる中、北野武監督の映画『HANA-BI』で、半身不随になった警察官が絵を描いているシーンが頭をよぎり、ふと絵を描いてみると、利き手ではない左手で驚くほどうまく描けたのです。
倒れてから6カ月後、退院を待たずに路上で自分の作品を売り始めると、この勇気ある行動はすぐに注目を集め、メディアで広く報道されました。それから約1年後、彼は高島屋にスカウトされ、日本各地で個展を開催するようになりました。
たけは講演活動にも力を注ぎ、話すことをしない独自のスタイルでの講演は650回を超えています。小中学校での講演は無料で行っていて、ニューヨークの学校でも講演したいと考えています。
たけは常に挑戦し続け、自分を枠にはめずに生きてきました。
「人生には、不可能なことなどほとんどない」
これが、彼が世界に伝えたいメッセージです。
個展情報
【会期】5月16日(金)~22日(木)
【会場】天理ギャラリー(Tenri Gallery)43A West 13th Street, New York, NY 10011
【行き方】www.tenri.org/general/directions.shtml を参照
【日程】5月16日(金)オープニングレセプション(午後6時〜8時)
17日(土)展示(正午〜午後3時)
18日(日)休館
19日(月)展示(正午〜午後6時)
20日(火)展示(正午〜午後6時)
21日(水)展示(正午〜午後6時
22日(木)展示(正午〜午後5時)
■情報■
〈ウェブ〉「たけの世界」www.hyougensya-take.com/
〈ショッピングサイト〉「たけの世界」hyougensya.buyshop.jp/
(2025年5月3日号掲載)