TOGETHER FOR 311追悼式典 震災から7年「NYは忘れていないよ」 追悼式に約440人参列

0

1日で東日本大震災より7年となるのを前に、マンハッタンのファーストチャーチ・オブ・クライスト・サイエンティスト教会で4日、「TOGETHER FOR 311追悼式典」が行われた。被災地・被災者を応援する人々がニューヨークにもいることを伝えたいと毎年開催されている同式典は今年で7回目。約440人が会場に集い、祈りを捧げた。

会場全体の写真。7年目の今年も約440人が参加。風の環少年少女合唱団の歌声に、会場は温かいムードに包まれた=4日、ニューヨーク

◇ ◇ ◇

髙橋礼一郎・在ニューヨーク総領事・大使の呼び掛けで参列者が黙とうを捧げ、続いて宮城県岩沼市出身でニューヨーク在住のイラストレーター大友あかり“acary”さんが壇上に立った。大友さんは震災後に故郷宮城県で立ち上げたプロジェクトなどを紹介しながら、故郷を災害が起きる危険な場所というイメージで広めるのではなく、「(震災の)歴史から学んできたことと土地の持つ魅力を伝える活動をしていきたい」と抱負を語った。福島県からは福島ふたば未来学園の生徒11人が壇上に登り、代表の高校2年生、関根颯姫(せきね・さつき)さん(16)がスピーチ、英訳を高校2年生の遠藤瞭(えんどう・りょう)さんが担当した。当時小学校4年生だった颯姫さんは、約4カ月の避難生活中、誤った情報による差別や暴力を受けた。自殺も考えたものの「自分にはまだやるべきことがある、夢がある」という思いが支え、同校に入学、演劇部員としてコンクールで優秀賞を取るに至った。関根さんの「これからも人々を笑顔にしていきたい」との決意に、会場からは惜しみない拍手が送られた。

スピーチに立った福島ふたば未来学園の関根颯姫さんと生徒たち=同

ビデオメッセージでは、岩手県からNPO法人「桜ライン311」代表理事・岡本翔馬さんが登場。震災時避難誘導をしていた友人を失った岡本さんは、避難時の目印になるよう陸前高田市内の津波到達地点に桜を植樹し、桜の列(ライン)を作る活動を行っており、これまで248カ所に1227本を植樹したと共有した。

また福島県相馬市のみなと保育園からは震災後に生まれた園児たちが元気に歌を披露するビデオレターが届いた。続いてニューヨークの日本語補習校などに通う子供たちで結成された「風の環」少年少女合唱団が「翼をください」など3曲を元気に歌い上げると、大きな拍手が送られた。

チャリティー販売コーナーでは、復興グッズが販売された。集まった寄付金は領事館とジャパン・ソサエティーを通じ被災地に送られる。主催のフェローシップフォージャパンはニューヨーク在住の在留邦人らによるボランティアグループ。代表AK(柿原朱美)さんは「これからもニューヨークは忘れていないということを伝え続けたい」と語った。

 

(2018年3月10日号掲載)

 

 

Share.