「お金の教養」 ぜひ身につけて人生を豊かなものに
私たちの生活になくてはならない「お金」には、大きく分けて3つの役割があると思います。1つは、ものやサービスと交換する「手段」、2つ目は、ものの価値を計る「基準」としての役割、そして、3つ目はお金を蓄えておくことのできる「貯蔵」という役割です。このように、お金は非常に便利な「道具」だとは思いますが、考え方、扱い方ひとつを変えるだけで「凶器」にもなり得る、「諸刃の剣」の存在ではないかと、私は考えています。たとえば、包丁は料理をする場合に必要不可欠な道具である一方、扱い方を間違うと凶器にもなってしまいます。
同じように、お金は便利な道具である一方で、ローン・借金によって生活苦に陥ってしまったり、お金の貸し借りで友人関係を壊したり、扱ったことのない大金を手にしたときに人生がおかしくなってしまうなど、人々に悪影響を及ぼす場合があります。
このようなことを考えていくと、私たちが豊かな生活を送るには、「お金の正しい扱い方」を知っておく必要があるのではないでしょうか?
貯金がいくらあっても、仕事以外ではほとんど外出せず、家にこもったまま。そのような生き方は、はたして楽しいものといえるのでしょうか? それよりも、ある程度のまとまったお金ができたら、資産運用というかたちでそのお金にも「働いて」もらい、そこで得たお金で、美味しいものを食べたり、旅行をしたりと、わずかばかりとはいえ、ぜいたくをしたほうが、充実した人生を送れることになるのではないでしょうか?
お金とは、貯めるだけのものではないのです。貯めたお金を価値あるものやサービスに交換してはじめて、私たちの人生を豊かにしてくれるものだからです。
皆さんもぜひ「お金の教育」をきちんと受けて、「お金の教養」を身につけ、充実した日々を送ってくださいね。
(次回は10月第1週号掲載)
〈プロフィル〉泉 正人(いずみ まさと) ファイナンシャルアカデミー代表、金融学習協会理事長。経済入門から資産運用までの幅広いファイナンシャル教育を行う。受講者が18万人の「お金の教養」=写真=プログラムをニューヨークでも開催。http://us.Financial.ac