〈コラム〉食事でコレステロールを管理してみよう 玄米や白米+雑穀をしっかり噛んで

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日本クリニック「医療の時間」第3診

「コレステロール値が高い」と医者から注意を受けたことがある方も多いと思います。私も数年前までは血中総コレステロール値が正常値︿200㎎/㎗を超えていました。コレステロール値が高いと冠状動脈性心疾患のリスクが増加するため、日々の管理が必要です。私は運動と食事療法で徐々に正常値以下に下げました。その方法をご紹介します。
当時の私の食生活は野菜中心で、たまに動物性食品を食べるくらい。運動も日課になっていたので、医者からも「遺伝なので、気を付けた方がよい」という答えばかり。そこで改めて日々の食生活を見直してみました。
確かにコレステロールが高めの貝類は好きですが、たまに食べる程度。日々食べるのは、玄米や全粒粉のパン、野菜に果物、豆腐や豆類など。スナックはレーズンやアーモンド、くるみなど。しかし、よく食べていた86%カカオ配合のダークチョコレートが原因かもしれないと思い、悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やす効果のあるナッツを合わせて食べることにしました。カロリーは高くなりますが、お腹が満たされ、食べ過ぎを防ぐことができました。
アメリカでは、成人も子供も血中総コレステロール値の高さが問題になっていますが、コレステロールの管理においてもう一つ大切なのは脂肪のとり方です。以下が理想のとり方です。
・脂肪摂取は摂取カロリーの30%以下。
・飽和脂肪と多不飽和脂肪は各1/3以下。
・食事からとるコレステロールは1日300ミリグラム以下。
低脂肪食(約2000キロカロリー、脂肪39グラム(17%)、飽和脂肪10グラム(4%)、コレステロール91ミリグラム)のアメリカ式のメニューのサンプルをご紹介します。
[朝食]
・全粒粉トースト2枚または全粒穀物入りシリアル1カップまたはベーグル1個、低脂肪クリームチーズ大1またはマーガリン小1、スキムミルクまたは1%脂肪のミルク1カップ、果物(リンゴ1つ、バナナ1本など)
[昼食]
・全粒粉やライ麦パン、レタス、トマト、チキンまたはターキー、果物または100%果汁のジュース1カップ、低脂肪ビスケット、スキムミルク3/4カップ
[スナック]
・低脂肪・塩分控えめのクラッカー3〜4枚または低脂肪のキューブ型チーズ2〜3個、ドライフルーツ、スキムミルク3/4カップ
[夕食]
・焼いたチキン(脂肪分が少ない部位)または魚85グラム(塩・胡椒・ハーブ少々で味付け)、ベークドポテト中1個、マーガリン小1、蒸したブロッコリ1/2カップ、バターロール1個
アメリカ式のメニューを紹介しましたが、日本人ならしっかり米を食べましょう。玄米や白米+雑穀をしっかり噛んで食べること。そして運動やストレス管理も大切です。たとえすぐには良い結果が出なくとも、悪化することはありません。食事と運動、ストレス管理のバランスが取れていれば健康的な生活が送れると思います。
DrMiyashita

〈今回の執筆者〉宮下麻子先生/Asako Miyashita, MS, RD
日本クリニック/15W 44th St. 10FL. NY,NY 10036
東京都出身。コロンビア大学教育大学院にて、栄養教育学修士号を取得。日本ではマイクロビオティック料理学校のリマクッキングスクール師範科を修了。米国栄養士協会会員。専門は体重マネジメント、食物、アレルギー、食育、摂食障害、予防栄養学、スポーツ栄養学。
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