〈コラム〉急激な体重増加を防ぐために 水分貯留、筋肉量にも気を配って

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日本クリニック「医療の時間」第9診

冬の体重増加は寒さから体を防ぐためとも言われますが、やはり急激な体重増加は避けたいものです。食べ物の選択、食べ過ぎ予防、運動も大切ですが、以下のことにも気を使ってみませんか?
1 体内の水分貯留
食塩の取り過ぎは体内の水分貯留の原因になります。特に外食や加工食品の食塩含有量が多いことを覚えておきましょう。
〈体内に水分をためないようにするには〉
・急激なダイエットは避ける。1週間に500グラムの体重減少が理想。急激な体重減少は炭水化物の貯蔵の消費と筋肉内のタンパク質の分解と関係していて、炭水化物とタンパク質が不足すると、体内の水分も失われます。そのため体重は落ちますが、健康的に痩せるにはバランス良く炭水化物もタンパク質も食べなければなりません。
・脱水症状を起こしやすいコーヒー、紅茶、アルコール飲料は飲み過ぎない
・適度な水分補給
・加工食品や塩分の多い食事を控える
・適度な運動で汗を流す
2 筋肉量を増やす
ホリデーシーズンはいつもより食べ過ぎ、飲み過ぎてしまいがち。この時期こそ、定期的に適度な運動量が必要になります。筋肉量を増やすと代謝が良くなり、体重を安定させます。そのため、少しでも体を動かすことが大切。寝る前の10分のストレッチでも効果的です。
3 感情に振り回されて食べない
年末は忙しく、ストレスがたまる時期でもあります。気付いたら、いつも食べている、食べ過ぎていることがありませんか。感情に振り回されて食べるのを避けるコツは意識を変えること。これには日々食べているものを書き出してみることが効果的。これは普段の食生活の見直しにもなるのでお勧めです。
4 薬をチェックしましょう
ホルモン系の薬、経口ピル、非ステロイド系抗炎症薬、坑うつ剤、糖尿病の薬などは体内水分貯留、食欲の増加、体重増加の原因にもなります。もし薬が原因だと思ったら、医師に相談してください。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
体重にこだわり過ぎるのも良くありませんが、体重の急増加や減少は体に負担をかけます。定期的に測ることをお勧めします。「楽しく食べて、食べた分運動する」、これも覚えておいてください。
(次回は1月29日号掲載)
DrMiyashita

〈今回の執筆者〉宮下麻子先生/Asako Miyashita, MS, RD
日本クリニック/15W 44th St. 10FL. NY,NY 10036
米国登録栄養士。コロンビア大学教育大学院で栄養教育学修士課程卒業。日本ではマクロビオティック料理学校のリマクッキングスクール師範科を修了。米国栄養士協会会員。専門は体重マネジメント、予防栄養学、スポーツ栄養学、摂食障害など。

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